皆さんこんにちは!
大型旅客機では当たり前になってきた自動操縦装置。最新のビジネスジェットにもその技術が
導入されています。最新の情報を見ていきます。
ハネウェルとマーリンがアンセム・アビオニクスと自律技術を統合
オートスロットルが作動すると、ホンダジェットのガーミン G3000 アビオニクス システムがスロットル制御を引き継ぎ、センサー入力を使用してエンジン出力を監視および調整します。この自動化により、パイロットの作業負荷が軽減され、乗客の快適性が向上します。© ホンダ エアクラフト
マーリンは、10月17日に両社が署名した覚書に基づき、自社の自律飛行技術をハネウェルの
アンセム航空電子機器スイートと統合する計画です。この合意では、人工知能駆動のマーリン
パイロットシステムをアンセムのフライトデッキと組み合わせて、さまざまな軍用機や民間機
で利用できるようにするとしています。
共同発表では、最初の統合パッケージがいつ利用可能になるかのタイムラインは示されませ
んでした。両社は、固定翼軍用機向けのソリューションの開発が最優先事項であると述べ、
マーリン社はすでにC-130JやKC-135などのプラットフォーム向けに常時オンの自動操縦
システムを展開する計画に取り組んでいます。
「この連携は軍にとって大きな利益となるでしょう。この自律ソリューションは、特定の航空
機の運航に必要なパイロットの数を減らすことでパイロット不足の緩和に役立ちます」と、
ハネウェル エアロスペース テクノロジーズの電子ソリューション部門社長、ボブ バデッケ氏
は語りました。「シングル パイロットの運航を可能にし、主要なタスクを自動化することで
このパートナーシップは、軍用および民間航空業界の両方において、パイロットの作業負荷
を軽減し、航空機の運用を最適化する、拡張可能で安全なソリューションを提供します。」
マーリン社によると、アンセムシステムは、同社の自動化技術を補完する直感的なユーザーイ
ンターフェースと高度な飛行管理機能を提供する。ボストンを拠点とするこの新興企業は、
一部の新しい自律航空機開発者が採用している無人機アプローチへの即時切り替えではなく
既存の航空機を単独操縦士の運航用に改造することから導入を開始すると述べました。
マーリンは最近、米国特殊作戦軍から軍事用途の作業を支援する1億500万ドルの契約を獲
得しました。同社はまた、C-130JおよびKC-135プラットフォームの統合計画を開発するた
めに、空軍機動軍および空軍資材軍と提携しています。
ハネウェルは2021年10月にアンセムアビオニクススイートを発表しました 。これまでに、
リリウムとバーティカル・エアロスペース社が開発中のeVTOL航空機、およびブームが計画し
ている超音速航空機に採用されています。
ホンダジェット エリート II のオートスロットルが FAA の承認を取得
ハネウェルは、アンセム航空電子機器スイートの用途を、ピラタス PC-12 などのビジネス航空機だけでなく、複数の軍事および商業プラットフォームにまで拡大したいと考えています。© ハネウェル エアロスペース
ノースカロライナ州グリーンズボロに本社を置く航空機メーカー、ホンダ エアクラフト社は
10月28日、ホンダジェット エリート II のオートスロットルに関して FAA の認可を受けたと
発表しました。この認可により、同社は量産機にオートスロットル機能を搭載する権限を得た
ことになります。
飛行パラメータが設定され、オートスロットルが作動すると、ホンダジェットのガーミン
G3000 航空電子システムがスロットル制御を引き継ぎ、センサー入力を使用してエンジン出
力を監視および調整します。これにより、パイロットの作業負荷が軽減され、乗客の快適性が
向上しながら、航空機は希望の速度で飛行し続けます。Elite II のオートスロットルは、離陸
時および着陸フレアまで使用できます。
「ホンダジェットは、常に可能性の限界を押し広げてきた設計です」とホンダ エアクラフト
社長兼CEOの山崎秀人氏は語りました。「ホンダジェット エリート IIにこの機能を追加す
ることで、モビリティソリューション開発者としてのホンダの理念に沿って、飛行の喜びを体
験する新しい方法をお客様に提供できると期待しています。興奮を共有してくれただけでなく
この開発を辛抱強く待ってくれたお客様には、とても感謝しています。」
自動操縦装置と統合コックピットはジェネシスの得意分野
ハネウェルは、アンセム航空電子機器スイートの用途を、ピラタス PC-12 などのビジネス航空機だけでなく、複数の軍事および商業プラットフォームにまで拡大したいと考えています。© ハネウェル エアロスペース
ジェネシス エアロシステムズは、セスナ サイテーションなどのビジネス ジェット機を含む飛
行機やヘリコプターの自動飛行制御システムの開発で長い歴史があり、完全に統合されたフラ
イト デッキも提供しています。ジェネシス エアロシステムズスイートは、主に軍用機や特殊
任務用航空機を対象としています。
コックピット ディスプレイは NVG( night-vision device:暗視装置) に対応しており、
統合エリア ナビゲーションとさまざまなセンサー入力を提供します。スイートのマスター
コーション システムは音声警告を発します。軍事トレーナー向けにカスタマイズされたアビオ
ニクス スイートには、ジェネシス デジタル オートパイロットが組み込まれています。
ジェネシス によると、グロブ・エアクラフト・フランス の コブラ TP-X 練習機に搭載される
スイートのその他の機能には、「MIL-STD 環境認定、MIL-STD 1787B 航空機シンボル、
デジタル フライト レコーディング、増分シンボル プログレッション、合成ビジョンや組み
込み TAWS などの高度な安全機能」が含まれます。さらに、ユーザー定義可能な空域と障害
物、カスタマイズ可能な警告、航空電子機器のオープン スタンダード統合、ジェネシス の特
許取得済みオープン アーキテクチャ システム統合シンボルにより、将来の成長と陳腐化の管
理が可能になります。」
インジェニオ、ボンバルディアの電子フライトバッグでSTCを獲得
ハネウェルは、アンセム航空電子機器スイートの用途を、ピラタス PC-12 などのビジネス航空機だけでなく、複数の軍事および商業プラットフォームにまで拡大したいと考えています。© ハネウェル エアロスペース
インジェニオ・エアロスペースは、ボンバルディア・グローバルおよび600シリーズ・チャレ
ンジャービジネスジェット機へのコックピットタブレット電子フライトバッグ(EFB)の搭載
に関するカナダ運輸省の追加型式証明(STC)を取得しました。モントリオールを拠点とす
る同社は、年末までにFAAとEASAの両機関から承認を得る予定であると述べました。
インジェニオ 社によると、コックピット タブレット EFB により、パイロットは離着陸を含
む飛行のあらゆる段階でタブレット デバイスに簡単にアクセスできるようになります。すでに
世界中で約 1,150 機の グローバルと 2,040 機の チャレンジャー 600 シリーズの航空機が運
用されており、STC は新造モデルにも適用されます。
この認証は最大 60 ワットの充電容量を持つデバイスを対象としており、当面はデバイスの電
力需要の増加に対応できると期待されています。現在、ほとんどのタブレットは USB ポー
ト経由の急速充電に 15 ワットを必要とします。インジェニオの最新の EFB は USB-C 接
続を備えています。
同社によれば、ターンキー パッケージには、EFB マウント、USB 充電器、タブレット ホル
ダー、オプションの USB 2.0 データ パススルーを備えた完全な電気設備が含まれています。
また、パイロットと副操縦士の両方のポジション用の構造ブラケットも備えています。
「USB電力供給は確立された業界標準であり、最近では欧州標準化委員会がUSBタイプCコネ
クタの使用を義務付けました」とインジェニオの社長兼CEO、ジェームズ・ベル氏は述べました。
まとめ
最新の航空機では、自動操縦装置、オートスロットルは進化しています。特に天候が悪い時
(低視程、気流が悪い、風が強いなど)にパイロットの負担を軽減します。
また、エアバス社の航空機に装備されているサイドスティック、フライバイワイヤーはある意
味常識化しています。小型機にも使用されているのです。
また、EFB(電子フライトバック)は、それまでの紙のチャートの煩雑さを快勝するだけで
なく、自動的にソフトの更新をしてくれます。
しかしながら、電子化することによってシステムバグにつぃする対処を常に行っていかなけれ
ばなりません。日本でも予約システムや搭載システムなど1つのシステムで賄っています。
そのため更新の切り替え時の不具合などによって停止するなどの事故が発生します。
マニュアル(手動)手順を確立しいつでも切り替えることができることが必要です。
それは自動化される飛行機についても同じ事が言えます。機器が故障したときにいかに素早く
状況を判断し対処できるかがパイロットたる資質になることは確かです。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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