飛行機雲は環境を破壊している

飛行機

皆さんこんにちは!

空を見上げると一直線のきれいなひこうき雲を見ることがあります。

今その飛行機雲が、環境を破壊しているという研究結果が報告され、対策に乗り出し

ています。

EUは航空機のCO2以外の排出物に課税する可能性

4Airは、2025年のEUの義務化に基づき、航空機の飛行機雲報告に向けて準備を進めてい

ます。この義務化により、航空機運航者は「CO2以外の航空影響について年に1回報告する」

ことが義務付けられのです。報告される内容には、一酸化窒素(NOx)、すす粒子、酸化

硫黄種の排出、水蒸気による影響などが含まれます。

EU はこのデータを使用して、2027 年末までに飛行機雲を EU 排出量取引制度 (ETS) に

統合するかどうかを決定します。言い換えると、既存の炭素税制度の下で非炭素排出に課税

する可能性があります。飛行機雲の累積的な正味温暖化影響は、時間帯によって異なりますが

CO2 のみの温暖化影響の 100% から 500% の間になります。

4Air は過去 2 年間で、55 万時間以上の飛行時間から 250 万トン以上の CO2 を相殺しまし

た。同社は、4 段階の評価システムを通じて、世界中の民間航空機オペレーターが環境への影

響を計算し、相殺するのを支援しています。同社はまた、ライブ マッピング ツールでユーザ

ーを利用可能な持続可能な航空燃料 (SAF) に結び付けることができます。このツールでは現在

SAF を入手できる検証済みの場所が表示され、航空施設に炭素評価が与えられます。

4Air は、飛行機雲を EU-ETS に統合する可能性など、急増する航空環境法規制の難関を切り抜

けようとしている顧客のために、規制監視およびコンプライアンス プログラムを提供していま

す。4Air 社長のケネディ リッチ氏によると、これは、関連する状況が急速に変化しているヨー

ロッパでは特に役立つとのことです。

リッチ氏によると、EU-ETS が施行されてからほぼ 12 年が経つが、国、地方、さらには個々

の空港ごとに追加のポリシーが次々と導入されており、規制環境は絶えず変化し、混乱を招い

ているということです。

「EU 諸国は、SAF の混合に関する独自のベンチマークと義務を設定し、炭素税や報告義務を

課しています。特定の空港では、独自の混合義務や炭素報告要件を導入しています」とリッチ

氏は指摘しました。全体として、彼は排出政策に関しては欧州市場を「非常に微妙」と呼び、

SAF に関しては「帳簿と請求」による炭素オフセットを受け入れないか、非常に限定された

範囲でしか受け入れない規制を挙げています。  

4Air は、ヨーロッパやその他の地域の通信事業者がコンプライアンスを維持しやすくなる自

動化システムを開発することで、多層的で複数の管轄区域にまたがる規制の課題に対処してい

ます。「当社は、皆様を支援するために設計されたプログラムを持っています」とリッチ氏は

語ります。ヨーロッパでは、4Air は新たなポリシーを監視し、ルール策定者や通信事業者と

連携するためのスタッフを維持しています。

飛行機雲に関しては、公式の報告ガイドラインが今後数ヶ月以内に発表されるはずだとリッチ

氏は述べました。全体として、この複雑な規制が近いうちに簡素化されるとは思えないと彼は

言います。

「私たちは規制を統合する時代ではなく、新たな規制が拡大し出現する時代にあると思います。

そのため残念ながら、各国の独自の[環境]目標を支援するために、独自のビジョンを持つ個々

の空港のレベルにまで及ぶ地域的な規制がますます増えていくでしょう」とリッチ氏は述べま

した。「これにより、2年前にはヨーロッパにまったく存在しなかった多くの複雑さが加わり、

ましてやコロナ前の5年前には存在しなかった複雑さが増しています。」

リッチ氏は、飛行機雲が形成されやすい環境条件にある空域の交通誘導について、最終的には

ユーロコントロールが主な責任を負うようになり、ADS-B は特定の航空機がそのエリアを通

過したかどうか、またどのくらいの時間通過したかを評価するために使用されるだろうと考え

ているのです。

同氏はこれを、激しい乱気流や着氷が予想される地域を避けるためのルート変更に例えまし

たが、これら2つの状況と同様に、飛行機雲にも程度があり、飛行機雲が発生する可能性の

ある地域を通過してもほとんど影響はないだろうと付け加えました。しかしリッチ氏は、

その結果は思ったほど混乱を招かない可能性が高いと付け加えたのです。

「私たちは、大きな被害を受けたフライトの一部のルート変更を手伝うことができますが

飛行機雲が発生するフライトすべてに対してこれをしなければならないわけではありません。

実際、私たちが調べたデータの一部では、こうした種類の(飛行機雲発生)ゾーンに入るフ

ライトは全体の数パーセントに過ぎないと思います。つまり、私たちが調べなければならな

いフライトは少数で、通常、調整は非常に細かく、2,000フィートの垂直調整程度です」と、

彼は語りました。

注)4Airは、航空業界の脱炭素を推進する環境推進企業です。

飛行機雲による温暖化の影響を軽減するための行動を促す

IATA飛行機雲の形成

飛行機雲は昼夜を問わず熱を閉じ込めますが、夜間のほうがその傾向が強くなります。© IATA

国際航空運送協会 (IATA) の報告書では、ひこうき雲が地球温暖化二度のように影響

しているかいるかを説明し、その影響を最小限に抑えるために業界が使用できる解決

策を推奨しています。この報告書では、飛行機雲科学の複雑さを強調し、飛行機雲が

どのように形成され、持続し、気候に影響を与えるかについての理解に欠けているこ

とを指摘しています。

「大気の状態(特に巡航高度での湿度と気温)に関する高解像度のリアルタイムデー

タが不足しているため、飛行機雲の正確な予測が妨げられている」と報告書は述べ

ています。「気象学者、気候研究者、航空会社、航空機メーカー間の最近の協力に

より、新たな知見が得られたが、データ収集と航空交通ネットワークの貢献を強化

する必要性が強調された。」

研究によると、「飛行経路の変更と代替燃料を使用した試験では、大気の状態の変

動性と飛行機雲の発生場所の局所性により、潜在的でありながら有効性が限られて

いることが示された」とのこと。現在の民間航空機のセンサー技術では必要な感度

と応答時​​間が不足していますが、「現在行われている研究は、より正確で堅牢な

ソリューションの開発を目指している」という。

報告書は勧告を3つの時間段階に分けた。短期的(2024~2030年)には、飛行機

雲の検出と気候への影響に関する不確実性よりも、CO2排出量の削減を優先すべき

です。中期的(2030~2040年)な行動には、データ伝送の標準を確立すること、

モデルの継続的な検証、航空機メーカーに気象観測とその気候への影響に関する規

定を盛り込むよう奨励することなどが含まれるべきです。

長期的行動(2040~2050年)では、世界の航空機数を増やしてデータを提供し、

代替燃料のCO2以外の影響について十分に理解することに重点を置く必要がありま

す。これらの行動項目は、科学的理解と技術力を高めながら、航空による気候への

影響を緩和することを目指しています。

50便の高度を調整すれば影響は50%軽減できる

ビジネス航空の飛行高度を少し調整するだけで、二酸化炭素排出量を犠牲にすること

なく、飛行機雲(航空機の凝縮跡)の環境への影響を大幅に軽減できる可能性がある

のです。これは、航空持続可能性企業4Airが実施した環境調査で明らかになったこと

です。 

1年間にわたって実施されたこの調査では、16,000回の飛行と27,000時間以上の飛行

時間が対象となりました。その結果、16,888回のうち50回の飛行を調整しただけでも

サンプルからのCO2以外の排出の影響が50%以上削減されたことが判明しました。

「この研究結果は、飛行機雲による航空環境への影響を減らすことの課題と機会の両方

を示しています」と4Airの社長ケネディ・リッチ氏は語りました。「飛行機雲による

温暖化の影響を効果的に減らすには、すべてのフライトで飛行機雲を考慮する必要が

ありますが、ほんの一握りのフライトで飛行機雲をうまく回避できれば、CO2のトレ

ードオフなしで大きな影響が出る可能性があります。」 

飛行機雲は、航空機のエンジンから放出された熱い水蒸気が高高度で急速に冷えると

きに発生します。時間帯によっては、飛行機雲が長く留まり、通常であれば宇宙に放

射される熱を吸収することがあります。一部の研究では、飛行機雲は二酸化炭素排出

量よりも環境に大きな影響を与え、航空業界の温暖化影響の 3 分の 2 を占める可能

性があると示唆されています。

飛行機雲は、民間航空機の運用高度の上限で形成されることがあります。運用高度が

高い民間航空機は、形成領域よりも高い高度を飛行できます。これにより、二酸化炭

素排出量と飛行機雲の影響を軽減できます。

調査対象となった 23 便のうち、飛行機雲の影響が最も大きかったのは 23 便で、

合計で全体の影響の 35% を占めましたが、そのうち 65% は、より高度を飛行する

ことで飛行機雲を最小限に抑えたり回避したりできたはずです。調査対象となった便

の 18% で飛行機雲が発生しました。

平均的な飛行機雲は約2.5時間持続すると推定されているが、研究によると、より影

響力のある温暖化を引き起こしたのは約6.5時間持続した飛行機雲でした。

4Air はまた、Flexjet と共同で 6 か月間の飛行機雲回避パイロット プログラムを完

了しました。このプログラムは、飛行機雲の予測と飛行経路の最適化に焦点を当て

飛行機雲が発生する領域での飛行時間を最小限に抑えました。その後、飛行経路を

調整して巡航高度を変更し、パイロット間でメモを共有して上昇と下降を調整し、

飛行機雲領域での飛行時間を最小限に抑えました。

同社は、民間航空事業者が持続可能性の選択肢を追求するための枠組みとして、

「科学に基づいた目標と独立検証された結果」と称するものを提供しています。

同社は、炭素クレジットやオフセットを通じて排出ゼロまたは排出マイナスになる

こと、および航空気候基金への資金提供を奨励することで、排出の影響を検証可能

な形で削減することを目指す企業向けに、4段階の評価システムを提供しています。

まとめ

地球という惑星は、太陽からの熱が海や陸に届くことによって暖められています。

そして、暖められた地球からも熱が宇宙に放出されています。その放出される熱

の一部を吸収し、地表から熱が逃げすぎないようにしているのが、「温室効果ガ

ス」です。

この温室効果ガスとは、大気中にある二酸化炭素(CO2)やメタン、フロンなど

のことをさします。これらの温室効果ガスがまったく無いと、太陽の熱が全部宇宙

に逃げてしまうため、地球の平均気温は氷点下19度まで下がってしまうと考えられ

ています。

つまり、温室効果ガスは地球を暖かく保つ役割を果たし、たくさんの生きものがす

みやすい環境を作る、地球にとってなくてはならないガスなのです。

しかし、温室効果ガスが増え過ぎると、宇宙に逃げるはずの熱が放出されず、地表

にたまりすぎてしまいます。そのため、気温が上昇したり、地球全体の気候が変化

したりします。これが、地球温暖化です。

従来は、飛行機から排出される排気ガス(燃焼ガス)によるCO2の排出量が問題に

なっていました。実は、その燃焼から起きる飛行機雲が大気中に留まることによる

温暖化が研究されています。

対策として、SAF(持続可能な燃料)の使用、飛行機雲を発生させない高度の飛行

があります。しかしながら飛行高度を低くすることは燃料を使うことになってしまい

その効果は疑問です。また、航空会社も燃料代を安く抑えたいので、飛行機雲ができ

る高高度の飛行を推奨しています。

今回のIATAの報告書から、低高度での飛行は地球環境に優しく、パイロットを

宇宙放射線から守る観点でも賛成です。

今後この研究が進み、低高度の飛行を推奨することができることを期待します。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

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