ボーイングは倒産しかないのでしょうか?

飛行機

皆さんこんにちは!

最近の相次ぐ事故によって、アメリカ大手航空機サプライヤーのボーイングの株価は上がるこ

とはありません。追い打ちをかけるように関連会社が、賃金上昇を目的にストライキを行っています。

ボーイングの株主の皆さん、どちらを望みますか? 希薄化か破産か?

ウェルズ・ファーゴのアナリストは、ボーイング社が現在の財政難から抜け出すには、

1億9000万株の株式を発行する必要があるかもしれないと試算しました。

ボーイングの株価は最近155ドル台で取引されており、これは300億ドルにわずかに届かない

水準です。

先週、バロンズ(金融誌)は、ボーイングの夫妻は多すぎるため、100億ドルの株式公開で

十分かもしれないと書いています。

ウェルズ・ファーゴのアナリストとバロンズは、株式発行は希薄化により株主に損害を与え

ると不満を述べています。

ボーイング社のIAM 751労組が新たな労働協約の暫定合意を拒否し、深夜のストライキに投票

した9月12日、 LNAはウェルズ・ファーゴの株式投機と、ストライキが長期化すればボーイン

グ社が破産に追い込まれるかもしれないという憶測の高まりについて、徹底的な分析を行いました。

その前に、LNA は純負債額、それを返済するのにかかる期間、および支払われる年間利息を

分析しました。

ボーイングの財務状況は不安定だ。会社を運営するには100億ドルの現金が必要ですが、第2

四半期末の6月30日時点では120億ドルの現金がありました。ストライキ中、同社は1日あた

り推定1億ドルの損失を被っています。

ウォール街の人々は、株式公開による希薄化の可能性を懸念しています。そこで疑問が湧いて

きます。彼らは希薄化と、通常は株主を全滅させる破産のどちらを選ぶでしょうか?

それとも、ボーイングがバランスシートの運営上の修復に努める間、少なくとも10年間は​​停滞

することを望むのだろうか?

LNAは300億ドルの株式公開の構想を歓迎するでしょう。

ボーイングは思い切った行動を取らなければ完全に回復することはないかもしれません。

そして、このニーズに最も適しているのは大規模な株式公開しかにのです。

最大の組合IAMとのストライキ

IAM、ボーイングとの契約を拒否、深夜にストライキ

9月12日、ボーイング最大の労働組合は本日、4年間の契約を拒否し、今夜深夜から始まるス

トライキを承認しました。

契約を拒否してストライキを行うことに賛成する票は圧倒的で、契約拒否が94.6%、ストライ

キ賛成が96%でした。

財政難に陥っているボーイングにとって、ストライキは最も避けたい事態です。

2008年にIAM 751労組が最後にストライキを起こしたとき、ストライキは57日間続き、今日

まで続く労働争議の基礎を築きました。当時のCEOジム・マクナーニーは翌年、サウスカロラ

イナ州に2番目の787組立ラインを建設しました(エバレットの最初のラインは、COVIDパン

デミックの間閉鎖されていました)。2011年、マクナーニーは、751組合員が譲歩を伴う

契約修正を承認しなければ、737 MAXを他の場所で製造すると脅しました。

彼は2013年と2014年に777X開発で同じことを繰り返しました。後者は、737と767/KC-

46A、777の本拠地であるレントンとエバレットのボーイング工場の労働者を代表する巨大労

組の賃金と福利厚生を規定した2008年の労働契約の2回目の修正でした。 IAM 751 は、

ボーイングの他の拠点の労働者も表しています。

組合の指導者たちは、福利厚生の優遇措置を取り戻し、インフレに追いつけない賃金を大幅に

引き上げたいと考えていました。彼らは、次のボーイング機がピュージェット湾(シアトル大

都市圏)で組み立てられるという保証を求めていました。彼らは取締役会に席を持ち、ボーイ

ングの失敗した安全文化を変える役割を担うことを望んでいたのです。

経営陣は現状維持を望んでいました。ボーイング民間航空機部門の混乱が続き、同社は依然と

して赤字が続いています。751に含まれない防衛部門も利益を失っているのです。この2部門

のせいで、ボーイングは今年上半期だけで100億ドル近くの現金を浪費しました。利益を上げ

ているのはサービス部門だけですが、他の2部門の損失とマイナスのキャッシュフローを相殺

するには到底足りていません。

今月末の四半期はさらなる損失とマイナスのキャッシュフローが見込まれます。同社のブライ

アン・ウェスト最高財務責任者は明日、モルガン・スタンレーの投資会議でで講演します。

結果がどうであれ、労働組合投票に対する詳細な回答は彼が初めてとなります。

ボーイングは社内的に2~12週間のストライキに備えます。

長期にわたるストライキによりボーイングが破産に追い込まれる可能性を懸念する声もあります。

LNAこれに同意はしていませんが、それでもその見通しを分析しました。

ボーイング、IAMに「最善かつ最終的な提案」を提示、期限は9月27日深夜に設定

ボーイングは先日、同社最大の労働組合であるIAM 751に対して、最善かつ最終的な提案

(BAFO)を出しました。同社は、これを受け入れる期限を金曜日の深夜と設定しました。

今のところ、組合からのコメントはありません。組合は9月12日深夜、95%の賛成多数で契

約を拒否し、96%の賛成多数でストライキに入りました。

退職した組合員は LNAに対し、年末ボーナスの復活が主な内容であるため、組合員はこれを

受け入れるべきだと語りました。

ボーイングの回答

賃金アップ30%  →  25%

ボーナス6000ドル →  3000ドル

ボーイング401(k)の会社拠出金を給与の最初の8%の100%に増額し、さらに会社からの自動拠出金4%を継続     →  給与の8%の75%に、会社の自動拠出金4%を加えたもの

オルトバーグとボーイングの労働組合との蜜月は終わった

ボーイング社の新CEO、ケリー・オートバーグ氏の、同社最大の労働組合との労使関係を再構

築したいという願いは、9月23日、突然打ち砕かれました。

これは、4年3分の2の任期で次から次へと失敗を繰り返したデビッド・カルフーン氏の後任と

して8月8日に同氏が任命されてからわずか6週間後のことでした。

ボーイング最大の労組である3万3000人の組合員を抱えるIAM751は、9月12日に組合員の

95%がボーイングがこれまでで最高だと主張した契約提案を拒否し、同社に痛烈な打撃を与

えました。

組合員の96%が同時に深夜のストライキに投票しました。ボーイングが9月23日に最善かつ最

終的な提案(BAFO)を発表したとき、組合員らはピケライン(ストライキの現場において行

われる行為の1つ、入口に見張りを置き、使用者やストライキに参加していない他の労働者が

場内に立ち入るのを阻止するといったケース)を歩いていました。提案はいくつかの重要な分

野で魅力的なものもありました。

しかし、この提案がどのように実現し、提示されたかは組合員を激怒させました。組合員は、

賃金の停滞、福利厚生の削減、確定給付型年金制度の廃止に対する16年間の鬱積した怒りと憤

りを主な理由として、当初の提案を拒否しました。組合の譲歩は、737 MAXと777Xの最終

組み立てをシアトル大都市圏外に置くという脅しの下でなされたのです。

ボーイングはBAFOの準備と提示においてIAMの交渉チームを無視しました。連邦調停の下で

2日間の交渉が行われたが失敗に終わりました。IAMはボーイングが交渉のテーブルに戻る

ことを拒否したと苦情を述べました。(当初の契約が拒否されストライキが始まった翌日の9月

13日、同社のCFOブライアン・ウェストはボーイングが交渉再開を切望していると述べました。)

ボーイング社はBAFOの詳細をメディアに公開した後、751組合長ジョン・ホールデン氏に提

示しました。その後組合は、ボーイング社の提案と9月27日金曜日の深夜までに組合員投票を

行うという要求を拒否する厳しい声明を発表したのです。

組合の声明では、「はっきりさせておきたいのは、 これはボーイングからの交渉なしの提案だ

ということです 。貴社の交渉委員会はこの提案についていかなる議論も意見も述べていません。

組合はボーイングとの直接交渉に応じる用意がある、あるいは少なくとも会社の準備ができた

ら仲介による話し合いを続けるとずっと言ってきました。こうした直接交渉の戦術は大きな間

違いであり、交渉プロセスに損害を与え、組合の交渉委員会を迂回して回避しようとするもの

です」と述べました。

「同社が会員の優先事項に対応する提案を拒否したため、調停は2024年9月18日水曜日に決

裂しました。この提案は皆さんの懸念に対処するには不十分であり、ボーイングはこの提案で

的を外している。彼らはこの分裂的な戦略で会員の間に亀裂を生じさせ、私たちの結束を弱め

ようとしている。」(強調は原文のまま)

敬意を欠くことほど、当事者を激怒させるものはありません。シアトル・タイムズ紙は、オル

バーグ氏がBAFOの構築に「深く関与していた」と報じたのです。組合は、交渉の不足と

提案の提示方法についてオルトバーグ氏を非難することになるでしょう。

オルトバーグ氏は最初の提案で組合から批判を受けましたが、就任してまだ数週間しか経って

いなかったため、多少の余裕はありました。しかし、ボーイング社がBAFOを扱った方法は、

存在したかもしれない疑わしい点を全て台無しにしたのです。

労働との蜜月は終わりました。

ボーイングは負債が多すぎる。発行しなければならない株式の量はいくらになるか。

ボーイング株にとって最大のリスクは、ストライキでも、航空宇宙サプライチェーンでも、生

産システムでもないかもしれません。それは、株式希薄化の脅威かもしれないのです。

ボーイングは近々新株を売却して発行済み株式数を増やし、その過程で既存株主の株式を大幅

に希薄化することで資金を調達する可能性が高いのです。

長年にわたる設計、生産、品質の問題、そしてパンデミックにより、ボーイングのバランスシ

ートはボロボロになっています。同社は第2四半期末時点で約580億ドルの短期および長期債

務を抱えており、それを約126億ドルの現金が相殺しています。

純負債(基本的に総負債から現金を差し引いたもの)は約450億ドルで、2025年の利子・

税・減価償却前利益(EBITDA)の推定値の約6倍に相当します。(バロンズが2025年の

EBITDAの推定値を使用したのは、ボーイングが過去12か月間に生み出したEBITDAがほぼ

ゼロであるためです。)

負債対EBITDA倍率は、バランスシートの強さを測る一般的な指標である。ボーイングを除く

S&P500指数の工業企業の過去12か月間の負債対EBITDA倍率の平均は約1.5倍です。

ボーイングの最大のライバルであるエアバスは、現金残高を除けば負債はほとんどありません。

ボーイングの負債は高すぎるのです。同社の信用格付け、借入コスト、そしてエアバスとの競

争力を高めるための新型機の設計能力に影響を及ぼしています。

ウェルズ・ファーゴのアナリスト、マシュー・エイカーズ氏は最近、ボーイングは今後数年間

で300億ドルもの資本を調達する必要があるかもしれないと書いているのです。現在の時価総

額が1000億ドルを下回っていることを考えると、これは大きな数字です。しかしエイカーズ

氏の予測は高めです。他のアナリストは、約100億ドルの新規資本を計上しています。

ボーイングは、バロンズ誌に対し、同社のバランスシートに関するブライアン・ウェスト最高

財務責任者(CFO)の最近のコメントを紹介しました。「われわれには2つの目標がある。

まず第一に、投資適格格付けを優先し、第二に工場とサプライチェーンを安定させる」とウェ

スト氏は9月13日のモルガン・スタンレー投資会議で述べました。「われわれは、今後18カ月

間の債務返済を確実に履行しながら、投資適格格付けへの信頼を維持できるよう、資本構成と

流動性レベルを常に評価している」

ボーイングの無担保債務はS&PグローバルによってBBB-と格付けされている。これは格付け

機関による投資適格格付けの最低ランクです。

ボーイングが正常に戻るには多大な努力が必要でしょう。S&P 500 には投資適格格付けの非

金融企業が約 270 社あります。これらの企業の純負債対 EBITDA 比率は平均で約 1.2 倍です。

ほぼすべての企業が過去 12 か月間にプラスの EBITDA を生み出し、約 240 社がプラスのフ

リー キャッシュ フローを生み出しています。

ボーイングの生産が回復すると仮定すると、エイカーズの300億ドルの自己資本は負債対

EBITDA比でプラスに働きます。300億ドルの現金増加により、ボーイングは2025年末に約

150億ドルの負債を抱えることになりますが、2026年のEBITDAは110億ドルと推定されます。

EBITDAの改善とともに、フリーキャッシュフローも回復すると見込まれています。ウォール

街は、2024年後半にフリーキャッシュフローが損益分岐点に達すると予測していますが、

ストライキによりこの予測は圧迫されるでしょう。また、2025年には約45億ドル、2026年

には80億ドルのフリーキャッシュフローになると予想しています。

フリー キャッシュ フローは、事業への投資後に残った現金です。投資支出が増加すると、財

務的に安定した企業でもフリー キャッシュ フローがマイナスになることがあります。

しかし、現在のボーイングはそうではありません。生産量が少ないため、フリーキャッシュフ

ローはマイナス。ボーイングは2024年に約475機の航空機を納入すると予想されています

が、これはパンデミック前のピークだった2018年の800機以上から減少しているのです。

ウォール街は、納入数が2018年の水準に達するのは2027年までと予想しています。

ボーイング社は今後数年間、投資支出の増加にも直面しています。最終的には、エアバス社の

製品ラインナップに対抗するために新しい航空機が必要になります。その支出は数年にわたっ

て分散されますが、かなりの額になります。バンク・オブ・アメリカのアナリスト、ロン・

エプスタイン氏は、新しい航空機プログラムには約300億ドルかかると見積もっています。

状況は厳しいようで、ボーイングにとって最近はあまりうまくいっていない。もちろん、資本

増強は株価に反映されています。火曜日の取引開始時点で、ボーイング株は2019年3月に記録

した440ドルを超える史上最高値から約65%下落していました。(エアバス株は2019年3月時

点の水準を上回っている。)ボーイング株は火曜日の市場前取引で0.3%上昇し、156.01ドル

となりました。

株価にどれだけ反映されるかは分かりません。ボーイングが株式売却を発表した場合、投資家

は否定的な反応を予想できます。ボーイングが状況を整理し、バランスシートに対処すれば、

投資家は株価を改めて見直すかもしれません。

今週火曜日の取引では、株価は0.5%上昇して156.39ドルとなった。S&P500とダウ工業株

30種平均はともに0.1%未満の変動でした。

株価はストライキ開始以来約4%下落し、今年は約40%下落しています。

 

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