皆さんこんにちは!
今回も引き続き、パリエアーショーの話題をお伝えします。
第3回目は、eVTOLと電動航空機についてです。
PLANAとBluenestがパリ航空ショー2023で提携
韓国のハイブリッドAAM航空機開発会社PLANAとベルティポートインフラのパイオニア
であるGlobalvia Bluenestは、AAMとベルティポートのサービスとインフラの開発と
商業化を加速することを目的とした戦略的パートナーシップを2023年パリ航空ショーで
発表しました。
PLANA は、最大 500 km の距離および洋上で運用できるハイブリッドベースの AAM
eVTOL 航空機である CP-01 を開発しています。CP-01 は、旅客輸送、貨物配送、緊急
対応、観光などの用途に、高速、安全、持続可能なモビリティ ソリューションを提供する
ように設計されています。
Bluenest は、3 大陸 11 か国で事業を展開する多国籍輸送インフラおよびサービス会社
である Globalvia の子会社です。Bluenest は、都市、場所、人々を結び付けるために、
エアタクシーやドローン用の電動垂直離着陸 (eVTOL) 施設であるバーティポートを構築
しています。Vertiports は、都市部の渋滞、汚染、移動時間を削減すると期待されています。
両社は情報共有、ハイブリッドeVTOLベルティポート設計、ビジネスモデル開発などで協力
します。この提携により、両社の商業価値と顧客満足度が向上します。
Bluenestのホセ・ロドリゲス最高経営責任者(CEO)は、「PLANAとの提携は、短距離か
ら中距離、長距離および沖合便まで当社のベルティポートの有用性を拡大する上で重要な
マイルストーンとなる」と述べました。
PLANA CEO の バーデン キム氏は次のように述べています。「この提携により、当社の
テクノロジー能力を検証し、ビジネス モデルとエコシステムを拡大できるため、重要です。
私たちは、AAM市場を拡大するために私たちの技術とノウハウを相乗させることを楽しみ
にしています。」
Bluenest は、新しい空路と地上のモビリティを接続するバーティポートと物流ロッカーの
両方を設計および運用し、この新しいエコシステムのすべての参加者に安全で効率的な運用
を保証します。
韓国のPLANA、CP-01 eVTOL航空機(画像:PLANA)
仕様
積載量 | 最大6名(600kgまたは1500ポンド) |
航続距離 | 500km(310mi、リザーブマイルを除く) |
巡航速度 | 300km/h(185mph) |
全長・翼幅 | 15m(50ft) |
推進 | 電気式 |
ノイズ | 65dBA(150m、500 ft) |
電源 | ハイブリッド(ESS+ジェネレーター+SAF) |
フライトルール | IFR機能(5G+ネットワークでVFRも可能) |
Ascendance Flight Technologies がサプライヤーを追加、受注を発表
アセンダンス・フライト・テクノロジーズ(画像: Ascendance Flight Technologies)
フランスの先進エアモビリティ(AAM)新興企業アセンダンス・フライト・テクノロジーズ
は、ハイブリッド電気垂直離着陸(eVTOL)航空機の新たなサプライヤー3社と、最大260機
のeVTOLの一連の条件付き発注をパリエアーショーで発表しました。
新たなサプライヤーにはソルベイとエアボーンの共同取り組みが含まれており、両社は協力
してアテアの複合航空構造のプロトタイプを開発し、必要な材料を準備することになります。
ソルベイは、Vertical Aerospace 社の VX4 の複合構造を開発しており、樹脂とポリマーを
ベースとした複合材料に関する重要な専門知識をもたらしています。モントリオールを拠点
とするリモザの eVTOL 用の機体を開発している Airborne は、複合構造、工具、工業化ソリ
ューションの設計と製造を専門としています。
アセンダンスはまた、試作機のバッテリーに関して新興企業エボリトとの契約を発表しました。
同社はまた、名前は明らかにしなかったものの、「大手航空会社グループ」との戦略的提携に
合意したとも発表しました。
3つの新たなサプライヤーパートナーシップは、2024年に飛行が予定されているアセンダンス
の本格的なプロトタイプの生産段階の立ち上げをサポートすることになります。
サプライヤーの発表に加えて、アセンダンスはまた、持続可能な航空リース会社グリーン・エ
アロリースと非公開の運航会社から最大260機の航空機に対する新たな条件付き注文を発表し
同社の合計受注残は505機に増加した。
Atea は 2027 年から運航を開始する予定です。この航空機は、パイロット 1 名と乗客 3 名
を時速 200 km の巡航速度で最大 450 km (280 マイル) まで運ぶように設計されています。
EcoPulse ハイブリッド電気航空機がパリ航空ショーでデビュー
EcoPulse ハイブリッド電気実証機 (翼の前縁に 6 個の電気モーターを備えた Daher TBM)
ダーハー、サフラン、エアバスが共同開発したハイブリッド電気技術実証機 EcoPulse が、
今週パリ航空ショーで一般公開されました。従来の熱機関を使用して2022年に最初の飛
行試験を完了したEcoPulseチームは現在、ハイブリッド電気推進システムの統合に取り
組んでおり、この夏に改造された航空機を初めて飛行させる予定です。
EcoPulse プロジェクトは、ハイブリッド電気パワートレインに改造された Daher TBM
900 単発ターボプロップを使用して、効率の向上、二酸化炭素排出量と騒音公害の削減な
ど、ハイブリッド電気分散型推進システムの利点を評価することを目的としています。
エアバスは空気力学とバッテリー システムの最適化を担当し、サフランは翼全体に分散さ
れた 6 つの統合電気スラスターで構成されるハイブリッド推進システムを開発します。
Daherによると、EcoPulse チームは最近、新しい推進システムの初期地上試験を完了し、
その空気力学とシステム構成を検証しました。3月、ハイブリッド電気エコパルスは6つの
モーターのうち2つを取り付けて10時間の飛行を記録し、その後4月には4つのモーター構
成で飛行しました。
ダーハー社の最高技術責任者であるパスカル・ラゲール氏は、「実証機はこれまでのところ
電気プロペラを羽化させた状態で約27時間の飛行時間を蓄積している」と述べました。
「このデモンストレーション プログラムから、将来の製品ロードマップを作成し、5 か年
計画の終わりまでに製造する予定のハイブリッド航空機の基本的な仕様を決定する予定です。
2027年末までには当社初のハイブリッド航空機を市場に提供できると予想しています。」
まとめ
やはり、今回のエアショーで注目を集めているのは、eVTOLや電動航空機です。
その中でも、全電動型ではなく、ハイブリッドと呼ばれる長距離を飛行できるものです。
なぜなら、大方ドイツのボロコプターや中国のイーハングのように全電動のeVTOLは
一定の開発の目途が立ってきました。しかし、距離が短いため実用的ではありません。
そこで今注目されているのが、ハイブリッド型です。航空機の世界は、機体の重量が
その性能を決めます。軽ければ軽いほど速度や距離が出ます。そのためバッテリーの
重量や性能がその飛行機の性能そのものなのです。今後画期的なバッテリーが登場し
ない限りは、ハイブリッドという選択肢が有効になってくるでしょう。そしてそれは
自動車の世界でも同じ事が言えます。ハイブリッドや水素エンジンを得意とする日本
自動車メーカーにとっても、です。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
コメント