トランスフォームする翼

ドローン、空飛ぶ車

皆さんこんにちは!

今日は、ユニークなVTOL(垂直離着陸)航空機の紹介です。

なんと、翼が変形・トランスフォームするその名もトランスウイング

PteroDynamics(ペトロダイナミックス)

PteroDynamics(ペトロダイナミックス)

2017 年にヴァル・ペトロフ博士によって設立された ペトロダイナミックスは、

飛行中に翼を折りたたんだり広げたりして回転翼と固定翼の構成を切り替える、

VTOL 航空機用の革新的で特許取得済みのデザインであるトランスウィングを

開発しました。

2018 年、米軍海上輸送司令部と艦隊司令部は、米国海軍が無人航空システム (UAS)

を使用して海上の船舶との間で貨物を自律的に配送する機能を開発する必要性を

特定しました。彼らの分析によると、海上でヘリコプターや V-22 航空機によっ

て運ばれた重要な修理貨物の 90% は、重量が 50 ポンド未満でした。VTOL UAS

は、この重要なニーズを満たし、有人航空機が行っていた優先度の高い任務を遂行

することができます。

ペトロダイナミックス は、Blue Water Maritime Logistics UAS プログラムに

3 機のトランスウイング 航空機を供給するために、米海軍の Naval Air Warfare

Center Aircraft Division (NAWCAD) から Other Transaction Authority (OTA)

契約を獲得しました。 さらに、同社は米国空軍から 4 つの SBIR/STTR 契約を受

け取り、正式なチームを組んでおり、テストと評価のために複数のトランスウイン

航空機をさまざまな米国の防衛請負業者に販売しています。

 Blue Water Logistics UAS と呼ばれているプロジェクトは、アメリカ海軍の

主導の元、民間の防衛産業企業に対して入札を行ったものです。陸上から船

船から船、船から船への自律的な物流補充を行うことができるドローンで、専用の

打ち上げおよび回収装置を必要とせず、分散型海上作戦をサポートする重要な装置

を提供できるシステムです。

SBIR/STTRは、中小企業イノベーション研究プログラムと中小企業技術移転プロ

グラム(Small Business Innovation Research and Small Business Technology

Transfer, )のことで、アメリカ政府、国防高等研究計画局(DARPA)が研究開発

ファンディングに中小企業が参画できるように別枠で用意されたプログラムです。

これにより大手企業だけでなく、中小企業が政府主体のプロジェクトに参加しやす

くなるように垣根を低くした政策です。

トランスウイング

トランスウイングは、特許取得済みの垂直離着陸 (VTOL) 航空機であり、飛行中

に翼を折りたたんで回転翼航空機と固定翼構成の間を移行します。

この設計は、効率的な垂直揚力と水平飛行を達成するために新しい横断折りたたみ

翼を採用しています。これは、ミッションの要件に応じて、範囲、耐久性、および/

またはペイロードを増加させるために適用でき、特定のミッションの他の VTOL 航

空機設計よりも優れています。

設置面積が小さい– 地上支援機器は不要で、同様の翼幅を持つ他の航空機の着陸面積

の 1/3 以下です。

より長い距離/持久力– 離陸/着陸および飛行の移行段階に費やされる最小時間、より

高いアスペクトの翼のオプション、および離陸/着陸および巡航段階のための別個の推

進システムの余分な重量/抗力の排除ができ効率が向上しました。

より速い巡航– 飛行のすべての段階で使用され、翼にしっかりと取り付けられたプロ

パルサー(推進機)を備えたクリーンで空力的な機体と、オプションのより高い翼の

荷重により、より速い巡航速度が可能になります。

ペイロードの増加– 推進システムが 1 つだけの場合、より多くの総重量を有用なペイ

ロードに割り当てることができます。

機敏性の向上– 離陸と着陸のために翼を垂直に折りたたむことにより、トランスウィン

グ航空機は、離陸、着陸、およびホバリング飛行中の垂直突風と乱気流の影響を受けに

くくなっています。

地上で離陸前のトランスウイング、このまま垂直離陸します。

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最終形態(飛行形態)は、翼を大きく拡げた形です!

(PteroDynamics’ Transwing pictures)

創業者ペトロフ

ペトロフ氏は、2017 年に同社が正式に発足する約 1 年前に、航空業界における

長年の問題を解決するためにトランスウィングの開発を開始していました。

「1930 年代以来、世界は滑走路なしで離着陸する方法を解明しようとしてきま

した。私たちは、高度なエア モビリティが世界をより良い方向に変えることがで

きると信じています。私たちの使命は、可能な限り最も安全で効率的な垂直離着陸

機を製造することです。私たちは、トランスウィングが航空業界全体に深刻でプラ

スの影響を与えると信じています。」と述べています。

トランスウイングは、VTOL 航空機設計における真のブレークスルーです。最初の

米国特許は、2019 年 4 月に発行され、2020年2月に2番目の特許が発行されまし

た。2021 年 4 月に3番目の特許が発行。2022 年 5 月に4番目の特許を取得し、

海外では初の特許を取得しました。さらに、米国、欧州特許庁、カナダ、中国、

香港、韓国、インド、ブラジル、イスラエル、日本、オーストラリアで 14 件の

特許を出願中です。

創設者: Val Petrov (ヴァル・ペトロフ)

まとめ

実にユニークな発想のVTOL航空機です。今後はさらにペイロードを増やして

様々な物流のニーズに応えていく計画です。日本では軍需産業に参加できる機会は

大手企業がどうしても実績やノウハウを持っているために、中小企業が参入する

ことは難しくなっています。しかし、日本の中小企業の中には優れた技術やアイ

ディアを持っている会社も少なくありません。特に航空機は、戦争や紛争が

あるたびに発達してきた歴史があります。今回のウクライナ戦争においても

ドローンが兵器として活躍して進化を遂げているという事実があります。

ペトロダイナミックスのトランスウイングは、最初に軍事用として売り出し

その信頼(政府のお墨付き)を得て、民生用に転換して行く方針です。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

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