ホンダのeVTOL始動

ドローン、空飛ぶ車

皆さんこんにちは!

ホンダエアクラフトの次なる挑戦は、eVTOLです。ホンダジェットのノウハウを活用してハイブリッドタイプのeVTOLを開発します。

今回のドアバイエアショーでの公開を皮切りに、2026年の試験飛行に向けて始動します。

ホンダ、2026年初頭に初のフルスケールeVTOL試作機を飛行させる予定

ホンダのeVTOLがドバイ航空ショー2025に出展

ホンダは、今年末までに初のフルスケールeVTOLプロトタイプの製作を完了し、2026年3月に初飛行を行う予定だ。© David McIntosh/AIN

ホンダは、3号機規模の実証機による400回以上の飛行を経て、2026年3月に初のフルス

ケールeVTOLプロトタイプ機の飛行を計画しており、初号機の製造は今年末までに完了する

予定です。同社は、2030年代初頭までにFAA(連邦航空局)の型式証明を取得したいと考えています。

ホンダは2021年にeVTOLプログラムを発表して以来、今後のeVTOLについて比較的秘密

主義を貫いてきたが、ドバイ航空ショーへの同社の初出展は「当社の研究の進捗状況を披露

するのに良いタイミングだ」とホンダeVTOL担当副社長兼エグゼクティブチーフエンジニアの増尾進氏は語りました。

増尾氏は、ここ数年はいわゆる「ステルスモード」に入っていたと冗談を交えながら、

「非常に未熟な状態なので、積極的に(進捗状況を)公表する必要性を感じていない」

と説明した。しかし、同社は「今や(自社の)技術はここにあると確信している」。

ドバイ航空ショーで展示されている3分の1サイズの技術実証機は、カリフォルニアで飛行

試験キャンペーンを実施しており、風洞試験から得られた知見を補強しています。「この

機体は飛行制御の検証専用です」とマシオ氏は説明します。飛行プロファイルには前進飛行

とホバリングが含まれますが、実証機はまだホバリングから巡航への完全な移行を完了していません。「機体の制限により、実機でこの移行を実現できると確信しています」とマシオ氏は付け加えました。

次期試験機は遠隔操縦され、2026年3月頃に米国で飛行試験を開始する予定。注目すべきは

展示されているサブスケールのデモンストレーターと胴体モックアップの両方のデザイン

が、以前の視覚化で示したより楕円形の胴体プロファイルから離れ、一定の断面を含むようになったことです。

「まだ設計段階で、どの最終形状が私たちにとって最適なのかを議論しているところです」

と増尾氏は認めました。「キャビンのデザイン、空力、そして車両のその他の構造部品を

全て組み合わせて、うまく機能させる必要があります。」サプライヤーリストはまだ確定し

ていないが、ホンダは「市場の動向を注視している」と増尾氏は述べたのです。

eVTOL分野の他の競合他社が自社機のハイブリッドパワートレインに注目する中、ホンダ

は注目すべき例外であり、同社のeVTOLは当初からハイブリッド電動化を意図していま

す。「私たちは自動車メーカーなので、バッテリー技術は熟知しています」と増尾氏は

述べました。「このプロジェクトを開始することを決めたとき、バッテリー技術が期待ほど

進んでいないかもしれないことは分かっていました。」ホンダは、バッテリーの成熟に合わ

せて将来的に完全電動機を開発する可能性を否定していないものの、「当面はハイブリッド

システムが実用的だと考えています」と増尾氏は述べました。

ハイブリッド電動パワートレインは、FAA認証取得において新たな課題も伴います。なぜ

なら、そのような航空機はこれまで認証を取得していないからです。しかし、ホンダは

ホンダジェットで培った経験を活かし、eVTOL研究の初期段階から、冗長性、安全性、

そして認証取得に関する重要な課題に関する教訓を得ることができました。同社は、潜在的

な運航事業者との協議は継続しているものの、製品の商業化を急いでいるわけではないよ

うです。「まず、潜在的な顧客にどのような真のメリットを提供できるかを見極める必要が

あります。市場投入を決定する前に、それを見極める必要があります」とマシオ氏は結論付けました。

ホンダが描く空の未来:ハイブリッドeVTOLとホンダジェットの遺伝子

自動車産業の巨人であるホンダが、今、空の革命の最前線に立っています。その中心に

あるのが、電動垂直離着陸機、通称「eVTOL」です。

特に、ドバイエアショーでそのビジョンを世界に提示したホンダエアクラフトは、単なる

機体開発に留まらず、私たちの生活を一変させる「空の移動エコシステム」の構築を目指しています。

成功体験の応用:ホンダジェットの遺伝子

ホンダがこの新たな分野で注目される最大の理由は、その航空機開発の成功体験、すなわち「ホンダジェット(HondaJet)」にあります。

ホンダジェットは、主翼の上面にエンジンを配置する「Over-The-Wing Engine

Mount (OTWEM)」という革新的な設計で、燃費効率と居住性を飛躍的に向上させました。

この開発過程で培われた技術と知見こそが、eVTOLの競争優位性となります。

  1. 複合材技術と空力性能: 複合材を多用した軽量で強靭な機体構造、そして洗練された空力設計のノウハウは、エネルギー効率が命となるeVTOLにとって不可欠です。
  2. 安全性と信頼性: 航空機を開発・運用する上で最も重要な「安全性」と「認証」に関する知見は、新規参入企業には真似できないホンダの大きな強みです。
ホンダの選択:「ハイブリッド」が切り開く航続距離の壁

多くのeVTOLメーカーがバッテリー駆動の純電動方式を選んでいる中、ホンダは「ハイブリッド」という道を歩んでいます。これは極めて戦略的な選択です。

なぜハイブリッドなのか?

現在のバッテリー技術には、重量に対するエネルギー密度の課題があり、純電動では航続距離が短く、充電時間も長くなりがちです。

ホンダのハイブリッドeVTOLは、ガスタービン発電機を搭載することで、その場で電力を生成できます。これにより、以下の大きなメリットが生まれます。

  • 長距離・都市間移動の実現: 数十キロメートルの都市内移動に留まらず、数百キロメートルに及ぶ都市間移動も可能になります。
  • インフラ依存度の低減: 専用の超急速充電ステーションが未整備な地域でも運用可能となり、導入地域を一気に拡大できます。

ホンダは、ホンダジェットの小型ジェットエンジン開発で得たノウハウを、このガスター

ビン発電機に応用し、高い信頼性と効率性を両立させようとしているのです。

ドバイエアショーで示した「本気」のコミットメント

ドバイエアショーのような世界的なイベントでeVTOLのモックアップを公開することは、

単なるプロモーション以上の意味を持ちます。

これは、世界中の投資家、規制当局、潜在的な顧客に対して、ホンダが「空の移動革命」

に本格参入し、革新的な技術と長期的なビジョンを持っていることを強くアピールする場

です。特に、中東やアジアといった新興のエアモビリティ市場に対し、ホンダの機体が持つ

長距離性能の優位性を印象づける狙いがあります。

ホンダエアクラフトが目指す「移動の自由」の拡大

ホンダエアクラフトが目指しているのは、単に「空飛ぶクルマ」を売ることではありま

せん。彼らが目指すのは、「空と地上のシームレスな移動エコシステム」の構築です。

究極的には、ホンダの企業哲学である「移動の自由」を空へ広げることです。

  • 都市交通の変革: 渋滞を回避し、通勤や移動時間を劇的に短縮する「エアタクシー」。
  • 地方創生への貢献: 既存の空港やヘリポートに加え、新設の「バーティポート」を活用し、地方と都市を効率的に結びつけることで、地域経済の活性化に貢献する。
  • 物流革命: 緊急物資輸送や高効率な貨物輸送手段としての活用。

ホンダのハイブリッドeVTOLは、航続距離の優位性により、このエコシステムを早期に、

そして広範囲に実現するための「鍵」となります。ホンダジェットで空を身近にしたホンダ

が、次に目指すのは「誰もが使える空のインフラ」なのです。

ホンダジェットの高性能な遺伝子と、現実的な技術課題を解決するハイブリッド戦略。

ホンダの空への挑戦は、私たちの未来の移動手段を根本から変える可能性を秘めています。

この壮大な旅路から、今後も目が離せません!

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