皆さんこんにちは!
経済成長が著しいインド。昨年、中国を抜いて世界一の人口国になりました。
今月19日からインドで開催されるアーバン・エア・モビリティ・エキスポに注目の水上飛行機を紹介します。
シーホース、ノイダ UAM エキスポで SH5 水上飛行機 VTOL を展示
ゴアに拠点を置く水上機垂直離着陸機の開発会社、シーホース・エア社(SAL)は、インドの
ノイダで開催されるアーバン・エア・モビリティ・エキスポ(1月19日~22日)で、水陸両用
機SH5を展示すると、同社の最高設計・革新責任者、ディーパック・パサニア氏がLinkedIn
に投稿しました。この機体は、スコットランドのドローン会社、フローコプターと共同開発されたものです。
シーホースのチームはすでに18機の試作機の試験飛行を行っており、合弁パートナーは最近
500kgのドローンクワッドコプターを使用して英国とデンマークで新設計のVTOLプロペラの
試験飛行に成功しました。実際、SALは昨年、急速に変化する推進力とエンジン容量の問題に対応するため、SH5の設計を3回改訂しました。
同社のウェブサイトには、「(SH5は)沿岸部、島嶼部、冠水地域、積雪地域などの厳しい
地形での輸送を変革するために設計されています。SALは地域のパートナーやオペレーター
と協力し、SH5を世界的な「マイクロ航空会社」サービスとして開発、運用する予定です。
その用途は、航空救急、航空貨物配送、捜索救助活動、さらには遊覧飛行など、旅客輸送にとどまりません」と記載されています。
さらに、「SH5 は陸、空、水上で運用されます。その VTOL 機能により、ほとんどインフラ
なしで離着陸が可能になり、小さなデッキ、土地、または水域のみが必要です。」と続きます。
「SH5 は、特許取得済みの油圧推進システムを 2 セット搭載し、それぞれにロータックス
エンジンを搭載しているため、冗長性、信頼性、最高のパフォーマンスが保証されます。
安全性を高めるため、SAL は、空中モードでは海抜わずか 30 フィートの低高度を飛行し、水上のみを飛行する、水上のみでのサービス提供を目指しています。」
同サイトによれば、eVTOLの仕様は現在以下の通りとなっています。
:航続距離 3 時間、450 km — 速度 150 km/h。
最大離陸重量、2000kg 。
:積載量、550kg。
:水上と陸上の両方から離着陸が可能。
:同軸ローター8セット(合計16個)。
:フローコプターが開発した推進システムは、「デジタル変位油圧伝達技術」として特許を取得しています。
このシステムは機体のフロート/ポンツーンに設置され、機体/胴体のキャビンがこれらの
フロートにボルトで固定されています。モーターとプロペラは胴体上で回転するローター クラスター上にあります。
投稿には、「この特許出願中のモジュール設計により、交換や輸送が容易になり、生産オプシ
ョンが広がり、メンテナンスが簡素化される」と書かれている。シーホース社は、SH5 が今年後半に初飛行する予定だと述べています。
アーバンエアモビリティエキスポ・イノダ(1月19日〜22日)
アーバンエアモビリティエキスポ・イノダは、インドを代表する世界的モビリティ ショー。
今年で 2 年目を迎えるこの世界的博覧会ではモビリティ バリュー チェーン全体が 1 つの傘の
下に統合されます。単なるイベントではなく、モビリティの未来の舞台を整えています。
インド産業連盟 (CII) が主催し、2025 年 1 月にインドで開催される予定の、待望の展示会です。
このイベントでは、無人航空機 (UAV)、ドローン、短距離航空モビリティ、電動垂直離着陸
(eVTOL) 航空機の展望を形作る最新のブレークスルーと革新的なテクノロジーが発表される予定です。
インドでは都市型航空モビリティ(UAM)のニーズは常に存在していましたが、COVID-19
によってその重要性が強調されました。UAMの機会には、ビジネス、巡礼、レジャー旅行、
大規模イベント、臓器移植、航空救急車、ラストマイル配送などがあります。世界第3位の
航空市場であるインドの国内旅行需要は、UAMの可能性を際立たせています。安全性と衛
生への関心が高まる中、人々は感染を避けるために移動時間を短縮することを好むようになり
ました。無人航空機(UAV)は、軍事、農業、鉄道、救助活動でも役割が拡大しており、
スマートシティの取り組みと効率的な物流の需要が市場の成長を牽引しています。
開催地イノダは、デリーの東端を流れるヤムナ川越しに位置し、デリー中心から約20km
にあります。開発が計画的に行われたため区画整理が行き届いており、デリーとは高速道路や電車での往来がスムースな立地です。
ノイダではオフィスや高層住宅の開発やインフラ整備がされており、教育施設や巨大なショッピングモールもあり生活には便利です。
ノイダとそのすぐ東隣のグレーターノイダに、NTTコミュニケーション、デンソー、住友電気
など日系企業95社以上が拠点を置いています(前出のインド進出日系企業リストより)。
企業オフィスだけでなく、自社内でインド最大の二輪車工場を持つホンダをはじめとして生産
拠点を持つ場合もあれば、研究所を持つ日本企業もある。無印良品のように首都近郊ではノイダに初めて出店した例もあります。
そしてここではインド国内企業も、本社や支社を構えています。一例として、映画、テレビ局
新聞社などプロダクション・メディア・エンタテイメント関連企業の一大集積地区『フィル
ムシティ』が挙げられます。世界一のYouTubeチャネル登録数を持つレコードレーベルの
『ティーシリーズ』もここに本社を持ちます。ここで働く人材育成のために、プロダクション
技術者や映像の専門家を育てる教育機関も設立されて、ノイダのみならずインド全体のクリエイティブ産業の発展一端を担っています。
さらに注目したいのが、コンベンションセンターで日常的にこのエリアに人を呼び込んでいる
ことです。インド最大の『インドエクスポセンター&マート』には、世界中から1日平均で約15万人が訪れています。
イノダはニューデリーの近郊の都市です。
まとめ
急激な経済発展を遂げているインド。その一方で、公害や地球温暖化、都市部では慢性的な交通渋滞が社会問題になっています。
そして何と言っても、インドはUAM産業を国益となるとみていて、ベンチャー企業などに投資熱が過熱しているのです。
2020年には26億ドル(日本円4000億円)から230年には91億ドル(1兆4000億円)に成長すると見込まれています。
CAGR(年平均成長率)も、10年間で13.5%の上昇が期待されています。
直近数年間のCAGRを算出することで、今後どのように売上が推移するかを予測できます。
例えば直近5年間のCAGRが10%で現時点の売上が1億円の場合、次年度の売上は1.1億円になるという簡易的な予測が立てられます。
インドでは、ベンチャー企業が生まれ、成長していく土壌があります。経済成長を支える
15歳から64歳の年代を生産年齢人口がインドの人口の3分の2を占めていて、9億5000万人
もいます。その世代は、給料を上げたいとか、家族を持って家も買いたいとか、労働の意欲も消費の意欲も活発です。
裏を返せば、旧インドのカースト制度(階級制度)が貧困を生んできた経緯があります。カー
スト制度では、自分が生まれたときに持った名字で、ある程度職業が決まってしまうところが
あります。IT産業は最近できた職業なので、表す名字はないので誰でもチャレンジできる職業
です。そこで、貧困から抜け出すためにIT産業への若者の進出が多く見られるのです。
優秀なインド人は、アメリカのシリコンバレーでIT産業に従事し、独立し世界で起業する者も
少なくないのです。代表例が、グーグルのトップ、スンダ―・ピチャイCEOです。南インドで
生まれたピチャイ氏は、成績が優秀だったので、IITに入学して金属工学を学び、その後、アメリカのスタンフォード大学に進んでいます。
グーグルに入社してからはブラウザーの「クローム」やスマホ向けOSの「アンドロイド」の開発などで頭角を現し、入社から10年余りでトップにのぼりつめました。
ユニコーン企業(企業価値10億ドル以上で株式市場には上場していないベンチャー企業)が、
2021年、インドでユニコーン企業になったのは44社で、前の年と比べておよそ4倍に急増。 その数は、アメリカと中国に次ぐ規模になっています。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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