皆さんこんにちは!
8月3日に内閣官房をはじめとする各省庁が集まり、『第18回小型無人機にかかる
環境整備に向けた官民協議会』を開催しました。今日は、この会議から見えるこれか
らのドローンや空飛ぶクルマに関する展望を見ていきましょう。
空の産業革命に向けたロードマップ2022
協議会では、『空の産業革命に向けたロードマップ2022(案)』を基に、レベル
4の実施とさらにその先へと題して、2022年度中にレベル4の実現を完成させる
とともにさらなる取り組みをまとめています。具体的には、現在実証が行われている
離島、山間部から人口密度の高い地域、多数機同時運航へと移行します。更にその先
のドローンがより効果的に社会に貢献する未来の実現を目指しています。
内容は、
① より高度な運航を可能とするため『運航管理システム(UTMS)』の制度、
技術の確率
② 『機体性能の向上』のための技術開発の強化
③ 地域との連携を強化しつつ、物流、災害対応など用途に応じた実装を加速
です。
環境整備
運航管理システム(UTMS)の導入に向けて、2023年度に方針を策定しUTMS
の段階的な制度の整備を行います。
レベル4飛行の実現に伴い無人航空機(ドローンなど)の運航頻度が上がります。
それをコントロールするのに一元化した管理が必要になってきます。
まずは、混雑度の低い段階から検証をはじめ(Step 1)、徐々に混雑度の高い状態の
検証を行っていきます。(Step 2、Step 3)2025年にはStep 2まで、Step 3は
空飛ぶクルマが登場する2025年から2030年にかけて検証を行っていきます。
次に、上空における通信の確保のために高度150m以上でLTE利用を可能にする
検討を実施します。
技術開発
2022年度末を目途に、災害復旧支援や点検、測量、気象観測等の行政ニーズに
対応するために必要な標準機体の性能仕様を定め、国内企業開発を促進します。
併せてSBIR制度の活用も検討します。
SBIR: Small Business Innovation Research(中小企業革新研究)
ここでは、国内企業とわざわざ指定していますので、海外企業(DJI社)は
規格外になる可能性があります。
ドローンや空飛ぶクルマと航空機がより安全で効率的な運航を行うための運航管理
技術を開発し、大阪万博にて実証を行います。つまり、2025年、後2年半で
システムを構築しなければなりません。
また運航省人化に向けて、一操縦者による多数機同時運航の実現に向けた性能評価
手法を開発していきます。
イメージ的にはドローン、空飛ぶクルマ、航空機などを棲み分けます。
ヨーロッパでは、管制区域(クラスE)と非管制区域(クラスG)を分けて運用します。
2023年1月に施行予定です。
アメリカではFAA(連邦航空局)が主導して民間企業と合同でシステムを開発しま
した。日本も同じような形式になるでしょう。
社会実装
実用化を見据えた実証を重ねつつ、各種ガイドラインを改定するとともに、河川上空
でのドローンの利用を促進するためのマニュアルを2023年度中に策定します。
防災基本計画に、航空運用調整の対象としてドローンを位置づけ防災訓練等を推進し
ます。これからは、防災訓練にドローンが必ず必要になるということですね。
今年4月に改正された防災基本計画にも
○都道府県は,航空機を最も有効適切に活用するため,情報収集,救助・救急,消
火,医療等の各種活動のための航空機及び無人航空機の運用に関し,災害対策本部内
に航空機の運用を調整する部署(航空運用調整班)を設置し,現地対策本部と連携し
て必要な調整を行うものとする。
と明記されました。
9月にドローンサミットを開催し、ドローンの社会実装を加速させるとともに情報発
信を行っていきます。
今年の9月1日、2日にかけて、兵庫県の神戸国際展示場で行われます。
有識者の基調講演も予定されています。
兵庫県は積極的にドローンや空飛ぶクルマの誘致に動いています。
先日のニュースでも、空飛ぶクルマの離発着場建設に大阪市と一緒に参加すると発表
しました。
まとめ
現在日本では、ドローンのレベル4に向けて官民一体で取り組んでいます。これまで
法改正や整備に消極的だった政府も、日本の新しい産業開発に商機があると見込んで
積極的に主導しています。それまで、技術が追いついていけるのかが問題です。航空法
道路交通法など、関連する省庁の縄張り争いだけは避けて欲しいと思います。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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