ICON(アイコン)水陸両用LSA

飛行機

皆さんこんにちは!

水陸両用のLSA(Light Sports Aircraft)ICON A5の紹介です。

ICON(アイコン) A5

アイコンA5 性能

ICON A5 (画像:ICON)

アイコンA5は、LSAの水陸両用の航空機です。レジャー用の小型軽飛行機で、左右タンデ

ム型の2人乗りになります。

それでは、A5の性能を見ていきましょう。

大きさ:全長23フィート(7.01メートル)、翼幅34.8フィート(10.61メートル)

高さ8.1フィート(2.47メートル)、コックピットの大きさ46インチ(116.8センチ)

最大離陸重量:1510ポンド(686.4キロ)、最高速度95ノット(時速176キロ)

航続距離は8000フィートで427マイル(690キロ)

最高上昇高度:1500フィート(4572メートル)

横風制限:12ノット(22メートル)

燃料搭載量は20ガロン(75リットル)

VFRのみの飛行(雲の中は飛行できません)

水上の場合最高波高が12インチ(30センチ)

ロータックス921エンジン

ロータックス912エンジンは、従来の小型機に使用されているエンジンに比べて

高性能を誇っています。このエンジンは、電気制御の燃料噴射エンジンです。

他のエンジンと比較して約20%の燃料を削減できます。

また、車のエンジンと同じように、912  は回転数を上げれば上げるほど、より

多くのパワーを生み出します。ロータックス エンジンは、小さな排気量と短い

ストロークで高 RPM で動作するように設計されています。ICON A5 では、約

5000 RPM で巡航し、最大出力の約 5800 RPM で上昇することを推奨しています。

ロータックスの RPM(回転数) 設定は、従来のライカミング またはコンチネン

タル エンジンと比較して、推奨設定の約 2 倍です。

ロータックスエンジンは、プロペラの速度を落とすために減速ギアボックスを必要

としますが、912 の効率的な出力と小型パッケージを考えると、この追加の複雑性

は妥当なものと言えるでしょう。

912エンジンの運用上の利点の 1 つは、自動車ガソリン (91 オクタン) または従来

の航空用ガソリン (100LL) を利用できることです。一部のパイロットは、地上で

91 オクタン価の燃料を提供する空港はほとんどないため、最初はこの利点を理解し

ていないかもしれませんが、特に水上飛行機の運用環境では、このガソリンを使用で

きることは大きな差があります。航空燃料は数十年前よりもクリーンですが、100LL

の鉛含有量は 80 年代半ばの有鉛ガソリンとほぼ同じです。エンジン自動化、インジェ

クション技術、および無鉛自動車/航空燃料を使用するオプションにより、ロータック

ス 航空機エンジンはよりクリーンに燃焼し、912 エンジンはクラスで最も CO2 排出

量が少ないエンジンになります。さらに、マリーナで91オクタンの自動車用ガソリン

を給油できるということは、912エンジンを搭載した水上飛行機は、競合他社に比べて

汎用性が高まっていることを意味します。

安全性
オートパイロットシステム

オプションにはなりますが、高度維持ができるオートパイロットが装備されます。

オートパイロットは、他の航空機と同様に離着陸以外での使用が可能となります。

いざというときのパラシュート

パラシュートは翼の内側にあり、ロケットで展開します。パイロットは、オーバーヘッド

コンソールに明確にマークされたハンドルを引くだけで、パラシュート展開を開始します。

パラシュートは数秒で完全に展開し、飛行機を安全に地面に降ろすことができます。

失速、スピン防止

アイコンA5は、失速に入りにくい工夫が施されています。A5のクリーン(ギアとフラップ

を収納した状態)の失速速度は45ノット(時速84キロ)です。

失速対策として、翼前面に段差を作ることによって翼上面の気流の剥離を遅らせる工夫が

あります。これは境界層板(ボルテックスジェネレーター)の役割をします。

また翼外側に大きめのエルロン、小型機としては大きめのフラップを採用しています。

水上に着陸する際に地面効果を最大限利用できるように翼端の下方は平らな表面にして

あります。

人間工学を考慮したコクピット

操縦桿はコントロールスティック型です。この考えは、戦闘機の操縦から由来しています。

コントロールスティックは、パイロットの中心(股の間)位置ており、左右は連動してい

ます。そのため、訓練等は右席にインストラクターが乗り込んで操縦のアシストが容易に

できる形をとっています。ちなみにエアバスは、コントロールスティック(サイドスティ

ック型)が左右独立しているために新人の訓練は教官泣かせです。

迎え角計器(AOA)

A5には、迎え角計器(Angle Of Attack)が装備されています。これは、大型航空機や

戦闘機にも装備されていて、その時の重量、速度に対する適切な迎え角が表示されます。

私が乗っていたF4ファントムは、AOA計から発せられる音を聞いて機体の状態が適切か

判断していました。特に着陸時(低速度)、目安の出力に合わせておけば、速度計を見

なくても滑走路だけを見て着陸できるようになります。

AOAインジケータは、航空機の縦軸と相対風との間の角度によって測定されるように、

パイロットに翼の性能を直接示します。翼は対気速度や重量に関係なく同じ迎角で失速

するため、パイロットは AOAインジケーターを参照するだけで、飛行のどの段階でも

翼の性能を迅速に評価できます。この機能は、着陸および操縦中に特に役立ちます。

訓練体系

約4週間の訓練で、A5を操縦できることができます。

フロリダ州タンパまたはカリフォルニア州バカビルにある ICON フライト センターで

水陸両用 A5 の飛行方法を学びます。陸上での着陸訓練はもとより、水上着陸訓練を

約5時間程度行います。

また、LSA以上の経験(ライセンス持ち)がある人は、約一週間で14時間のフライト、

10時間の座学を受講することによってA5の訓練が終了します。

アイコン スポーツ パイロット コースには、コースを修了するための最低 30 時間のフラ

イト トレーニングが含まれています。学生は熟練するように訓練されているため、一部の

学生は追加のトレーニングが必要になる場合があることに注意してください。

このアイコンA5は、通常のLSAの型式認証ではなく、FAA(アメリカ宇宙航空局)の

型式認証を取得します。これはFAAのより厳密な安全性能を補償するというものです。

主な利点は、海外での飛行です。たとえば、ICON A5 をカリブ海の島々に飛ばしたり、

別の国にいるときに飛行機をヨットに乗せたまま A5 を飛ばしたりできます。LSA には

型式証明書がないため、通常、実験用航空機を飛ばす場合と同様に、別の国で飛行する

には特別な許可が必要です (特にバハマでは例外があり、米国の LSA を許可しています)。

80歳でA5を取得

80 歳の若さで、リック・スピナーさんはパイロットになるという夢を実現するだけでなく、

アイコンA5 を購入しました。

彼は パイロットの免許も持っていませんでした。癌の化学療法と放射線療法を終えたばか

りで、手術と追加の化学療法も受けようとしていましたが、A5と出会いその治療を止めま

した。

素晴らしいインストラクターと約 40 時間の飛行訓練を受け、見事合格したのです!

今では奥さんと愛犬とのフライトを楽しんでいます。

80歳を迎えて、これほど多くのことを学び、これほど楽しんでいるとは想像もしていません

でした。とリックさんは語っています。

LSAの定義(FAA)

FAA は、LSA を次の性能基準を満たすことができる航空機と定義しています。

  • 最大2名
  • 最大総重量 1320 ポンド (水上飛行機の場合は 1430 ポンド) *ICON は FAA から重量免除を受けており、総重量は最大 1680 ポンド(762キロ)です。
  • シングルエンジン(非タービン)
  • 120 ノット (138mph) の最大レベル飛行速度
  • 最大失速速度 45 ノット
  • 固定式着陸装置 (水上飛行機は引き込み可能)

そして適用されるライセンスは、スポーツパイロットライセンス(SPL)です。

取得条件は、FAAの試験を受けて合格しなければ行けませんが、プライベートライセンス

(日本の自家用操縦士ライセンス)取得よりは、訓練時間も短く費用も安く済みます。

次の 4 つの基準が適用されます。

  1. FAA Practical Test を受けるには、17 歳以上である必要があります (16 歳でトレーニングを開始できます)。
  2. 有効な州の運転免許証または第 3 種医療を持っている
  3. 英語に堪能である。
  4. 医療資格の証拠として、第 3 種の FAA 医療証明書または有効な米国の運転免許証のいずれかが必要です (FAA 医療証明書に対する個人の最新の申請が拒否、取り消し、一時停止、または撤回されていない場合)。

SPL の要件は次のとおりです。

  • 少なくとも 20 時間の飛行時間。認可されたインストラクターからの少なくとも 15 時間の飛行訓練を含み、そのうち少なくとも 2 時間はクロスカントリー飛行訓練です。
  • 10 回の離陸と 10 回の着陸を空港で (トラフィック パターンを使用して) 完全に停止します。
  • 実用飛行試験に備えた3時間の飛行訓練(実用飛行試験から60日以内に修了)。
  • 単発飛行機での 5 時間以上の単独飛行時間。これには、少なくとも 75 海里の単独クロスカントリー飛行が 1 回以上含まれ、最低 2 地点での着陸、および少なくとも 25 海里の 1 区間が必要です。
  • 有効な米国の運転免許証 (一時停止または取り消しを受けていないもの)、または承認された医療検査官によって発行された第 3 種の医療証明書。

まとめ

リックさんのように人間は何歳になっても、夢を叶えることができます。

リックさんにとって空を飛ぶ夢を叶えたのが、LSAだったのです。

それも水陸両用!私でさえ水の上には降りたことはありません。何と素晴らしいこと

でしょう!

しかし残念なことに、これまで5件の墜落事故が起こっています。1件は死亡事故でし

た。ただ、5件の事故全てがパイロットの過失と判断されています。そのためアイコン

は、低高度での訓練を積極的に行っています。やはり、きちんとした安全教育が事故を

無くすための方策です。プライベートであればなおのことです。

詳細な機体価格は問い合わせてみなければわかりませんが、最初にデポジットとして

20%を支払います。ローンもあり利率は5%、10年から15年の返済期間が設定されて

います。アメリカ国内であればオーダーを受けて30日以内には自宅に届くそうです。

固定費ですが、保険料、駐機料、1000時間点検費などを含めたもので2000ドル/月

約27万円(1ドル=135円)、年間330万円くらいです。

ただ残念なのは、日本ではLSAが正式に認められていません。条件も厳しくて、特に

整備の問題がかなりのネックです。

しかしながら、リックさんのように夢を叶えなければいけません。きっと叶えられる!

そう信じて本当の意味での日本でのLSA解禁を目指します!

それには、しっかりとした教育体制と日本LSAライセンスに向けた準備が不可欠です。

皆さんも応援してください。よろしくお願いします。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

 

 

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