皆さんこんにちは!
今朝の新聞報道で、トヨタのスポーツカーも水素エンジンで復活!という記事が出ました。
私も若い頃は、スポーツカーに憧れて、初めての車はトヨタカローラレビンでした。
そんな自動車業界と空飛ぶクルマVTOL業界も完全電力からハイブリッド(水素燃料+電気)
に傾いてきているようです。
エアバスZeroE プログラム
PARKER MEGGITT がエアバスの水素燃料電池推進システム用のエネルギー バッファーを開発
Parker Meggitt は、エアバスの ZeroE プログラム チームに参加し、2035 年までに水素
動力旅客機を商用サービスに投入する計画に取り組んでいます。航空宇宙グループは今週、
推進のエネルギー貯蔵装置の一部となるエネルギー バッファー システムを開発している
と発表しました。
Parker Meggitt による 1 月 12 日の声明によると、同社が eBuffer と呼ぶシステムは、
電気的および機械的な制約のバランスを取りながら、安全性、効率、および重量を最大化
します。最初の eBuffer プロトタイプは、今年初めに地上試験を開始する準備が整う予定
です。Parker Meggitt のエンジニアリング チームは、エアバスが 2020 年から評価している
3 つの ZeroE 機体設計の 1 つを選択した後、2025 年に開始することを目指している飛行試
験キャンペーンの一部として使用する別の例を開発しています。
パーカーがメギットの買収を完了
2022年10月、米国のエンジニアリング企業 Parker-Hannifin は、英国を拠点とする航空
宇宙および防衛企業の Meggitt を 63 億ポンド (176 億米ドル) で買収しました。
Meggitt は、世界中で 9,000 人以上を雇用し、着陸装置、ブレーキ システム、防火および
安全システム、センサー、燃料システム、ポリマー シールなどの製品を供給しています。
1850年創業の同社は、英国と米国の防衛部門にも部品を供給しています。
Parker-Hannifinによると、Meggittの買収により、補完的な技術が追加され、経常収益を通
じてパーカー エアロスペースのアフターマーケット ミックスが増加し、商用航空宇宙の回復
予想される世界的な航空機の更新、および電化や低炭素技術などの新たなトレンドを通じて
成長機会が強化されるとのことです。
エアバス ZeroE プログラム
エアバスは、2035 年までにサービスを開始する可能性のある水素動力旅客機のコンセプトに
取り組んでいます。ヨーロッパのエアフレーマーが世界初の「ゼロエミッション」商用航空機
になると述べた計画を発表し、エアバスは 2022年9 月 21 日に 3 つの航空機を発表しました。
3 つの設計の中で最も斬新なものは、エアバスが約 2,000 nm の飛行で最大 200 人の乗客を
運ぶことができると示した混合翼の機体を示しています。翼が航空機の主要部分と合流する非
常に広い胴体は、水素の貯蔵と分配だけでなく、客室用のスペースも提供します。
エアバスはまた、約 2,000 nm のセクターで 120 ~ 200 人の乗客を運ぶ、より従来型のナ
ローボディ モデルを発表しました。推進システムは、後部圧力隔壁の後ろにあるタンクを介し
て貯蔵および分配される液体水素を動力源とする改造ガスタービンエンジンのペアに基づいて
います。このデザインは、後退した外翼面を特徴としています。
3 番目の設計は、100 席のツイン ターボプロップです。それも、水素を燃料とする改造ガスタ
ービンを特徴とし、エアバスによると、最大約1,000 nmの範囲で飛行します。
エアバスは水素技術に「数十億ドル」を投資する意思があり、この水素技術によって燃料使用
への参入障壁が低くなると考えています。
混合翼設計は、エアバスが 9 月 21 日に発表した 3 つのコンセプトの 1 つです。航空機は
最大 200 人の乗客を収容し、最大 2,000 nm で飛行します。(画像:エアバス)
フランスの自動車メーカーがエアバスの電動化チームに参加
サステナビリティサミットで行われた別の発表では、フランスの自動車メーカーであるルノー
は、バッテリー技術の改善を通じて、同社が電動化ロードマップと呼んでいるものを強化する
ことを目的として、エアバスと研究開発契約を結びました。エネルギー管理とバッテリー重量
に関連するいわゆる技術ブロックをカバーするこのコラボレーションは、エアバスが将来のハ
イブリッド電気航空機に関連する技術を開発するのに役立ちます。この合意はまた、リチウム
イオンなどの現在のセル化学から、2030年までにバッテリーのエネルギー密度を2倍にするこ
とが期待されるすべてのソリッドステート設計に移行するための最良の道筋に関する共同研究
を求めています。
この共同作業では、将来のバッテリーの生産からリサイクル可能性までのライフサイクル全体を
研究し、ライフサイクル全体での二酸化炭素排出量を評価しながら、将来の設計の工業化を準備
します。
エアバスの最高技術責任者であるサビーン・クラウケは、次のように述べています。「2050年
までに正味ゼロ炭素排出量を達成することは、今日から始められるセクター間の協力を必要とす
るユニークな課題です。電気自動車におけるルノー グループの経験と、電気飛行デモンストレー
ターにおける当社独自の実績を組み合わせることで、2030 年代以降の将来のハイブリッド航空
機に必要な破壊的技術の開発を加速することができます。」
世界1位を維持できるか?トヨタ
レビンがEV、トレノは水素?
トヨタ自動車が、東京オートサロン2023(会場は幕張メッセ、会期は1月13日から15日)に
2台の「AE86」を出展しました。中身は「レビン」が電気自動車(EV)、「トレノ」が水素
エンジンに置き換わっています。
「カローラレビン」(AE86)のコンセプトカー「AE86 BEV Concept」は既販車の電動化技
術を最大限に活用して製作。「タンドラ」(ハイブリッド車)用のモーターや「プリウス」
(プラグインハイブリッド車)のバッテリーなどを使用しているといいます。AE86のボディ
や車重の軽さ、前後の重量バランスは極力維持しつつ、バッテリーEVの特徴である高い駆動
力を持たせた。トランスミッションはなんとマニュアルです。EVでありながら「クラッチや
シフトの操作を楽しめる」(豊田社長)クルマに仕上がっているそうです。
「スプリンタートレノ」(AE86)のコンセプトカー「AE86 H2 Concept」はTOYOTA GAZOO
Racing(TGR)がROOKIE Racingとともにスーパー耐久シリーズで実践している「モータース
ポーツを起点としたもっといいクルマづくり」の知見をいかした水素エンジン搭載車。後方に
燃料電池自動車「MIRAI」の高圧水素タンク2本を積んでいます。その他の変更点はインジェ
クター、フューエルデリバリーパイプ、プラグなど最小限にとどめました。 これら2台のコン
セプトカーでは、アフターパーツメーカーと一体となったカーボンニュートラルへの貢献を目
指し、中古シートをリフレッシュしたリユースシート、リサイクル素材を使用したシートベルト
やシートベルトパッドを採用しています。
2台に込めたトヨタの思いとは何か。豊田社長は「クルマ好きだからこそできるカーボンニュー
トラルの道がある」とし、この思いが形となったのがAE86のコンセプトカーだと語りました。
水しか排出しないのに“快音”を響かせる
水素エンジンを搭載するトヨタの研究車両兼レース車両「水素エンジンカローラ」が、市販車
で競われる「スーパー耐久」レースで確実に成果を残しています。初参戦となった2021年5
月の富士大会(24時間耐久)、さらに7月のオートポリス大会(5時間耐久)に続き、9月
18日〜19日に鈴鹿で開催された5時間耐久にも参戦、ガソリン車やディーゼル車に混じって
3度目の完走を果たしました。
この水素カローラは、トヨタの市販スポーツカー「GRヤリス」の1.6L・3気筒ターボをベース
に、インジェクターを水素対応品(ガソリンのように液体ではなく、気体を噴射する)に変更し
ガソリンより約8倍も燃焼速度が早いという水素に対応してヘッド回りを改修するなどしたエ
ンジンを搭載しています。燃料が水素なので、燃焼させても排出されるのは基本的に水だけ(
厳密には窒素酸化物=NOx対策も必要)ですが、基本がガソリンエンジンと大きく変わらないた
め、マフラーからは内燃機関らしい“快音”を響かせるのも特徴です。
タンクとエンジンのイメージ図。水素タンクはトヨタの市販燃料電池車・ミライのものを小
改良して流用しており、水素カローラでは後席スペースを埋め尽くすように4本を搭載して
180Lの容量を確保。高圧水素を搭載するため、クラッシュなどのアクシデントを考慮して
タンクは厳重にガードされています。
水素カローラは豊田章男社長の肝いり
この水素カローラ、今や日本産業界の顔とも言える、トヨタの豊田章男社長肝いりのプロジ
ェクトであり、自ら“モリゾウ”のエントリー名で参戦ドライバーのひとりを務めているのも
特徴です。では、なぜ社長が前面に出るほどに注力しているかと言えば、このプロジェクト
が水素エンジンの実験レベルに収まる話ではないからです。
豊田社長は以前より「カーボンニュートラルの敵は内燃機関ではなく炭素(CO2)」と訴えて
います。近年、カーボンニュートラルの実現にはピュア電動車両こそ唯一絶対の正解と捉える
風潮が強い。しかしそうではなく、CO2を効率よく削減するには電動はもちろん、ハイブリッ
ドや内燃機関を含めた様々な選択肢を揃え、地域や用途ごとに最適な方法を選択するのがベス
トのはずだ……というのがその主旨。ひいては、それが日本で自動車産業に関わる人々の雇用
を守り、日本の基幹産業を守ることにもつながると繰り返し主張しています。
まとめ
今日は、水素燃料エンジンの可能性、将来性について見てきました。ヨーロッパでは化石燃料
車からEV(完全電気自動車)へのシフトを進めています。それに追従するようにアメリカ、
中国もEVの開発に重点を置いています。取り残された感のある日本企業ですが、水素燃料
と言う武器を手に入れることによって、世界をリードできる可能性があります。
EVにしても動力源は電気です。その電気を生み出すには、太陽光や風力などの自然エネルギー
では、全てをまかなうことはできません。どうしても火力発電や原子力発電による電力が必要
になってきます。それでは完全な脱炭素、カーボンニュートラルとは言えません。無尽蔵にある
空気から水素を生成することで得るエネルギーが持続可能なエネルギーとして注目されています。
ちなみに日本の空飛ぶクルマのHIEN(ヒエン)は水素燃料と電力のハイブリッドです。今後は
日本の自動車メーカーと連携してオールジャパンで良い製品を作って行ければと思います。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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