皆さんこんにちは!
その昔は訓練機と言えば上翼型機のセスナ172シリーズでしたが、現在は低翼機が主流です。
その中でも、アメリカ製のシーラスSRシリーズは、今やセスナ172を抜いてベストセラー
になりつつあります。
2018年には、日本の航空大学校(帯広分校)も採用しています。2022年のNHK朝ドラにも
撮影に使用されました。(朝ドラ『舞いあがれ!』)
シーラス・エアクラフト
シーラス・エアクラフト社は、米国ミネソタ州に本社を構える航空機メーカーです。
SR20/SR22/SR22Tの3機種を擁するSRシリーズは、趣味で操縦を楽しむ自家用機や、
プロパイロットを養成する訓練機として世界中で好調なセールスを記録しており、
2013年には小型機デリバリー機数ランキングで世界第1位に輝きました。それ以来そ
の座を譲らず新世紀のベストセラー機として頂点に輝いています。
2016年10月には小型単発ジェット機Vision SF50がFAAの型式証明を取得。一般顧客
向けに販売が開始されました。
シーラスSRシリーズ、5年連続 世界最多デリバリー!(2017年)
SRシリーズは、2013年に初めて世界一になって以来、今日までその王座を明け渡して
いません。
スタンダードモデルの「SR20」、より強力なエンジンを搭載した「SR22」、ターボ
チャージャーを搭載した「SR22T」の三機種から成るSRシリーズは、緊急用パラシュ
ートをはじめとする高度な安全機能や、最先端のアビオニクスを搭載するなど、従来の
小型機の常識にとらわれない進化を遂げてきました。
モバイルデバイスを充電できるUSB電源ポートや、離れた場所からドアの施錠/開錠が
できるリモートキーなどの様々な便利機能も備わっており、安全で快適なフライトが楽
しめる自家用機として個人のオーナーから好評を受けています。
一方で、プロ・パイロットを養成する世界各国の訓練機関からは、エアライン機に近い
環境を再現できる高性能訓練機として高い評価を受けています。
日本においては、10機のSR22が、独立行政法人 航空大学校の帯広分校に配備されてい
ます。また、新たに5機のSR22が帯広分校に、15機のSR22が宮崎本校に配備されてい
ます。
海外では、エミレーツ航空、ルフトハンザ航空などの航空会社や、アメリカ空軍士官学
校が、シーラスSRシリーズを訓練機に採用しています。
永遠のピストンベストセラー、シーラス SR22
ベストセラー、シーラス SR22
SR22T-GTS G6 Carbon Edition は、ジュネーブで開催された EBACE 2023 で展示されました。
シーラス・エアクラフトが 1990 年代に S20 と後続の SR22 で開拓した革新は、それ以
来、ピストン シングルがそのカテゴリーの納入で主流となっているため、恩恵をもたら
し続けています。
複合構造 SR20 は 1998 年 10 月に FAA 型式認証を取得し、その 2 年後にはより強力な
コンチネンタル エンジンを搭載した SR22 が続きました。2008 年の SR22-G3 (第 3 世
代) には、航続距離の延長、翼の再設計、コックピットの Cirrus Perspective (合成視覚
技術を備えた Garmin G1000 ベースのアビオニクス システム) へのアップグレードが
搭載されました。ターボチャージャー付きコンチネンタル エンジンを搭載した SR22T
は 2011 年に就航しました。
十分な窓を備えた広々としたキャビン、バタフライ式出入口ドア、「サイドヨーク」
(サイドスティック)パイロット制御装置を備えたこのシリーズには、胴体上部から
展開するロケット推進式の緊急パラシュートであるシーラス エアフレーム パラシュート
システム (CAPS) が装備されていました。荷物室の後ろ。2003 年、SR22 は、クラス
初の「グラス コックピット」である Avidyne Entegra アビオニクス システムをデビュ
ーさせました。
安全性の確保に対する評判が、パイロットが SR22 について最も高く評価しているものだ
と、ローン マウンテン エアクラフトの上級営業スタッフの一員で、過去 1 年間で 50 機
以上の SR シリーズ航空機を販売したダニエル クリストマン氏は言います。
「パイロットが巻雲のことを考えるとき、巻雲の究極の安全システムを思い浮かべます。
それがパラシュートです」とクリストマン氏は言います。「これにより、パイロットとそ
の家族は、生命を脅かす緊急事態が発生した場合に自分たちのためのセーフティネットが
あることを認識するようになります。効果的であることが証明され、250 人以上の命を救
ったこの安全システムについては、いくら言っても足りません。」
シーラス社による SR22 への CAPS システムとグラスコックピットの導入は、どちらも軽
一般航空分野では初であり、この飛行機はワシントン D.C. のスミソニアン国立航空宇宙博
物館に展示されることになりました。
ワシントン DC のスミソニアン国立航空宇宙博物館に展示されているこのシーラス SR22
販売価格の上昇
2001 年の工場新車の SR22 の平均装備定価は 294,700 ドル(3,400万円:1ドル=115円)
でした。シーラス社は昨年、この飛行機を77万2900ドル(1億1,600万円:1ドル=150円)
で上場した。SR22T の 2011 年の工場出荷時の新品定価は 449,900 ドルでした。2023年
にメーカーはそれを887,900ドル(1億3,300万円)で販売しました。
時間の経過とともに価格が上昇しても、継続的にアップグレードされるシリーズの魅力は
抑えられておらず、1月11日に発表されたSRシリーズG7 (第 7 世代) で再び刷新されて
います。
一般航空製造協会(GAMA)によると、2022年にシーラス社は280機のSR22Tと159機
のSR22を出荷しましたが、GAMAは2023年の最終出荷報告書を発表していませんでした。
これらは、その年のベストセラーピストンのトップ2であり、セスナ・スカイホーク
( 151 機の納入)とダイヤモンド DA40(109 機の納入)を上回りました。
ちなみにSR20は100台の納車で5位に終わりました。
「乗客の快適さから、速度、航続距離、積載量、安全システム、そして全体的な性能に
至るまで、シーラス社は航空機を製造するための公式を考案し、それが 2005 年以来シ
ングルエンジンピストンのベストセラーとなった」とクリストマン氏は言いました。
「彼らはその時にそのタイトルを獲得し、それを決して手放したことはありません。」
テキストロン・アビエーションが2018年に生産を中止するまで、SR22の主な競争相手
はセスナ400/TTxでした。それ以来、「単発エンジンの分野では真の競争相手は存在し
ませんでした」と彼は付け加えました。「主に、SR22 や SR22T から来たパイロットは
パイパー ミラージュ、(シーラス)ビジョン ジェット、あるいは TBM やパイパー メリ
ディアンのような他のタービン装置に行くことを考えています。私の航空機所有経験の中
で、速度/高度/性能の向上は常にパイロットに「次は何だろう」ということを考えさせる
ものです。」
GAMAによると、2023年第3四半期の時点で、シーラスは225台のSR22Tと93台のSR22
を納入しました。
2011年に中国航空工業公司に買収されたシーラス社は、1999年以来9,000機以上のSRシ
リーズ航空機を生産してきました。約1,800機がSR20で、約1,800機がSR20です。残り
7,200機は SR22 と SR22Tです。クリストマン氏によると、後者の航空機は1月に約300
機が販売されており、価格はモデル年に応じて25万ドルから135万ドルであったという。
SR22 の性能
SR22の荷物コンパートメントには、リモートロック解除可能なキーレスドアが付いています。クレジット: シーラス・エアクラフト
SR22 には 310 馬力のコンチネンタル IO-550-N エンジンが搭載されており、最大巡航速
度は 183 キロです。航空機の基本重量は 2,272 ポンド、有効荷重 (パイロット、乗客、手
荷物、使用可能な燃料、および排出可能なオイル) は 1,328 ポンドです。キャビンのペイ
ロードは 3 時間です。走行燃料と45分。リザーブは963ポンドです。
SR22 の着陸距離は1,868 フィート(570m)の滑走路が必要です。
最大上昇高度は 17,500 フィートです。
SR22T は、315 馬力のコンチネンタル TSIO-550-K ターボエンジンを搭載しています。
最大巡航速度は213ノット(395km/h)です。最大離陸重量は 3,600 ポンド(1630kg)
です。T モデルでは、着陸距離 2,080 フィート(633m)です。最大上昇高度は 25,000
フィートです。
SR22/SR22T キャビンのサイズは幅 49 インチ、高さ 50 インチです。航空機の手荷物室
は、キャビン後方の胴体の左側にあり、リモートロック解除のキーレス手荷物ドアを備え
ています。
シーラスは機体についてはFAAの標準的な年次検査、エンジンについては50時間の検査間隔
に従って検査が義務づけられています。唯一必要な主要なメンテナンス項目は、10 年ごと
に発生する CAPS とロケット モーターの交換で、費用は約 20,000 ドル(300万円)です。
年次および50時間の点検にかかる直接的な運用コストは、1時間あたりおよそ100ドルから
200ドル(15,000~30,000円)です。毎年の検査には約 5,000 ドル(75万円)、50 時間
の検査には約 1,000 ドル(15万円)の費用がかかります。さらに、修理または交換が必要
な磨耗項目も含まれます。モデルと操作方法に応じて、SR22/SR22T は 1 時間あたり 13
~ 18 ガロンの燃料を消費します。1ガロンあたり1.7ドル(255円:2022年時点)で計算
すると3,400~4,600円です。
まとめ
小型機といえ、全ての物の価格が高騰しています。航空機の機体自体も高額ですが、燃料費
や維持費を換算すると相当な額になります。また、航空法の規則が厳しくなり、以前のよう
に野ざらし(野外駐機)が認められなくなりました。そのため屋根付きの格納庫を借りるな
ど負担が大きくなっています。
低コストや変らない性能を比較しても、LSA(Light Sports Aircraft)の存在が脚光を浴びる
のではないでしょうか?
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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