皆さんこんにちは!
今日は、LuftCar(ルフトカー)という、文字通り空飛ぶクルマを実現した会社を紹介します。
LuftCar(ルフトカー)
自由な発想、ルフトカー
ルフトカーとは、自律型航空および道路車両の電気推進および垂直離着陸機能を持った
複合的なeVTOL航空機です。
LuftCar:地上走行車両とeVTOLが分離できる(画像:LuftCar)
ルフトカーは現在、アメリカ・コネチカット州ブリッジポートに本社を置き、フロリダ
州オーランド、カリフォルニア州ロングビーチ、オハイオ州ウォーレンにオフィスを構
えています。
ルフトカーは、気候変動への対応と急速な電動化の推進と並行して、次世代の主要な課
題に取り組んでいます。
- ゼロエミッション推進
- ラストワンマイルの戸別配達
- 都市間および都市内の移動の高速化
- 都市部と高速道路の交通渋滞の軽減
- スペースとインフラを節約する垂直離着陸 (VTOL)
- 都市間および都市内のシームレスな移動によるパーソナルモビリティの自由
- 個人、艦隊、軍事、救助任務における中断のない人員輸送
競合他社による今日のエア モビリティ ソリューションは主に次の点に重点を置いています。
- 航空巡航距離は240kmに制限され、速度は時速320kmに制限されます。
- 単なるエアモビリティであり、パーソナルモビリティの市場は限られています。
- 発車・停止時間が短く、都市部の移動に適用が限定されるエアタクシーセグメント。
ルフトカーは、モジュラー設計とより長い航続距離に加えて、a) 航空用軽量燃料電池の新興
技術、b) 高エネルギー密度バッテリー、c) レベル 4/5 自動化を使用して、初期の電気エア
モビリティ業界を革新することを目指しています。
パーソナルモビリティとして、地上と空の両方の機能を備えた毎日の通勤と地域旅行が簡単
です。
また、シアカーやフライトを実現することによって、柔軟性と安全性を高めながら、大都市
での移動時間、待ち時間、混雑を削減します。
ラストマイル配送。長距離の商品輸送が可能で、空路ではアクセスできない場所への運転可能
性を備えた配送が可能であり、荷物を玄関まで配送できます。
航空救急車、災害救援車としての活用も、混雑を避けて重要な医療従事者を搬送できます。
ドイツの2つの空港と覚書を締結
2022年4月、ドイツの2つの空港とMOU(覚書)を締結したと発表しました。空港の名前は
戦略上の理由により明らかにされず、空港 A および空港 B と呼ばれます。
ヨーロッパ市場をターゲットとして、空港 A で水素駆動の航空機および道路 eVTOL 車両の
プロトタイプを開発します。ヨーロッパ市場にサービスを提供する生産施設も、空港 A の近
くに設置される可能性があります。ルフトカーはドイツでサプライチェーンを着実に構築し
ています。
ルフトパッドと呼ばれるルフトカーのバーティポート コンセプトをリリースしました。2022年
3月28日にカリフォルニア州ロングビーチで開催された垂直飛行協会のH2エアロシンポジウ
ムで講演したサンス氏は、「ルフトパッドは電気航空機用の水素給油能力を備えたバーティ
ポートであり、道路輸送や商用電力もサポートできる」と述べました。既存のインフラを活用
して、半径 80 マイルごとにルフトパッドを構築します。水素を動力とするマルチモーダル車
両により、都市環境内にあまりにも多くのベルティポートを建設する必要がなくなりました。
LuftCar の LuftPad コンセプト(画像:LuftCar)
BOSCHと手を組む
ドイツの自動車部品メーカーのBOSCHと手を組みました。ボッシュは、ルフトカーの商業化
を支援することを目的として、概念実証用の BoP (Balance of Plant) 燃料電池コンポーネ
ントを開発します。
ルフトカーの CEO、サント サティヤ氏は、「電気航空機のゲームチェンジャーとなる独自の
燃料電池パワートレインを開発する際に、燃料電池 BOP システムおよびコンポーネントに関
するボッシュの膨大な専門知識を活用することを楽しみにしています。」と述べています。プ
ロトタイプを構築する際に、ボッシュと長期的な関係を築くことができれば幸いです。
ボッシュ アビエーション テクノロジー LLC ゼネラル マネージャー、アンソニー・イェーガー
・アンジェロ氏は、燃料電池と電気推進の併用は、CO2 ニュートラルなモビリティ手段のソリ
ューションをサポートするというボッシュの立場と共鳴すると述べています。
ハイブリッド推進システムの開発を開始
2022年9月23日、eVTOL 市場向けの水素燃料電池とバッテリーのハイブリッド推進システム
であるHYDROB を開発する計画を発表しました。HYDROB は、最大 8500 ポンド GVW の
車両を持ち上げるのに十分な垂直推力を与えるのに役立ちます。
ルフトカーは、Bosch Aviation およびその他数社の自動車用燃料電池会社と提携し、推進シ
ステムの開発におけるシステム インテグレーターとして機能します。この技術は米国内の非
公開の場所で開発される予定。燃料電池の種類と電池の化学的性質は現時点では明らかにされ
ていません。燃料電池のエネルギー密度は高く、バッテリーの出力密度も高くなります。
ルフトカーは、燃料電池システムと航空機フレームの構築に数十年の経験があります。創設
者兼 CEO である サント サティヤ氏は、これまでのキャリアでフォード モーター カンパニ
ーの 300 台の水素燃料電池車の製造で重要な技術的役割を果たしてきましたが、ルフトカー
は自動車用燃料電池パワートレインを航空グレードのシステムに変換するシステム ソリュー
ションを革新していると語りました。HYDROBは軽量かつコンパクトで機体に搭載できるこ
とが期待されています。推進システムは、液体または気体の水素を搭載して動作することも
できます。
ルフトカー は、HYDROB を開発し、他の高度なエア モビリティまたは eVTOL OEM に販売
する予定です。HYDROBは水素の需要を創出し、成長する地域エアモビリティ産業の主要な
燃料輸送体としての水素の採用を加速します。 ルフトカーはまた、ルフトカーが都市から都
市へと運行するためのエコシステムを構築するための水素給油インフラを構築する提案も行
っています。サント サティヤの言葉を引用します。「700万ドルの水素ハブ補助金が正式に
決定されたことを嬉しく思います。水素経済への貢献の一環として、ルフトカーと HYDROB
の建設に加えて、技術実証機としてルフトパッドと呼ばれる水素給油バーティポートの構築
を目指しています。これらのルフトパッドは、航空モビリティに加えて、道路輸送やユーティ
リティレベルの保管にも役立ちます。
水素インフラの構築としてパワータップと覚書を交わす
ルフトカーとパワータップ・ハイドロジェン・キャピタル社は今週、パワータップによるルフ
トカーのeVTOL向け水素電力供給に関する覚書(MOU)を締結したと発表しました。
発表では「この提携は、航空、道路、公共施設のバックアップ燃料補給における水素燃料電池
技術の採用を促進し、持続可能な交通とクリーンエネルギーソリューションに対する州の取り
組みを前進させることを目的としている」と述べられています。
販売場所、数量、価格などの条件は、今後の交渉や市場状況の影響を受けます。最終的な契約
には、パワータップがオンサイト水素燃料供給ユニットを製造および商業化するための十分な
資金を獲得できること、および該当当局から必要な許可を正常に取得できることも条件となり
ます。
水素インフラ構築の推進の一環として、このパートナーシップは、eVTOL、道路車両、および
ユーティリティバックアップシステムの燃料供給ニーズをサポートするために、コネチカット
州全域に水素給油ステーションのネットワークを確立することを目的としています。これらの
ステーションは、信頼性が高く便利な水素燃料源を提供し、都市部の航空モビリティ、道路交
通、緊急時のバックアップ電源など、幅広い用途での効率的かつ持続可能な輸送を可能にします。
コネチカット州、ニュージャージー州、マサチューセッツ州などに水素給油ステーションを設立
するパワータップとルフトカーの共同の取り組みは、「イノベーションを推進し、何百ものグリ
ーン雇用を創出し、同州のクリーンエネルギーのリーダーシップに貢献する」ことが期待されて
います。
両社は、持続可能な未来に向けて、水素燃料電池技術の安全かつ責任ある展開を確保するために、
地元の利害関係者、規制当局、地域社会と緊密に連携することに取り組んでいます。
水素発電は、そのゼロエミッション特性とさまざまな用途での拡張可能な使用の可能性により、
従来の化石燃料に代わる実行可能な代替手段としてますます注目を集めています。
まとめ
ルフトカーは、形こそ空飛ぶクルマの愛称がピッタリですが、中身は水素燃料電池を採用
したり、計画的に水素ステーションとバーティポートを組み合わせた給電システムを開発
するなど、インフラストラクチャーの整備にも力を入れています。いわば、総合商社並の
思想を持っています。
まさにコンセプトである
Bridging Road to the Skies : 空に架ける道を造る
そのものです。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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