皆さんこんにちは!
アメリカのeVTOL企業のドロニ・エアロスペースが、個人用eVTOL航空機の最初のパイロ
ット飛行試験を成功したと同社が水曜日に発表しました。
ドロニ、個人用 EVTOL 航空機で初のパイロット飛行を達成
ドロニ・エアロスペースは、同社が開発中の「Doroni H1」の有人の飛行試験を成功させま
した。これは米国における2人乗り個人用eVTOL航空機の初の飛行試験であり、同社が「空
飛ぶ自動車」と呼ぶ業界および市場にとって重要なマイルストーンとなります。
いわゆる「空飛ぶクルマ」を開発している数社の企業が、道路上でも走行できる駆動型飛行
車両に焦点を当てているのに対し、ドロニが開発したのは、洗練されたスポーツカーのよう
なデザインを備えた単なる eVTOL 航空機です。この車両の推進システムには、主翼とカナ
ードに取り付けられたダクテッド ファンを駆動する 8 つの電気モーターと、胴体の後ろに
ある一対の小さなプッシャー プロペラがあります。
「Doroni H1」(画像:ドロニ・エアロスペース)
過去数カ月にわたり、ドロニはパイロットを乗せずに本格的な技術実証機を50回以上飛行
させました。7月3日、ドロニの創設者兼最高経営責任者(CEO)のドロン・マーディンガー
氏が初めて同機を操縦しました。飛行試験は、フロリダ州ポンパノビーチにあるドロニの
13,000平方フィートの施設の屋内で行われました。テスト中、マーディンガーは正常に離
陸、ホバリングし、軽い操縦を行った後、ゆっくりと航空機を着陸させたのです。
ドロニの創設者兼 CEO の ドロン・マーディンガー氏。(画像: ドロニ・エアロスペース)
「空気のクッションの上に浮かんでいるような気分で、比類のないレベルの自由と興奮を
体験しました」とマーディンガー氏は語りました。「これは私たちにとってほんの始まり
にすぎませんが、これらの素晴らしい車両を世界に送り出すという期待を抑えることがで
きません。私たちが開発したテクノロジーは、航空宇宙産業の他のどの技術ともまったく
異なり、これまで夢見ることしかできなかった方法で個人の移動手段に革命を起こそうと
しています。」
マーディンガー氏は以前、実物大の技術デモンストレーターは最終完成品に似ているが、
同社は機体と翼にいくつかの変更を加えており、航空機の安全性と効率性が向上すると
述べていました。ドマニはすでに 2 番目のプロトタイプの構築を開始しており、8 月に
完成する予定です。
ドロニによると、19万5000ドル(2700万円)の航空機は1回の充電で最大60マイル
(100キロ)の航続距離があり、時速約100マイル(160キロ)で巡航するといいます。
同社はこの機体をFAAの軽スポーツ機カテゴリーに認定しているため、操縦者は操縦す
るのにパイロット免許が必要ないことになります。
乗りこなすためには、米連邦航空局が認めた免許証のほか、20時間のトレーニングが
必要になるようです。発売から3年目に20機規模、5年目に700機規模を展開する計画で
まずは米軍や警備会社を主な顧客ターゲットとして販売戦略を展開していくという。
ドロニは、この航空機が認証された直後の 2024 年に顧客への納入を開始する予定です。
ドロニはパイロットを乗せて二人乗りのeVTOL航空機を飛行させた最初の企業かもしれま
せんが、個人使用を目的としたeVTOL航空機の飛行試験を行った唯一の企業というわけで
はありません。オハイオ州では、Ryse という会社が、同社が「空飛ぶ ATV」と呼ぶ単座
型Recon航空機で広範囲な飛行テストを実施しました。
カリフォルニアに本拠を置くオープナー社も、同社の単座型eVTOL航空機ブラックフライ
の飛行試験を行っています。エアワンと呼ばれる 2 人乗り eVTOL を開発しているイスラ
エルの企業であるエア は、今年パイロットによる飛行試験を開始する予定です。
その他の個人用eVTOL企業
RYSE、今年第3四半期にRECON PERSONAL EVTOLの初納入を計画
Ryse Aero Technologies は、Recon パーソナル eVTOL の納入を今年中に開始する準備
を進めています。先月ラスベガスで開催されたコンシューマー・エレクトロニクス・ショー
でリーコンを飛行させた後、同社はオンライン予約システムをオープンし、すでに15万ドル
(2100万円)の航空機に対して100件近くの注文リクエストを集めています。
最初の予約注文の約80%は100エーカー以上の土地を持つ農家からのものだといいます。
Ryseは、3月下旬か4月上旬にこれらの予約を確定注文に変換し、顧客からの支払いを徴収
し始め、2023年第3四半期後半に配送が始まる予定です。配送枠のスケジュールに関しては
農業用の顧客が娯楽用のユーザーより優先されることになる予定です。
Recon は FAA の Part 103 規則の対象となる超軽量航空機であるため、オペレーターはラ
イセンスを必要とせず、車両は商業用途を目的とした他の eVTOL 航空機に必要な厳格な
FAA 型式認証プロセスを通過する必要もありません。ただし、Part 103 航空機の操縦者が
どこで、いつ、どのように飛行できるかについては、いくつかの制限があります。たとえば
飛行できるのは晴天時の日中のみであり、対気速度は 55 ノットを超えることはできません。
Recon には 6 つの独立したバッテリー駆動のプロペラがあり、1 つまたは 2 つのプロペラ
が故障した場合でも安全に着陸できます。フライバイワイヤ技術を使用して操作を容易にし、
ジョイスティックまたはタッチスクリーンコントロールパネルで操作して冗長性を高めるこ
とができます。バッテリーを完全に充電するには最大 90 分かかり、1 回の充電で約 25 分
間飛行でき、航続距離は約 40 マイル(64km)です。
顧客のほとんどは、単座型 Recon を農業や牧場などの農業目的に使用することに興味を持
っています。これは、バッテリー駆動の小型航空機が陸上監視を実施し、到達しにくい場所
に到達するための迅速かつ簡単な方法を提供するためです。
「田植えの初期には湿気が多く、ATV やピックアップ トラックを使って畑に 2 マイル進入
することはできません」とコウィッツ氏は説明しました。 乾季には、農民は灌漑システム
を利用する必要があります。作物が肩まで伸びていると、灌漑システムの中心部まで出るの
は非常に困難で、通常は 0.5 マイルから 4 分の 3 マイル離れたところにあります。トウモ
ロコシの茎の間を歩くのは、とても大変なことです。したがって、飛行機が飛び立ち、灌漑
プラットフォームの中心にぴったり収まる位置に着陸することは、素晴らしい使用例です。」
しかし、他の購入者はこの車両を娯楽に使用することを計画しています。たとえば、Ryse の
オンライン予約システムを使用している数人の顧客は、航空機が水上で離着陸できるため、
キャンプ旅行に Recon を持ち込んで湖の上を飛行したり、さらには釣りに行ったりすること
に興味を示しています。
実際、Ryse はすでに釣り旅行で Recon をテストしました。「正月前に素敵な池に連れて行
きました」とコウィッツ氏。「実際に釣り竿があったので、簡単に釣ることができました。
同社はまた、ビーチや国立公園などの人気の休暇先で Recon のレンタルを提供する可能性を
模索しています。」
AIR ONE パーソナル EVTOL 航空機が最初の移行飛行テストに成功
エアワンと呼ばれる個人用 eVTOL 航空機を開発する新興企業である エアは、ホバリング
から巡航飛行に「完全に」移行する最初の移行飛行を達成したと、昨年の 12 月 20 日に発
表しました。
エアによると、移行飛行は現地時間12月18日日曜日午後3時頃、イスラエル北部にある同社
の試験施設で行われた。最大離陸重量 2,425 ポンド (1,100 kg) でフル積載されたこの二人
乗り飛行機は垂直離陸し、初めて通常の巡航速度で前進飛行に移行しました。
エアワンは上昇から巡航形態の飛行試験に成功(画像:エア)
ほとんどの eVTOL 開発企業は自社の航空機を航空タクシーの乗車や貨物輸送などの商業用
途に提供することを計画していますが、エアは エアワンeVTOL航空機の主な顧客として個
人消費者をターゲットにしています。この固定翼機はパイロット 1 名と乗客 1 名が搭乗で
き、折りたたむとほとんどのガレージや私道に収まります。
エアによれば、機体の航続距離は110マイル(177キロ)、最高速度は155マイル(250キロ
/時)、巡航速度は約100マイル(161キロ/時)です。1 回の充電で約 1 時間飛行でき、最
大積載量は 440 ポンド (200 kg) で、2 人+荷物を積むのに十分な量です。
飛行試験の成功を受けて、エアはFAA認証プロセスの一環として同機で「数千時間の飛行」
を計画していると述べました。同社は航空機の認証を取得し、2024年に納入を開始できる
ようにすることを目指しています。エアはイスラエルに拠点を置いているが、FAA認証プロセ
スの合理化を図るため、研究開発業務の大部分を米国に移転する計画だと述べています。
エアワンの初期生産バージョンは基本価格 15 万ドル(2100万円)で顧客に提供されますが、
同社は将来的にはより高い価格帯のアップグレード バージョンも提供する予定です。
「追加の製品はまだ開発中ですが、航続距離の拡大、内装のアップグレード、顧客体験機能
の向上など、幅広いオプションを想定しています」とプラウト氏は語りました。
この航空機は1,000ドル(14万円)の保証金を支払えばオンラインで予約可能で、エアによれ
ばすでに260機以上の予約注文を獲得しているといいます。
オープナーは今年、BLACKFLY PERSONAL EVTOLの受注開始を目指す
オープナーの ブラックフライ パーソナル eVTOL 航空機。 (写真: オープナー)
個人用eVTOL航空機ブラックフライを開発する米国の新興企業であるオープナーは、今年中
に顧客からの注文を開始する予定であると述べていますが、同社はまだ約束や明確な日付を
設定していません。(未定)
2008年にSkyKarとして設立されたオープナーは、個人輸送用に世界初の完全電気式固定翼
eVTOL航空機を開発しました。2011 年 10 月、カナダのエンジニアであり同社の創設者で
もあるマーカス レン氏は、ブラックフライの初期プロトタイプの構築への道を切り開いた
実証機である固定翼 eVTOL 航空機の最初の有人試験飛行を実施しました。レン氏は 2014 年
にそのプロトタイプを初めて飛行させ、その後会社をカナダからカリフォルニア州パロアルト
に移転しました。
オープナーは2018年にブラックフライの試作版を発表し、それ以来、同社は全米各地の航空
ショーで同機を披露し、いくつかの公開飛行デモンストレーションを実施してきました。
最近では、ブラックフライは2022年7月にウィスコンシン州オシュコシュのEAA エアベンチ
ャーで4回の有人飛行デモンストレーションを実施しました。
2021年のエアベンチャーショーで同機が一般公開された後 、オープナー氏は顧客からの注文
を受け付ける予定でしたが、まだ受け付けを開始していません。今のところ、同社は検証テス
トの最終段階を終えることに重点を置いており、2023年中のいつかの開始を目指しているも
のの、注文の収集を開始する時期はまだ正確には決まってはいません。
超軽量航空機に関する FAA のパート 103 規則に基づいて提供された単座フライ・バイ・ワ
イヤー ブラックフライは、FAA の型式証明を必要とせず、米国内で操縦するために操縦士の
免許も必要ありません。カナダで航空機を運航するには、超軽量パイロットのライセンスが必
要です。FAAの規制により、航空機は有視界飛行規則(VFR)条件下で日中にのみ飛行するこ
とができ、混雑した地域や管制空域の上空を飛行することはできません。
重量が 348 ポンド (158 キログラム) であるため、ブラックフライの最大積載量は約 230 ポ
ンド (104 キログラム) であり、バブル キャノピーの下に収まるには乗員の身長が 78 インチ
(198 センチメートル) 未満である必要があります。この航空機は、小さな胴体の前後に 2 つ
の 13.6 フィートの片持ちタンデム翼が取り付けられており、各翼には電気モーター付きのプ
ロペラが 4 つ付いています。
オープナー氏は以前、ブラックフライの1回の充電での航続距離は30マイル(48キロメー
トル)になると述べていたが、カークリン氏は、航続距離はおそらく20マイル(32キロメ
ートル)ほど短くなると述べました。しかし、「これは、バッテリーの予備量に非常に寛大な
安全係数が適用されていることによるものです」とカークリン氏は述べました。同氏は、ブラ
ックフライに電力を供給するバッテリーは5、6年前の技術を使用しており、より高いエネルギ
ー密度を備えた新しいバッテリーが市販されるようになれば、航空機の航続距離は伸びる可能
性があると説明しました。
最高速度 55 ノット(時速100キロ)で飛行する ブラックフライは、1 回の充電で約 20 分間
動作でき、240 ボルトの急速充電器を使用して完全に充電するには 20 ~ 30 分かかります。
標準の 120 ボルトの家庭用充電器を使用すると、かなり長い時間がかかります。
これまでオープナーは、ブラックフライを使用して 36,000 マイル(58,000キロ)以上をカ
バーする 5,000 回以上の飛行テストを実施しました。カークリン氏は、残りの飛行試験につ
いては「動的水陸両用作戦の観点から、検討すべきいくつかの特殊なケースがまだある」と述
べました。「これは水上飛行機ではありませんし、水遊びのおもちゃでもありませんが、私た
ちは水中でも丈夫であることを望んでいます。」
「私たちは高地や高温に対する取り組みも続けています」とカークリン氏は付け加えました。
「飛行時間は数時間あるので、そこで蓄積する必要があります。したがって、数か月以内に
メキシコシティ郊外のどこかでUFOの目撃情報があれば、その理由がわかるでしょう。」
まとめ
今回のドマニの有人飛行試験の成功は、個人用eVTOL業界にとってはとても有意義なこと
です。商用化が現実味を帯びてきました。
このように重量を制限することで、パイロットのライセンスが国によっては要らなくなり
ます。エアタクシーのようにお客を乗せて飛ぶのではありませんので、今のエアラインパ
イロットなどの商用ライセンスは必要ありません。
もし、日本で飛行するとなると、小型機の自家用ライセンスが必要では無いかと思います。
理由は、欧米にあるLSA(Light Sports Aircraft:軽量小型飛行機)の制度が無いからです。
日本で超軽量動力機と呼ばれるエンジンを装備したパラグライダーやウルトラライトプレー
ンは、ライセンスが要りませんが、飛行に制限があったり、最近では墜落事故なども多発
しています。空の安全を守るという意味でも、早期にLSAの導入が必要不可欠です!
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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