皆さんこんにちは!
スーパーカブと言えば、皆さんはホンダのバイクを想像する人も多いかと思います。
今日は、LSA(軽量スポーツ航空機)界で世界第2位の売り上げを誇るカブ・クラフト
社を紹介します。
ちなみに、カブ(Cub)の語源は、英語で「猛獣(熊など)の子供」という意味で、
小さいエンジンでもパワーがあることをアピールするため命名されました。
カブ・クラフト
会社概要
1980 年にジム リッチモンドによって設立されたカブ・クラフトのルーツは、古く
80 年以上の歴史にあります。
カブ・クラフトは、実験用、LSA、および Part 23 認定の航空機を設計および製造
しています。カブ・クラフトファミリーの航空機は、革新的なデザイン、最新の素
材、強力なエンジン、そして優れたパフォーマンスにより、バックカントリー航空
機に特化しています。同社の主力航空機である XCub 航空機は、より高速、より長
い航続距離、より大きな積載量によりスポーツ多目的航空機のミッション プロファ
イルを大幅に拡張します。彼らの成功の鍵は、個人的なアドベンチャー航空体験に
おいて独自の価値を生み出す能力です。
スキーを履いたカーボンカブFX3(クレジット:カブ・クラフト)
カブ・クラフトは 35 年間にわたり、ブッシュ フライングと空港外でのパフォーマンス
で伝説となった古典的なパイパー スーパー カブの発展に取り組んできました。当社の
エンジニアリングにより STOL 性能がさらに向上する一方で、スーパーカブ プラット
フォームを独自の機能にするあらゆる側面の改善にも重点を置きました。その結果、
バックカントリー飛行用に設計および設計された一連の最新のアドベンチャー航空機が
誕生しました。パイロットには、STOL(短距離離着陸) 性能だけでなく、優れた飛行
特性、比類のない快適性と人間工学、比類のない航続距離、クラスを定義する実用性も
与えています。
歴史
創設者ジム・リッチモンドは、好きなことでキャリアを成功させた幸運な人々の一人
です。ジムの場合、それは象徴的な飛行機、パイパー スーパー カブへの愛情です。
1980 年に遡り、アラスカ (スーパー カブがお気に入りのブッシュ プレーンです) へ
の徹底的な事実調査旅行の後、ジムは住宅断熱事業を売却し、スーパー カブの再建に
切り替える決断を下し、カブクラフターズが誕生しました。
当初からジムのビジョンを際立たせていたのは、スーパーカブでは完全には開発され
ていない潜在的なパフォーマンスを認識する能力でした。革新的なエンジニアで
あると同時に、熟練した機体と発電所の整備士でもあったジムは、興味深い改造や
改良を常に探していました。この取り組みにより、彼はスーパーカブ ニュースレター
の発行やその他の活動を通じて、同じ志を持つ愛好家のコミュニティを発展させるこ
とにつながりました。
次の 20 年にわたって、ジムは、カブクラフターの新しい飛行機、つまりオリジナル
のスーパー カブから大幅に改良された飛行機を作り始めました。より強く。より安全
にです。
1997 年に、当社はヤキマのマカリスター フィールド空港に隣接する製造施設を拡張
しました。数年後、当社は最初の型式認定航空機であるトップ カブを導入しました。
航空業界からの反応はセンセーショナルでした。
最近では、ライト スポーツ エアクラフト クラスの創設に伴い、100 馬力のスポーツ
カブと驚異的な 180 馬力のカーボン カブ SS が導入されました。2016 年、当社は
カブ プラットフォームをさらに推し進める、まったく新しい Part 23 Certified XCub
を発売しました。
航空機
Carbon Cub(カーボン カブ)
カーボン カブには、カーボン カブ SS (市販の軽量スポーツ航空機)、カーボン カブ FX
(革新的なビルダーアシスト E-AB 航空機)、および カーボン カブEX (航空機キット) の
3 つのバリエーションがあります。カーボン カブは、強力なエンジン、強力な軽量機体
機敏な低速性能を備え、空港外での運用向けに設計されています。
カーボン カブは、バックカントリー航空機に対する期待を再認識させました。パイパー
スーパー カブの基本的に優れたデザインを継承し、21 世紀の素材とコンピューター支
援デザインを使用して再発明しました。優れたエンジニアリングの結果、カーボン カブ
は同様の装備を備えたスーパー カブと比べて部品数が 50% 減り、重量が 300 ポンド
(136kg)以上軽くなりました。ヘリコプターやハイカーしかアクセスできないと思わ
れていたような場所でも離着陸することができ、同時に僻地探検の酷使にも耐えること
ができます。
大きなタイヤと強固な構造がどこへでも冒険できるのです。(クレジット:カブ・クラフト)
カーボンカブ のすべてのバリエーションは、比類のないパワー重量比を示します。
カーボン カブは離陸と着陸のパフォーマンスにおいて匹敵するものはありません。
カーボン カブは10,000フィートまで毎分 2,100 フィートの上昇率で上がっていき
ます。これは、大型ジェット旅客機並の上昇率です。
- 離陸距離: 最短60フィート(19m)
- 最大上昇率: 最大 2,400+ fpm
- クルーズ: 時速 110 ~ 132 マイル (177~212km/h:96~114ノット)
- 着陸距離: 最短 110 フィート(34m)
最短離着陸距離が40m以下となると、小学校の校庭から離着陸できてしまいます。
これは、災害時にわざわざヘリコプターなどを飛ばさなくても済みます。
安全性の面でもカーボン カブは失速速度が非常に遅いため、本質的に安全です。
基本的に健全なウィングとボルテックスジェネレーター(意図的に乱流を生じさせ
る事で翼の失速を遅らせて空力特性を改善する装置)が標準装備されており、
低速安定性が向上します。
強力なクロモリ鋼の胴体は乗員を保護ケージで囲まれています。必要な荷重を十分
に超えても十分に耐えうるように設計されています。鉛の重りと油圧を使用した
実際の静的テストにより、このクラスの航空機で最も強力な構造が保証されてい
ます。
XCub(エックスカブ)
クラス最高の速度と航続距離を誇るエックスカブです。
空気力学的改善を最大限に活用するために、エックスカブには非常に軽量で効率的な定速
複合プロペラが装備されています。空気力学の変化と新しいプロペラの組み合わせにより
パフォーマンスが大幅に向上しました。最高速度時速 153 マイル(246km、132ノット)
巡航速度時速 145 マイル(233km:東京~長野)になります。
燃料容量49ガロンで時速135マイルでの巡航距離は800マイル(1290km:東京~長崎)
に延長されます。さらに遠くへ行きたいパイロットは、時速 190 マイルのエコノミークル
ーズまでスロットルを戻し、航続距離を 1,000 マイル(1,600km:東京~種子島)以上
まで伸ばすことができます。
エックスカブ は、設備の整った標準計器パネルに加えて、強力で完全に統合された EFIS
アビオニクス スイートをオプションとして追加しました。新しいパネルは Garmin の
G3X 10.6 インチ フライト ディスプレイを中心に構成されており、予想外に手頃な価格
で高度な機能を提供します。このシステムは分割画面モードに設定可能で、地形/障害物
アラート、姿勢、合成ビジョン、フルエンジンモニタリングなどが含まれます。Garmin
の 2 軸デジタル オートパイロットも追加できるオプションもあります。
エックスカブ は、設備の整った標準計器パネルに加えて、強力で完全に統合された EFIS
アビオニクス スイートをオプションとして追加しました。新しいパネルは Garmin の
G3X 10.6 インチ フライト ディスプレイを中心に構成されており、予想外に手頃な価格
で高度な機能を提供します。このシステムは分割画面モードに設定可能で、地形/障害物
アラート、姿勢、合成ビジョン、フルエンジンモニタリングなどが含まれます。Garmin
の 2 軸デジタル オートパイロットもオプションで追加できます。
Top Cub(トップカブ:現代のスーパーカブ)
トップカブはより強力で安全で、より多くの荷物を運ぶことができます。より優れた
パイロット制御により、より短い距離での離着陸が可能です。より遠くへ飛ぶことが
でき、快適性が向上しています。これは、過去の最良のものを取り入れ、最新の設計、
材料、製造技術を使用して、新しい標準を確立した飛行機です。
トップ カブはブッシュ パイロットにとって魅力的であり、飛行機にはオプションの
タンドラ タイヤ (最大 35 インチ)、スキー板または水陸両用フロート、さらに貨物と
燃料の容量をさらに増やすためのベリー ポッドを注文できます。実際、トップ カブ
はアラスカの大自然を探索するのに適した機能と同じ機能が、キャンプ、釣り、狩猟
遠征やクロスカントリー観光に最適であるため、冒険を求めるパイロットにとって理
想的な選択肢です。
丈夫で大きなタイヤのトップカブ。(クレジット:カブ・クラフト)
カブクラフターの系譜
まとめ
昨年3月ドバイのブルジュ・アル・アラブで、パイロットのルカシュ・チェピエラさんが
ヘリパッドにレッドブル飛行機を着陸させたスタントを成功させました。これに使われた
航空機がカブ・クラフト社のトップカブでした。
彼は、制作に 2 年かかり、グラウンドで 650 回もの練習を行った結果、このスタントを
完成させましたが、同時にトップカブの性能が証明されました。
実は、カブ・クラフト社の「エックスカブ」は、同社HPによると『2018年にヨーロッパ
(EASA)、日本 (JCAB)、カナダ (TCCA)、オーストラリア (CASA) で国際認証を取得し
ました。』と記載がありました。
そこで調べてみたところ、なんとこのエックスカブが日本に来ているではありませんか!
それは、NISEKO AVIATION(ニセコ アビエーション)という会社が2018年に購入
していたのです。ニセコ アビエーションは2017年に北海道ニセコに、北海道にジェ
ネラルアビエーションを根付かせ、発展させることを目標に設立されました。
2018年3月に、エックスカブの型式証明を取得しました。
いや~驚きました。春になったらぜひ行ってこの目で見て、体感したいと思います。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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