皆さんこんにちは！
前回、ビジネスジェット業界の人材不足と定着率についての問題を扱ってきました。
今回は、そんなビジネスジェットの好調さを裏付けるデーターを発表します。
ビジネス航空はパンデミック後の「良いニュース」が待っていました。 2020 年に
民間旅客機の運航がほぼ停止される中、特に米国国内で旅行する手段と必要性を持っ
ていた人々は、ニーズを満たすためにビジネス航空に目を向けました。ビジネス航空
市場は北米市場が大半を占めており、2023年には北米の航空会社が全便の70％以上
を占めるようになりました。
パンデミックの発生後、小型航空機の利用が急速に増加し、2020年末までに、この部門
の小型ジェット機とターボプロップ機の利用率は、2019年の同等月以上の利用率に戻り
ました。 小型ジェット機と多発機ターボプロップ機の利用率2022年末まで成長を続けた
後、わずかに軟化し、2023年には頭打ちとなりました。
最近、小型ジェット機の利用率は 2019 年のレベルと比べて 20% 増加しており、多発
エンジンのターボプロップ機は依然として 15% 増加しています。単発ターボプロップ
はますます強力になり続けています。現在、このセグメントの利用率は、2019 年の同
月と比べてほぼ 50% 増加しています。これは、運航コストが低く、従来のマルチ航空
機が担っていた役割のほとんどを担うことができるこれらの航空機の継続納入によるも
のでもあります。ターボプロップエンジンや小型ジェット機でも可能です。
中型および大型ジェットの回復は小型ジェットを反映しますが、時間差があります。各国
が徐々に渡航制限を解除し始め、長時間の飛行が必要となったため、中型ジェット機の
利用が2019年と同等の水準に戻ったのは2021年3月のことでした。大型ジェット機が
100％レベルに戻るには2021年6月までかかリます。ここでも、両方のセグメントが
ピークに達し、軟化し、その後プラトーになりました。中型ジェット機は依然として
2019年より20％高く、大型ジェット機は10％高い水準を保っています。
エンブラエル フェノム 300 クレジット: Barry Fowler / Alamy ストックフォト
北米ビジネスジェット市場分析
北米のビジネスジェット市場規模は、2024年に127億9,000万米ドルと推定され、
予測期間（2024～2029年）中に2.54％のCAGRで成長し、2029年までに144億
1,000万米ドルに達すると予想されています。
ビジネスジェット機部門の航空機納入全体は、COVID-19パンデミックの影響を受け
2019年から2021年にかけての成長率は2.41%減少しました。経済活動の縮小と渡航
制限は、この地域でのビジネスジェット機の利用と調達に影響を及ぼしました。
しかし、パンデミックによる制限が緩和され、2021年に航空機の生産が再開される
と、北米のビジネスジェット機市場は活発になり始めました。
富裕層 (HNWI) と超富裕層 (UHNWI) の増加により、大型ビジネス ジェットの需要が
高まっています。地域内航空旅行や遠隔地の空港/場所へのアクセスが可能になったこ
とで、小型ジェット機は顧客にとってより魅力的になり、市場での需要が高まっていま
す。好調な経済と、さまざまなセクター/個人によるビジネス ジェット機の調達と使用が
北米のビジネス ジェット市場の成長につながっています。
ラージ・ジェットが最大のボディ・タイプ
北米地域は、2021年の世界のビジネスジェット納入台数の約66％を占め、世界最大の
ジェネラル・アビエーション市場となりました。
すべてのジェット機の中で、ライトジェット機カテゴリーが北米地域の2021年の納入
台数の52％以上という最大のシェアを占めた。パンデミック後の出張飛行時間の増加が
この地域でのビジネスジェット機に対する高い需要を生み出しました。
COVID-19パンデミックの間、この地域のビジネスジェットの中で最も影響が少なかった
のはライトジェットのカテゴリーで、それぞれミッドサイズの35.3%、ラージジェット
の21.5%に比べ、17.8%の減少でした。これは、顧客が他の中型および大型ジェット機
よりも軽飛行機を優先しており、軽飛行機に対する需要が安定しているためです。
歴史的な期間中、セスナは140機を納入して首位となり、ガルフストリーム・エアロスペ
ースは78機を納入して2位となった。シーラス・エアクラフト、エンブラエル、ボンバル
ディア、ホンダ・グループ、ピラタス・エアクラフトが北米ビジネスジェット市場の他の
主要プレーヤーでした。 ほとんどの企業が、予測期間中のビジネスジェット需要の増大に
対応するため、新しいビジネスジェット・モデルを発表・開発しています。
ビジネスジェット機OEMSでは、セスナがビジネスジェット機全体の約34%を占め、次い
でボンバルディアが約21%、ガルフストリームが約14%となっている（2022年7月現在）。
2021年には、景気回復によりビジネス航空セクターの納入台数は10.7％増加しました。
予測期間中、世界のジェット機需要のうち約3000機以上が北米地域からのものと予想され
ます。
アメリカは最大の国
2021年、北米は超富裕層（HNWI）人口が最も高い伸びを占め、購買力平価が著しく高
いことから、同地域におけるビジネスジェットの販売増を表す。同国のHNWI人口は、
2020年と比較して2021年には7%増加しました。
北米地域は世界で最もプライベートジェットの保有台数が多く、米国は同地域のジェット
機保有台数の約89％を占め、台数・金額ともに最も支配的な市場となっています。
メキシコとカナダは、2022年7月現在、同地域の現在の運航機数のそれぞれ6％と3％を
占めています。
COVID-19パンデミックの間、ビジネス航空部門全体の航空機納入は影響を受け、2020年
の伸びは24％減少しました。北米の経済活動の縮小と旅行関連の制限は、同地域のビジネ
スジェット機の需要に影響を与えました。超富裕層の間では、より安全な移動手段とされる
自家用飛行機へのシフトが見られ、これが同地域でのビジネスジェット機の調達を後押しし
たかたちです。
このため、初めてビジネスジェットを購入する人の購入計画が増加し、予測期間中に同地域
のビジネスジェット機保有台数は倍増すると予想されます。Covid-19の流行による購買習慣
の変化は、市場の成長を促進すると予想されます。
ヨーロッパのビジネスジェットの拡大は世界の成長を上回ると予測
クレジット: Franco Ercolino/Getty Images
ヨーロッパはビジネス航空航空機の主要市場であり、運航機材は 2024 年の 4,200
機以上から 2033 年末までに 5,700 機以上に増加すると予想されています。
就航中の航空機の拡大は年平均成長率3.4%を記録し、世界平均の1.4%を上回って
います。
欧州市場は、ビジネス航空機業界のメーカーやその他の企業にとって重要です。
「欧州では、地域内での効率的な移動の需要が依然として高い」とホンダ エアクラフ
トの上級副社長兼最高商務責任者のアモッド ケルカー氏は語ります。「欧州は、機体
数と稼働率の点でホンダジェットにとって2番目に大きな市場であり、成長を続けて
います。」
2024年から2033年の10年間に世界中で納入が見込まれるビジネスジェット9,000機の
うち、1,585機が欧州市場に納入される予定です。同時に、10年間に納入が見込まれる
ターボプロップ機2,789機のうち496機が欧州に出荷される予定です。
ヨーロッパの大型ビジネスジェット市場は、今後10年間で最大規模になると予想されて
おり、3,100機の納入が見込まれ、小型ジェット523機、中型ジェット344機がそれに続
きます。
テキストロン・アビエーション、ガルフストリーム、ボンバルディアの航空機は、この
地域への新規納入の中で最も人気があると予測されており、欧州への納入総額630億ドル
のうち小売価格で465億ドル相当の納入となります。
同時に、この地域のビジネス航空機のメンテナンス、修理、オーバーホールのドルベース
の需要は、インフレ前の世界全体の2.9％と比較して、年間成長率5.2％で増加すると予想
されています。
まとめ
北米だけではなくヨーロッパでもビジネスジェットの需要は高まっています。
それは、世界の経済が上向いている証拠であって、人々が移動しているということです。
そして、社会は二極化しています。富裕層と貧困層の差が激しくなっているのです。
そこにビジネスチャンスがあるのです。
機体そのものは、小型のホンダジェットのようなものが人気です。それは、富裕層でも
底辺の人の需要があるからです。また、ビジネスジェットを直接購入するのではなく
リースやレンタル、共同所有など新しいビジネスの形も生まれています。この多様化に
よりますますビジネスジェットの需要は伸びていくでしょう。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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