電機航空機をリードするスイス

飛行機

皆さんこんにちは!

前回、スイスを代表する小型ビジネス機メーカーピラタス・エアクラフトを紹介しました。

今回は、電動航空機やハイブリッド型エンジンを搭載した航空機の開発を行っているスイスのベンチャー企業を見てみます。

スマートフライヤー:ハイブリッド電気SF-1がパイロット訓練を変革する

ベールを脱いだスマートフライヤーSF-1

スイスのスタートアップ企業スマートフライヤーは、パイロット訓練用のSF-1モデルを皮切

りに、ハイブリッド電気航空機ファミリーの開発に取り組んでいます。元軍用・民間パイロ

ットのロルフ・ステューバー氏は、このアプローチの利点について説明しました。

Smartflyer: Hybrid-Electric SF-1 Will Transform Pilot Training – AIN
Swiss start-up Smartflyer is working on what it says could be a family of hybrid-electric aircraft, starting with the SF...

SF-1 は、独特の後部プロペラとモジュラーノーズを備えた4人乗りです。この機体は、その

外観だけでなく、その性能と効率性にも驚かされます。 この4人乗り機は、静粛な飛行体験

を好み、同時に環境への配慮を重視するすべての人々のために設計されています。単なる移

動手段ではなく、未来志向の思考と行動を明確に示す機体です。空のエネルギー革命。プラ

イベート航空の革命。グライダーのように静かに飛行し、巧みなハイブリッド技術によって

長距離を楽々と飛行する能力を備えたSF1は、可能性の限界を再定義しています。

電気モーターと内燃エンジンを巧みに組み合わせたハイブリッド技術を採用しています。この

直列ハイブリッドパワートレインでは、内燃エンジンとプロペラの間に直接的な機械的な接続

はありません。レンジエクステンダーは、内燃エンジンで発電機を駆動し、飛行中にバッテリ

ーを充電します。機首に搭載されたレンジエクステンダーモジュールは、他のエネルギー源に

簡単に交換できます。バッテリー駆動からレンジエクステンダーへの切り替えは、特別な知識がなくてもわずか15分で可能です。

ピュアエレクトリック(バッテリーのみ):約2時間半の飛行が可能です。

ハイブリッド(レンジエクステンダー):約800kmの飛行距離

燃料電池:約5時間飛行可能

スマートフライヤーSF1は経済性においても優れています。最大30%の効率向上を実現する

フリーフロープロペラを搭載した高効率な半電動駆動システムにより、SF1は燃料消費量を

最小限に抑え、ひいては経費も削減します。さらに、電動モーターのメンテナンス頻度が低

いため、従来の自家用機と比較して運用コストを最大50%削減できます。これはお客様にと

って何を意味するのでしょうか?それは、大幅なコスト削減と環境への付加価値の両立です。長期的に見て、投資回収が見込める投資です。

目の肥えた飛行愛好家は、SF1の細部にまでこだわったスイスの精密さを高く評価するでしょ

う。私たちにとって、スイスモデルは単なるラベルではなく、信頼性と卓越性の象徴です。

真の革新は、SF1の交換可能なノーズです。これにより、無限の柔軟性が保証されます。

つまり、SF1はわずか15分で電気飛行機からハイブリッド内燃エンジン飛行機へと変身しま

す。完璧な都市移動機。未来志向の人のための、効率的で低排出ガスの航空機なのです。

スイスで欧州初の電動飛行機ショー

2017年9月にスイスでヨーロッパ初の電動飛行機の航空ショーが行われました。

独シーメンスが開発した2人乗りの電動飛行機

独シーメンスが開発した2人乗りの電動飛行機Magnus eFusion。

スイス北部のソロトゥルン州グレンヒェン近郊で2017年9月、電動飛行機やハイブリッド

飛行機が一堂に会する欧州初の飛行ショー「スマートフライヤー・チャレンジ」が開かれ、最新のテクノロジーを駆使した機体がスイスの空を舞いました。

「未来は電気の力で」というモットーのもと、世界中からさまざまな飛行機とパイロットたち

が集結しました。格納庫に置かれた小さな機体のいくつかは、超軽量飛行機やグライダーに

良く似ています。その他の機体も、何の変哲もない外観なのに、集まった人たちの大きな注目を集めました。

スマートフライヤー・チャレンジを主催するダニエル・ヴェンガーさんは「電動飛行機なら、

新しく軽い動力源を追求できる」と語りました。ヴェンガーさんはスイス航空のパイロット、フライトインストラクターでもあります。

「空気抵抗が少ない新たな形状を模索できるほか、性能の向上、環境保護、騒音の軽減にもつながる」こともメリットだということです。

電動飛行機用モーターの開発に参入しているのは、小規模な企業が多ク参加しています。

ピピストル社(スロベニア)の訓練機など、すでに自社の機体を販売する企業もあります。一方、エアバスやシーメンスといった大手企業はこの分野では新顔です。

飛行ショーでお披露目された電動飛行機はいずれも最大2人乗り。この技術を大型の機体に

転用できるようになるまでにはまだ相当時間がかかりそうでえすがが、ヴェンガーさんは、ハイブリッド式が検討されていると話します。

現在のバッテリーの持ちでは、大型の機体を飛ばすことはできません。しかしヴェンガーさん

によれば、エアバス社は2030年までに、短距離路線の最大100人乗りの機体にハイブリッド式動力源を搭載したい考えです。

スマートフライヤー・チャレンジの主催団体は、パイロットや電動飛行機に関する免許制度の

整備が今後必要になると指摘します。スイス航空局と欧州航空安全局は近い将来、こうした課題の対応を迫られそうです。

 

 

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