ダウンバースト

お天気

皆さんこんにちは!

おとといの7月17日(日)に埼玉の深谷市で突風の被害が出ました。

幸い死傷者は居なかったものの、倉庫の屋根が飛ぶなどの被害が出ました。

埼玉気象台は、ダウンバーストが起きたと発表しました。

今日はダウンバーストについて見ていきましょう。

ダウンバースト

埼玉県深谷市内では17日午後7時ごろ、突風による被害が相次ぎ、深谷市普済寺では

漬け物工場の倉庫の屋根の一部が吹き飛ばされたほか、直ぐ知覚の農家の木造の小屋が

倒壊しました。屋根や窓ガラスの破損、物置の倒壊などこれまで12件の被害が確認され

ました。

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ダウンバーストとは

積雲や積乱雲から爆発的に吹き下ろす気流およびこれが地表に衝突して吹き出す破壊的な

気流をダウンバーストと言います。

ダウンバーストはその水平的な広がりの大きさによって2つに分類されます。

広がりが4km以上マクロバースト4km以内マイクロバーストと呼んでいます。

ダウンバーストの説明図

ダウンバーストの現象と被害などの特徴

① 強風の吹き始めから終わりまでほぼ風向が一定

② 発生場所付近に対応するレーダーエコーがある

③ 気圧が上昇する

④ 強風の開始と同時に気温が低下し、湿度が上昇する

⑤ 被害地域は竜巻のように帯状ではなく、面的に広がる

⑥ 残された飛散物の飛散方向や倒壊物の方向は、同じかある点から広がる形となる。

⑦ 竜巻のようなゴーという音はしない

ダウンバーストによる事故

1975年6月24日、ニューヨーク・ケネディ空港でイースタン航空66便の着陸

失敗事故がありました。

当時シカゴ大学に在籍していた藤田哲也氏は、この事故調査を行い、事故原因となった

下降気流をダウンバーストと呼びました。これが由来となったのです。

藤田氏は日本、アメリカの気象学者で、ダウンバーストや竜巻の研究の第一人者です。

この事故は、パイロットの操縦ミスと原因づけられましたが、航空会社が疑問に思い

藤田氏に事故原因の再調査を依頼しました。藤田氏は原因が、ごく短い時間に発生した

強い下降気流と結論づけました。

この事故では、飛行機が高度500mを飛行中にダウンバーストに遭遇し、急激に高度を

失いました。しかし激しい雨のため視界がきかず、パイロットが下降気流に機体が押し下

げられたことに気がつかないまま墜落しました。

この事故を教訓として

このダウンバーストで墜落した事例は、着陸態勢に入り、速度が少なく、高度も低いとき

に起こっています。

今まで、向かい風だったのが急に追い風に変ることで飛行機の揚力がなくなり、墜落して

しまうのです。

ダウンバーストによるケース説明図

パイロットは、機上でのレーダーで雨雲が自分の経路上にある時や、地上の風と今飛行

しているときの風の方向、強さなど解析して、ダウンバーストがあるかを判断しています。

もし、その恐れがあるときは、着陸を早い段階で止めます。不幸にも遭遇してしまった場合

ただちに着陸復行(エンジン出力を最大に出し、上昇する)を行います。その時には

着陸のため降ろしたギアやフラップは上げたりしません。それらを操作することによって

飛行機の揚力が失われるからです。

その他、航空機に影響する風

ガストフロント

ガストフロントもマイクロバーストと同様に積乱雲の下降気流から生じます。

向かい風の急な増加や、ガストフロントの先端の上昇気流によって機体が持ち上げられ

進入コースから外れてしまいます。こういうときは、無理せずにやり直しをするのが

一番です。コースに乗せようとして、機首を下げるとともに出力を減らすと、つぎに

下降気流により押し下げられ、とても危険な状態に陥ります。

ガストフロントによるケース説明図

地形の影響

山の中にある空港は、地形の影響を受けやすくなります。

地形によって風が変化して、不安定になります。

地形影響によるケース説明図

また、滑走路近くの倉庫や建物も風の変かを起こします。

羽田空港のランウエイ34Lの着陸は、滑走路の東側に飛行機の格納庫があるために

東風が吹いているときは、気流が悪くなります。

まとめ

近年は、観測機器の発達により、雨の予想や風の予想についても詳細にわかるように

なりました。しかしながら、自然にはかないません。君子危うきに近寄らずです。

少しでもおかしいと思ったときは、止める勇気を持つことです。

 

参考:気象庁、知識解説、航空気象より

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

 

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