オーストラリア、水素燃料電池 EVTOL 開発

ドローン、空飛ぶ車

皆さんこんにちは!

オーストラリアのAMSL Aeroは、水素燃料電池式のeVTOLを開発しています。

政府は全面的に支援。オーストラリアの航空輸送グループ、アビエーション・

ロジスティックスが20機の受注を発表しました。

AMSLエアロの水素燃料電池搭載eVTOL航空機Vertiia

AMSL Aero

AMSL Aero はオーストラリア発の航空宇宙会社で、本社はニューサウスウェー

ルズ州バンクスタウンにあり、飛行試験施設はニューサウスウェールズ州地方

にあります。 AMSL Aero のチームは、航空宇宙設計、飛行試験、製造の専門家

と、航空業界全体からの経験豊富なビジネス専門家で構成されています。

AMSL Aero はアンドリュー ムーアとシボーン リンドンの二人によって設立さ

れ、交通渋滞による人々の生活の負担を軽減し、人々がどこで働き、どこに住

むかについてより多くの選択肢を与える安全な航空機を製造するという明確な

使命を持っています。そして最も重要なことは、輸送の脱炭素化に貢献します。

最高技術責任者のアンドリュー・ムーアは、資格のある航空エンジニア、パイロ

ットであり、ベルティアの発明者です。アンドリューは、軍事部門と民間部門に

わたる航空宇宙分野の指導的役割において 20 年以上の経験があります。

最高執行責任者のシボーン・リンドンは法律とビジネスの学位を取得しており、

テクノロジー、電気通信、プロフェッショナル サービスの分野で有名ブランドと

協力した豊富な経験を持っています。

マックス・ヨーク最高経営責任者兼マネージング・ディレクターは、企業と軍事

の両方の現場で世界的に経験豊富な上級管理職です。マックスは、GE オーストラ

リアの CEO に就任する前は、オーストラリア海軍の上級士官および GE アビエー

ションのリーダーを務めていました。

理事長のクリス・スモールホーンは退役海軍准将であり、元海軍航空隊司令官です。

クリスはシドニー大学ビジネス スクールの非常勤准教授であり、現在オーストラリア

安全委員会の副委員長を務めています。

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アンドリュー、シボーン、マックス、クリスは現在、ベルティアの製造を通じて、オース

トラリアの航空業界で安全をベースとした持続可能かつ革新的な卓越性をリードすること

に努めています。

AMSLはこれまでに、水素燃料電池の開発のためにオーストラリア再生可能エネルギー庁

から受け取った最近の543万オーストラリアドル(345万ドル)の助成金を含め、民間投

資家や政府プログラムから5000万オーストラリアドル(3200万ドル)以上を調達したと

発表しています。

シドニーに本拠を置くAMSLによると、同社はオーストラリア民間航空安全局(CASA)

から実験耐空証明を取得した初の国内eVTOL航空機開発者であり、同社は2026年に

バッテリー電動Vertiia航空機の証明を取得することを目指しており、その後、電池式

のベルティアは、水素バージョンの約4分の1、1回の充電で約250キロメートル

(155マイル)の航続距離を実現する予定。 AMSLはまた、パイロットを搭乗させる必要

のない将来の自律型航空機の開発も検討しています。

Vertiia ベルティア

ベルティアは、水素を動力源とするように設計された世界初の eVTOL です。高速列車よ

りも座席あたりのエネルギー消費量が少なくなります。

また航空救急車および緊急対応車両として使用できます。

シングルパイロットの ベルティア航空機は、最大 4 人の乗客または 500 キログラム

(1,100 ポンド) の貨物を運ぶように設計されています。航空医療手術用に構成されてお

り、医療従事者 3 名で患者 1 名を担架に乗せることができます。予想航続距離は約1,000

キロメートル(620マイル)、巡航速度は時速300キロメートル(190マイル)です。

ベルティアの実物大のバッテリー電気プロトタイプは、 2023 年 2 月に飛行実験を開始

しています。

パフォーマンス

航続距離1000km、時速300km、ペイロード500kg、10分間の給油時間

ヘリコプターよりも運用コストが最大 70% 低い、65~70デシベル動作
航空医療、乗客および貨物のレイアウト
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通常は、5人乗り(パイロット1人、乗客4人)

オーストラリアの航空会社グループがAMSL VERTIIA EVTOLを契約

オーストラリアの航空輸送グループ、アビエーション・ロジスティックスは、AMSLエア

ロの水素燃料電池搭載eVTOL航空機Vertiiaを10機発注し、オプションでさらに10機追加

したと両社が日曜日に発表しました。このデポジット担保による注文は、シドニーに本拠

を置くこのメーカーにとって初めてのこととなります。同社は地元の航空医療グループ

CareFlght(ケアフライト)と協力して、ベルティアなどの eVTOL 航空機向けの地方

および地域の医療アプリケーションを開発してきました。

アビエーション・ロジスティックスは、エアリンク、エアメディア、チャーターなどの

子会社を通じて、旅客および貨物輸送のための地域便のほか、チャーター サービスや

航空医療便を提供しています。同社は、型式証明やその他の承認を待って、早ければ

2027年にもベルティア航空機の運航を開始する計画だと述べています。メルボルン、

シドニー、ダボ、ブリスベン、アリススプリングス、キャサリン、ダーウィンのオース

トラリア全土に 7 つの拠点を持ち、いくつかの航空機整備施設も運営しています。

AMSLの最高技術責任者であるアンドリュー・ムーア氏は、「ベルティアは、貨物、

航空医療、旅客業務のための安全、効率的、高速、信頼性の高い航空機に対する航空物

流の要求に適合する、複数のユースケースを備えた多用途航空機です」と述べました。

「私たちのパートナーシップにより、認証と生産に向けてテストと開発に協力できる

ようになります。」

オーストラリア政府、ベルティア 開発を支援

オーストラリア政府はAMSL エアロ社のベルティアeVTOL航空機の水素燃料バージョン

を開発する計画を543 万オーストラリアドル (345 万ドル=5億2,000万円) の助成金で

支援すると、2023年 11 月 8 日に発表しました。オーストラリア再生可能エネルギー庁

(ARENA) は、ゼロエミッションを生み出すベルティアの電気推進システムに使用される

水素燃料電池パワートレインの開発に資金を提供します。

オーストラリアのクリス・ボーエン気候変動・エネルギー大臣は、「特に自然災害が

頻繁に起こる中、AMSLの航空機は救急隊員にとって重要なツールとなる可能性がある」

と述べました。 「グリーン水素やその他の持続可能な航空燃料は、現在世界の排出量

の約2.5パーセントを占めている、削減が難しい航空分野の脱炭素化を促進するために

不可欠です。」

MSL の共同創設者兼 CEO のアンドリュー・ムーア氏は「それ以来、私たちは2024年

から始まる飛行試験の次の段階に向けて計画的なアップグレードに取り組んできまし

た。」と述べています。

国内のeVTOL航空機開発者としては初めて、オーストラリア民間航空安全局(CASA)

から実験耐空証明を取得。同社は、認定の進捗状況に関する最新情報を近日中に共有

すると述べていました。

AMSLは飛行試験キャンペーンの推進に努める一方、「患者、乗客、貨物の積み降ろし

に関して顧客にとって重要な機能を改良する」ために顧客と積極的に関わっていると

ムーア氏は語りました。

自然大国、オーストラリアの今

オーストラリアは、自然豊かな国として有名です。その広大な大地と、グレートバリ

アリーフに代表される広大な海の自然。しかし、そんなオーストラリアも地球温暖化

の影響を受けています。

温暖化により死滅した珊瑚礁の復活事業が進められています。クレジット: AIMS、サスキア・ジュリアンズ

ダイバーは、グレートバリアリーフ中央部の沿岸サンゴ礁に若いサンゴを保持したサンゴ

播種装置を設置します。セラミック製のサンゴ播種装置には、サンゴ礁の表面に約 10 個

の若いサンゴが保持されています。この活動は、2050年までにグレートバリアリーフの

珊瑚礁を元の通りに復活させる取り組みです。

クレジット レイチェル・ガルシア

オーストラリア政府は、海洋公園助成プログラムの第 4 ラウンドを開始しました。

また、オーストラリアには多くの固有動物が生息しています。例えば、コアラやカンガルー

といったオーストラレアでしか生息していない動物たちです。その動物たちも温暖化の

影響を受け絶滅危惧種として保護活動が行われています。その原因は、温暖化による

砂漠化と近年起こっている大規模な山火事です。

2019年から2020年の夏にかけて、オーストラリアでは国内の多くの地域で極端な森林

火災が発生しました。火災の数、その深刻さと範囲、インフラや環境に与えた被害は前

例のないものでした。火災は約800万ヘクタールをカバーし、数千万年前から存在する

世界遺産に登録されているゴンドワナ熱帯雨林の54パーセントが含まれていました。

多くの場所で、火災が異常に激しく燃え上がりました。

2020年1月、2019年から2020年の異常火災の影響を受けた在来種、生態系コミュニテ

ィ、自然資産、およびオーストラリア先住民の文化的価値に対する回復活動の優先順位

付けを支援するため、野生動物および絶滅危惧種の森林火災回復専門委員会が招集され

ました。

オーストラリア政府は、2030 年までに 43% (2005 年レベル)、2050 年までに実質

ゼロという排出削減目標を法制化しました。

オーストラリアがこれらの目標を達成するには、エネルギー効率とパフォーマンスが

重要な役割を果たします。その戦略の中で、政府は国を挙げてエネルギーを化石燃料

から水素燃料へと転化していく水素産業ビジョンを定めました。

オーストラリアの国家水素戦略は、すべてのオーストラリア国民に利益をもたらす、

クリーンで革新的、安全かつ競争力のある水素産業のビジョンを定めています。

2030 年までに業界を主要な世界的プレーヤーとして位置づけることを目指しています。

まとめ

この様にオーストラリア政府は、地球温暖化の危機を肌で感じています。それは

珊瑚や動物だけではなく人間そのものが自然の驚異を感じているからです。

オーストラリアの人々は、自然と共に生活してきました。その生活自体が、地球

温暖化という未曾有の危機にさらされているのです。

そして、山火事など大規模災害時には国土が広いためにベルティアのような

水素燃料ハイブリッド型の環境を壊さないeVTOLの開発を支援しています。

一方日本はどうでしょうか?元旦の能登半島地震などに象徴されるように

何年かに一度は起こる大規模地震、そして毎年起こる大規模豪雨災害。

災害が起こった後に支援するという短期的なビジョンしか持ち合わせていません。

特に近年問題になっているゲリラ豪雨は、地球温暖化が原因だと判っているのに

根本的な対策を何も打てていません。

個人的な意見にはなりますが、自動車業界を含め水素燃料について議論すべきだと

思っています。日本はトヨタのミライ(水素自動車)のような技術を持っているの

ですから、説教的に取り入れてはと思います。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

 

 

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