皆さんこんにちは!
今朝の読売新聞の記事に、『空自の次期戦闘機、イギリスと共通機体で開発、輸出視野
に防衛装備移転3原則改定検討』と載っていました。
今日は、日本の次期戦闘機について見ていきましょう。
次期戦闘機
日本
日本は現在、主力の戦闘機はF-15イーグル、昨年退役したF-4EJファントム
の後継機F-35A,B、そしてF2です。
主力のF-15は、1980年の配備開始から40年が経過しています。日本には
約200機のイーグルが千歳、小松、新田原、那覇に配備されています。その中の
製造時期の古い前期生産型99機はF-35に更新予定です。残りの約100機は
能力改修を行い、2030年代も飛行するとしています。
今後は、通常着陸型のFー35Aを105機、短距離離着陸、垂直着陸型のF-35
Bを42機、計147機を導入予定です。
F2は、2000年から配備されて、現在は91機ありますが、2035年頃から
退役が始まるとされています。F2は、アメリカのF16ファイティングファルコン
をベースに三菱重工が主体となって、アメリカの企業共同開発しました。外観はF1
6とそっくりですが、大きな主翼を着け旋回性能を向上させ、炭素繊維強化複合材を
世界で初めて採用しました。
イギリス
イギリス空軍は、現在、ユーロファイター・タイフーン、パナビア・トーネードに代
わる戦闘機としてF-35B(海軍と合わせて135機計画中)です。
タイフーンはイギリス、フランス、イアタリア、ドイツ、スペインの5カ国の共同開
発した戦闘機で2000年に配備されました。
トーネードは、1982年から配備され、同じくイギリス、イタリア、ドイツが共同
開発した戦闘機です。2019年に退役をしています。
次期戦闘機
タイフーンとF2,トーネードとF-4EJファントム。日本とイギリスはとても似た
環境にあります。
イギリスは、タイフーンの後継機としてテンペストを2035年までに配備する方針で
イタリア、スウェーデンと共同開発する予定でした。
一方、日本もF2の退役が始まる2030年半ばに次期戦闘機をアメリカ、ロッキード
マーチンの支援を受けて開発する予定でした。
日本とイギリスは、1兆円を超える開発費の削減と導入時期も相まって、共同で開発す
る方針を決めました。また、イタリアも参画する予定で、日本は三菱重工、イギリスは
BAEシステムズ、イタリアはレオナルドが参加します。
次期戦闘機の特徴は、ステルス性能、高性能レーダー、無数の無人機と連携できる性能
が求められています。
イギリスのテンペストは、2018年イギリス・ファンボローのエアショーで開発を発
表しました。また、日本がイメージとして発表したモデルもどことなく(ほぼ)テンペ
ストに似ています。これはどちらかが真似たというわけではなく、必要な要素(ステル
ス性、空力特性など)を考えるとコンピューターは同じような形を計算してしまいます。
特にステルス性に優れたアメリカ、ロッキード社製のF-22ラプターと同じような形
ですね。
日本の心神(しんしん)
日本の防衛省技術研究本部(現在の防衛装備庁)が開発したステルス研究機X-2を
ご存じでしょうか?
将来の国産戦闘機に適用できる先進技術の実証モデルとして開発されたのがX-2
心神(しんしん)です。2016年に初飛行を行い、計32回の試験飛行を実施しま
した。今回のステルス技術には、この心神の研究の成果が実を結ぶのでしょうか。
ステルス
ステルスとは、隠れると意味です。相手からのレーダー波などのセンサーから探知さ
れにくくする技術です。
具体的には、レーダー反射面積を小さくしたり、電波吸収材料を機体に使用し反射波
を減らす方法があります。しかしながら、このステルス性能に対抗するレーダーの開
発も進んでいます。本当にイタチごっこですね。
まとめ
戦闘機は、その開発が始まってからすでに古くなっています。開発には数年かかり
戦闘機の寿命もわずか30年程度です。長く使って行くには、機体の汎用性はもち
ろんのこと、エンジンの性能、そしてパイロットにとって安全面や操縦性など考慮
されていることが重要です。近い将来、無人の戦闘機が登場するでしょう。しかし
戦争は人間がするものです。こういう戦闘機が、『抜かずの剣こそ平和の誇り』で
あることを願います。
注)『抜かずの剣こそ平和の誇り』マンガファントム無頼 第35話『平和の剣』
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