皆さんこんにちは!
今回は、先日も話題になりましたWISKという会社について紹介します。
WISK ウィスク
WISK AERO(ウィスク エアロ)はアメリカ、カリフォルニア州マウン
トビューに拠点を置く航空宇宙メーカーです。アメリカ航空大手ボーイング社と
キティホークの合弁会社です。
キティホークの歴史と変遷
ウィスクの基の会社であるKITTYHAWK(キティホーク)について見てい
きましょう。
キティホークは、エアタクシーを手頃な価格で、環境に配慮したものにすること
を目標に、1 人で遠隔操縦する電動航空機を製造しています。
自動運転車のパイオニアであるセバスチャン・スランによって設立され、Google
の共同創設者であるラリー・ページ の支援を受け、10 年以上に渡って航空を開
発、100 機以上の航空機を製造してきました。
2010年1月にZEE AERO(ジィ・エアロ)として設立されました。
創業者のラリー・ページは、スタンフォード大学の航空宇宙学教授であるイーロン
・クローとセバスチャン・スランを採用して、電動垂直離着陸機を開発しました。
2014年2月には、リフトファン(離着陸モード)から翼搭載飛行(巡航モー
ド)への切り替えに成功しました。
2015年9月には、有人で水上を飛行する個人用レジャー用飛行機の開発にも
成功しました。この年に、会社名をキティホークに改名しています。
2018年に現在のKORA(コーラ)の初期モデルの開発に成功し、FAAか
ら認証をもらいました。
2019年、キティホークとボーイングは合弁会社ウィスクを設立し、コーラの
さらなる開発を進めることとなりました。同年、キティホークはHeaviside H2を
開発。傾斜モーターや高性能シングルシートデザインの革新的な技術を導入し、
1日の充電で100マイル(60km)以上の飛行距離と、時速180マイル
(290km/h)の速度を出すことに成功しました。
2020年にはアメリカ空軍から耐空性の承認を受けています。2020年以降
は、遠隔操作や小型軽量化、静音性の向上、低コストの現実に向け日々、飛行試
験を行っています。
最新エアタクシー KORA(コーラ)
機体は、12個の独立したローターを搭載しています。可動部分はファンだけで
す。全長は21フィート(6.4m)、翼幅は36フィート(11m)です。
最高速度は約100km/h。飛行機の種類は固定翼機、後方単一プロペラ(電
動)となっています。
自律飛行における豊富な経験を活用することで、航空機事故の最大の原因である
パイロットエラーを取り除くというのがコンセプトです。また安全面では、ロー
ターによる離着陸が不可能な場合用にパラシュートが装備されています。
第6世代の航空機
ウィスクは、10月にコーラの次の第6世代の航空機を発表します。4人乗りの設
計で、FAAの認証を得たい考えです。この開発にはボーイングの支援が必要です。
ウィスクには約100人のボーイングエンジニアを含む500人がeVTOLの開発に
取り組んでいます。活動拠点は、カリフォルニア、セントルイス、バージニアなど
全米各地で行われています。5年以内に最大2000機のeVTOLの開発を目指して
います。
理念
ウィスク(キティホーク)の理念は、エアタクシーを安価で提供することです。そ
れにはコストの削減が不可避です。そこで考えたのがパイロット無しでの機体の開
発です。パイロットが同乗すると言うことは、高コストで、パイロットの数も十分
ではありません。機体からパイロットを無くすには、自律型(遠隔操作)にするた
めにパイロットが通常行うアクションを別の方法で実行する必要があると考えまし
た。他の航空機や障害物、または目標物(空港、滑走路など)を検知して回避する
ことをオペレーターに任せます。これを実現するためにカメラや地上のレーダーシ
ステムを使用して行う方法があります。しかしながら、現在のシステムでは不十分
であり到底遠隔操作はできません。航空レーダーの拡張としてより広い範囲を3D
(3次元)レーダーによってカバーする必要があります。FAAは、NASAや空
軍と協力して、オハイオ州スプリングフィールドにスカイビジョンという航空管制
をリモートパイロット(オペレター)直接共有する、3Dレーダーカバレッジ(範
囲)を開発し、提供できました。スカイビジョンは、航空機の情報を提供し、空域
の侵入を自動的に操縦者(オペレーター)に知らせるとともに、必要な回避行動を
とることができるようにします。
真のエアタクシーの未来像
都市郊外の自宅から、都内への会社絵の出勤。自分のスマートフォンのアプリから
エアタクシーを予約。指定した時間とほぼピッタリに、自宅近くの公園のピックア
ップスポットにエアタクシーが到着しています。ラッシュアワーのこの時間帯には
35分かかるところをわずか10分のフライトで会社近くの公共の駐機スポットに
到着できます。フライトの案内は、すべてリモートパイロットが丁寧に行ってくれ
ます。現在の天気、空の交通混雑状況を判断して、最短で快適なルートを提案して
くれます。料金も普通のタクシーの半分の5ドルです。もう、自動運転のタクシー
には乗れなくなりました。そんな、未来をウィスクは想い描いています。
まとめ
ウィスク(キティホーク)が望んでいるUAM(アーバンエアモビリティ)の完全
自律化は遠い将来、実現化されるでしょう。自動車の自律化(自動運転)が未だに
実現化していない今の技術を考えますと、直ぐにUAMが自動化されるとは考えに
くいと思います。短距離であっても、空を飛ぶことは地上を走ることに比べれば、
リスクは大きいです。パイロットが、安全の最後の砦でなくなる日が来るのは淋し
いですね。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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