皆さんこんにちは!
今日は、「タケコプターを開発したFLYNOW(フライナウ)」という話題です。
タケコプターと言えば、そうマンガ「ドラえもん」の中で登場するアイテムですね。
まぁ、実物は少し大きいのですが、これまでのeVTOLと比べてもコンパクトで
とても面白いUAM(アーバンエアーモビリティ)となっています。
それでは、見ていきましょう!
FLYNOW Aviation(フライナウ アビエーション)
アーバンエアモビリティに革命を起こす
「アーバンエアモビリティに革命を起こす」を理念に掲げた会社が、ヨーロッパに
現れました。その名は、フライナウ アビエーション(以下フライナウ)です。
フライナウは、アーバン エア モビリティの分野で活躍するオーストリアの新興企業で
1 人乗りの自律型で運用コストの低いVTOL 航空機を提供することで、都市交通に革命
を起こしたいと考えています。
フライナウ・プロモーションビデオ(フライナウ アビエーションより)
斬新的?先進的?PAV(パブ)
PAV(パブ)と呼ばれるこの航空機は、荷物を含む1人の輸送用に設計されています。
パルシングシステムは、二重逆回転プロペラを備えたローターに基づいており、冗長同軸
電気駆動で非常に効率的です。生成されるノイズは、現在開発中の他のドローンよりも高
く、高度 150 m で約 55 dB (A) です。ただし、この騒音は、都市環境で動作できる範囲
内です。 55 dB (A) といえば、冷蔵庫のモーター音、電動歯ブラシの音レベルです。
自動車の騒音は約70dB (A)です。
推進システムの選択とセルの特定の設計は、エネルギーの観点から非常に効率的です。これ
は、エンジニアがペイロードを最大化するよう促した正確な設計上の選択によるものです。
飛行制御は完全に自動化されており、1 人の乗客を収容するように設計された航空機です。
離陸から着陸までのフライトの各段階は自動化され、現地の ATM (Air Traffic Management)
職員と調整されます。ただし、故障が発生した場合は、航空機の制御を引き継ぐことができます。
フライナウは、航空タクシー市場に参入するために 1 人乗りの航空機に注力することを決めて
いますが、将来的には 2 人乗りの航空機も計画しています。
この分野の他の多くの競合他社と同様に、フライナウは間違いなく新しいアーバン モビリティ
の 3 つの柱に焦点を当てています。
- 排出量の削減、おそらくゼロまで。
- 通常のタクシーサービスと同等の料金体系でサービスをご利用いただけます。
- 多重冗長システムによる乗客の安全。
性能は、飛行時間30分、最高時速最大130km/h、航続距離50kmとなっています。
独特の機体、発想の転換
パブには2つの大きなプロペラがキャビン(人が乗る座席)の上に付いています。
揚力は、この2 つの反対方向に回転する 2 ブレード ローター プロペラによって
生成されます。これらのプロペラはそれぞれ、4 重の冗長永久励磁同期電動機に
よって駆動されます。各 電気モーターは、同軸に配置されたシャフトを介して
1 つのローター プロペラを駆動します。ユニット全体がユニバーサル ジョイント
を介してキャビンに接続され、いわゆるティルト ヘッド機構を形成します。
逆回転同軸ローターは、最も効率的な配置であることが知られています。複雑な
同軸スワッシュ プレート アセンブリの代わりに固定ピッチ ローターと 回転数制
御による完全関節式同軸ローターの置き換えによる効率的なダウンサイジングは、
手頃な価格をもたらし、簡素化とコストのさらなる削減につながる多様性です。
また構造的に油圧動力を使用せず、電気モーターは空冷式であるため、液体を一切使用して
いません。同時に、フライナウは、歯車が問題を引き起こすことが知られているため、ギア
ボックスを必要としない航空機を設計しました。電気モーターがローターブレードのシャフ
トを直接駆動しているのです。
安全面では、他のUAM(アーバンエアーモビリティ)は、プロペラの 1 つが故障した場合、
不安定になるのを避けるために、反対側のプロペラもシャットダウン(停止)する必要が
ありますが、パブの場合、キャビンの重心はジンバル ジョイントよりずっと下にあります。
そのため、機体はそのままの状態を保つことができるのです。
創設者、ユルゲン
創設者&CEOのユルゲン・グレイルはオーストリアのウィーン工科大学を卒業し、機械工学
の学位を取得しました。さまざまな車両推進技術とアーキテクチャのスキルに加えて、彼は
一般的なモビリティの概念についての洞察を得て、交通そのものの多くの一般的な基礎を
築きました。
航空宇宙のデザイナーとして 5 年間働いた後、彼は自動車業界に転身し、そこで 20 年以上
にわたり、オペル、ポルシェ、BMW でさまざまな設計と管理の役割を果たし、代替ドライ
ブ トレインを備えた革新的な車両コンセプトを担当しました。BMW の「プロジェクト i」
において、彼は電気駆動モデル i3 および i8 の原動力となりましたが、革新的な水素貯蔵統
合ソリューションに関する水素燃料電池車プロジェクトを担当しました。
特に大都市におけるアーバンモビリティの今後の欠点と課題を完全に理解しているため、
ユルゲンは地上ベースのソリューションに限定されることはありませんでした。彼は飛行機
とヘリコプターの商用ライセンスを保有しています。これが、すべての人に 3D モビリティ
を提供することが、空想はなく、彼にとって有効な選択肢であった理由の 1 つです。
2016 年に BMW を退職した後、彼は中国の長城汽車 (GWM) で燃料電池電気自動車プロジ
ェクトの車両のシステムの構築の責任者になりました。しかし、2 年後、ユルゲンは長城汽車
(GWM)から離れることを決意し、2018 年にオーストリアでコンサルティング会社を立ち上
げました。
2019 年 6 月に、元 BMW および GWM の同僚である マークス と一緒に フライナウ を設立
しました。
EASAの認定とスケジュール
EASA (欧州連合航空安全局) の一部として、オーストリア航空局との 3 段階のアプ
ローチに従っています。最近、新年が始まる直前(2022年12月)に、いわゆる「特
定のカテゴリ SAIL 2」で認定された概念実証を取得しました。
2番目のステップでは、ユースケースに応じてより高い段階での貨物バージョンを認
定し、最終的に2024年末までに商用運用を目指します。
貨物バージョンの運用に関する十分な経験の後、2026年初頭までに認定カテゴリー
に必要な準備を行っていきます。
まとめ
タケコプターを開発したFLYNOW(フライナウ)と題しまして、記事を書きましたが
創設者であるユルゲンは、自動車業界からの参入です。創業は2019年と他社よりは
遅れたものの、彼の自動車会社で培った技術と形にとらわれない発想は素晴らしいもの
です。世界には700を超える空飛ぶクルマを創っている会社が存在します。その中でも
最後まで生き残れる会社は一体いくつあるのでしょうか?EASAやFAAにしても機体の
認証をとるのはたいへん難しいものです。安全が第一で、それから量産に向けたコスト
予算、投資など、様々な高い壁が待ち受けています。しかしながら、成功する多くの
起業家は自由な発想と強い精神力で乗り越えてしまうのでしょう。
次のチャレンジャー(挑戦者)の登場に胸が躍ります。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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