宙への夢は続く

宇宙

皆さんこんにちは!

先日、和歌山から打ち上げられたスペースワンの『カイロス』、アメリカのスペースX

の『スターシップ』も昨日、打ち上げに失敗しました。

今後はどうなるのでしょうか?

カイロスロケット初号機打上げ失敗

3月13日(水)11時1分、ロケット射場であるスペースポート紀伊からカイロスロケット

初号機の打上げが実施されました。機体は発射され、上昇しましたが、約5秒後に飛

行中断措置が行われました。

スペースワン株式会社では、原因究明のための対策本部を立ち上げ、調査を開始し

ています。

ロケットには、制御不能になった場合などに備え、機体を破壊して飛行を中断させる

装置が搭載されていました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の場合は、ロケット

の飛行経路を地上の設備がレーダーで追跡し、異常があれば破壊信号を送る「指令破壊」

が行われます。ただ、民間事業者ではこうしたインフラをそろえにくいため、ロケット

自身が異常を判断して飛行を中止するケースもあるといい、カイロスの場合もこの方式

でした。

ロケットは「Kii-based Advanced & Instant ROcket System」の頭文字からKAIROS

(カイロス)と命名されましたギリシャ神話に登場する「時間」および「機会」の神。

同社は「世界で最も契約から最短で、頻繁にロケットを打ち上げる」宇宙輸送サービス

を目指していて、「時間を味方に市場を制する」との意思を示したということです。

また、カイロスにはギリシャ語で「チャンス」の意味があり、好機をとらえて事業を

成功に導くという思いも込めたものでした。

キヤノン電子が駆動系や電子制御に関わる部品の一部を供給し、群馬県富岡市にある

IHIエアロスペースの富岡事業所で製造されました。

カイロスは、情報収集の実証研究を行う政府の小型衛星を搭載していて、軌道への

投入が成功すれば民間単独としては国内で初めてとなると注目されていました。

クレジット:NHK

「カイロス」は、全長およそ18メートル、重さおよそ23トンの固体燃料式の小型ロケ

ットです。

同じ固体燃料式の次期主力ロケット「イプシロンS」よりひとまわり小さく、運べる荷

物の重さも4分の1程度ですが、その分コストを下げられる上、短期間で打ち上げるこ

とができるとしています。

燃焼を終えると順次切り離す4段式の機体には、これまで日本で運用されてきた固体燃

料ロケットの技術が使われています。

投入されるのは「短期打上型小型衛星」と呼ばれる内閣衛星情報センターの重さ100キ

ロほどの小型衛星です。

北朝鮮のミサイル発射施設の動向や災害時の被害の把握などを行う日本の情報収集衛星

に不具合が起きたとき、代わりの衛星として役割を果たせるか確認する目的です。

日本政府はこの衛星が軌道に投入されたあと実際に地上を撮影し、解像度などを確認す

る予定でした。

内閣衛星情報センターによりますと、衛星の開発費はおよそ11億円で、打ち上げ費用

としておよそ10億円を企業に支払う予定だということです。

スペースワン株式会社は、東京港区に本社を置く、人工衛星搭載ロケットの打ち上げを

行う日本初の民間宇宙関連企業です。2017年7月にキヤノン電子株式会社、清水建設

株式会社、株式会社IHIエアロスペース、株式会社日本政策投資銀行の共同出資により

「新世代小型ロケット開発企画株式会社」として設立され、翌年の2018年に今の

スペースワンに改名しました。

設立から6年で初の打ち上げにこぎ着けました。目指すのは、ロケットで顧客の荷物を

宇宙に運ぶ「宇宙宅配便」というサービスです。鍵となるのが、この企業が和歌山県

串本町に整備したロケット発射場「スペースポート紀伊」と、独自に開発した「カイ

ロス」です。

専用の発射場を持つことで依頼を受けてから打ち上げを行うまでの準備に柔軟に対応

できることや、液体燃料のロケットに比べて短い準備期間で打ち上げられる固体燃料

ロケットの特徴を生かして、低いコストで宇宙へ運ぶ「宅配便」のような輸送サービ

スを提供するとしています。

スターシップ、3回目の飛行試験中に意図した軌道に到達、その後・・・

スペースX

クレジット: SpaceX

スペースXは3月14日にスターシップ・スーパーヘビー宇宙輸送システムの3回目の統合
飛行試験を完了し、ブースターを海上でのソフトな着水に近づけるとともに、一連の
工学実証で初めて上段が意図した軌道に到達しました。
高さ396フィートのロケットは、FAAから統合飛行試験3(IFT-3)の許可を受けてから
1日も経たないうちに、東部夏時間午前9時25分にテキサス州スペースXのボカチカビー
チ宇宙港から打ち上げられました。
スーパーヘビーのメタン燃料ラプターエンジン33基すべてが点火し、11月18日のIFT-2
で初めて実証されたテスト目標を繰り返しました。その時間は約2分半。打ち上げ後、
スーパーヘビーエンジンは3基を除くすべてが停止し、一方スターシップの上段は6基
のラプターに点火して高温ステージ分離を繰り返すことに成功しましたが、これもIFT-2
で初めて達成されました。
スターシップが意図した軌道に向かう一方で、スーパーヘビーは反転してブーストバッ
ク操縦を行い、メキシコ湾での緩やかな着水の準備を整えました。IFT-2では、液体酸
素供給源のフィルターの詰まりによりエンジンが酸化剤ターボポンプの圧力を失い、
ブースターがブーストバック燃焼中に破壊され、一連のエンジン停止が引き起こされ
ました。

IFT-3ブースターは予定していた帰還飛行をほぼ完了しましたが、着水直前に着地燃焼

を行うことができず、激しい衝突を引き起こしました。

スターシップはまた、予定された準軌道に到達する前に失敗したIFT-2時よりもはるか
に長く飛行しました。スペースXはペイロード質量をシミュレートするために追加の
液体酸素を車両に搭載しており、漏れが発生して爆発や火災が発生したときに推進剤
を放出していました。高度約93マイルで打ち上げられた後、その車両は約7分で壊れ
ました。「皮肉なことに、ペイロードがあれば軌道に到達していただろう」とスペー
スXのCEO兼最高技術責任者(CTO)イーロン・マスク氏は1月12日に従業員に語り
ました。「3便で軌道に到達する非常に良い見通しが立ったと思う」。
スペースXは、IFT-2と同様に軌道に乗ることが予想されていなかったIFT-3のより急
な軌道を目標としました。予定時間は65分。飛行はIFT-2が目標とする太平洋への帰還
ではなく、インド洋への着水で終了する予定だったのです。
IFT-3 の間、スターシップは全期間にわたる上昇燃焼を完了し、93 ~ 146 マイル惰
行しながら一連のエンジニアリング デモンストレーションを地球上空で実行すること
ができました。テストには、車両の上部近くにあるディスペンサーのようなペイロー
ドドアを開けることが含まれていました。スペースXは、スターシップからドアを通
して次世代スターリンク衛星を展開することを計画しています。
スペースXはまた、スターシップのメインタンクからヘッダータンクに推進剤を移送
するテストを実施したと発表。これはNASAが計画しているアルテミス月面着陸ミッシ
ョンに必要な技術です。スペースXは、宇宙飛行士を月周回軌道や月面との間で移動さ
せる前に、軌道上で燃料を補給する必要があるスターシップの亜型を開発しています。
IFT-3 推進剤移送デモンストレーションは、別の 5,300 万ドルの契約に基づいて
NASA によって委託されました。
スペースX が達成できなかった目標の 1 つは、宇宙での スターシップラプター エンジ
ンの再点火でした。同社はそのデモが試みられなかった理由についてはすぐには明らか
にしませんでした。スターシップの飛行試験は、打ち上げから約1時間後に通信が途絶え
予想より早く終了しました。スペースXは、機体がいつどのように紛失したかについて
の詳細をすぐには明らかにしませんでした。
スターシップの消滅に先立ち、スペースXはスターリンク衛星サービスを利用して、
IFT-3ミッションのもう一つの重要な目標である宇宙船再突入の様子を中継しました。
「これはスターシップがこれまでに飛行した中で最も速く、最も遠くまで飛行したも
のであるため、このデータを収集し、スターシップが再突入する際に18,000の六角形
の遮熱タイルがどのように連携して地球の大気から腹部を保護しているかを理解する
のはこれが初めてです」と、スペースXの品質システムエンジニアリング担当シニア
マネージャーでミッションコメンテーターのケイト・タイス氏は語りました。
マスク氏は、スペースX社は今年、さらに5回のスターシップ・スーパーヘビー飛行を
目指していると語りました。

ブルー・オリジン元社長がヘリウム3月採掘ミッションを率いる

月面採掘のコンセプトアート

インターリューン社は、ヘリウム3は月での採掘を正当化するのに十分なほど高価であると述べている。クレジット: Interlune

ハリソン・シュミットは、1972 年の NASA 最後の有人月探査アポロ 17 号の唯一

の存命メンバーです。地質学者であるシュミットは、過去 50 年間、彼と仲間のア

ポロ宇宙飛行士が月のレゴリスで発見したもの、つまりヘリウム3について語り続け

ています。

現在88歳のシュミット氏は、ブルー・オリジンの元社長ロブ・マイヤーソン氏、

元主任建築家のゲイリー・ライ氏と協力して、月面から同位体を採取して地球に持

ち帰る会社を共同設立しました。彼らのスタートアップである インターリューン は

希ガスの小さなボトルを収集し、量子コンピューターや核融合炉の開発者など、希

ガスを珍重する新興技術産業に販売することを目指しています。

同位体には超伝導体の冷却剤用途の可能性があり、インターリューン は量子コンピ

ューターと核融合の開発者に素子を販売することを目指しているのです。

同社の最高経営責任者(CEO)であるマイヤーソン氏は、「ヘリウム3は、月に行

って地球に持ち帰るのに十分なほど高価な宇宙で唯一の元素だ」と語ります。

この元素は地球上で生成するのが難しく、通常は原子炉内でのトリチウムの放射性

崩壊によって生じます。月では、太陽から太陽風に乗って運ばれたガスが表面全体に

散らばっています。

ヘリウム3は何十億年も月面に蓄積されてきたが、地球上で流行し始めたのはつい最

近のことであり、量子スーパーコンピュータの開発者らは絶対零度近くまで冷却して

超伝導体の冷却剤として機能するヘリウム3の能力を高く評価している、とマイヤーソ

ン氏は述べています。インターリューンのもう 1 つの潜在的な顧客である医療画像分

野は、MRI 装置の超電導磁石を冷却するために同位体に近いヘリウム 4 を使用してい

ます。

マイヤーソン氏は、この元素が地球上でいくらで売れるか見積もることは避けました

が、「月に行って、プラスの粗利益率で持ち帰ってビジネスを構築できるくらいの

価格だ」と語っています。ヘリウム3の採取に成功することで得られた利益と教訓は、

さらなる宇宙インフラ事業に再投資されることになります。

「長期的には、10年から20年の時間枠で、人々が宇宙で水、ロケット推進剤、建設

資材を購入する宇宙経済が生まれると私は信じています」と彼は付け加えました。

シアトルに拠点を置き、2020年に設立されたインターリューンは、3月13日に秘密

裏に姿を現し、その計画を明らかにしたのです。同社はまた、Aurelia Foundry、

Gaingels、Liquid 2 Ventures、Seven Seven Sixなどの投資家からシードキャピ

タルを1,800万ドル調達したことも発表しました。そしてシャスタ・ベンチャーズ。

インターリューン の共同創設者には、シュミット氏、マイヤーソン氏、ライ氏に加え

て、元 Rocket Lab 幹部のインドラ・ホーンズビー 氏と元 Maxar Technologies プロ

ダクト マネージャーのジェームズ・アンティファエフ氏が含まれています。

同社は、NASA の アルテミスおよび商用月ペイロード サービス (CLPS) 開発プログ

ラムの一環として開発された宇宙船に、ヘリウム 3 採取装置を搭載して月に往復でき

るようにすることを目指しています。地球の大気圏を通過する再突入は、おそらく民

間企業が開発しているいくつかの再突入機のいずれかに依存することになるでしょう。

「私たちが開発した中心的な知的財産は、必要な電力を約 10 分の 1 に抑えながら、

ヘリウム 3 を含むガス混合物を月のレゴリスから分離する手段です」とマイヤーソン

氏は説明します。同社はこの技術設計に関する特許を出願中で、実験室と放物線航空

機に搭載された模擬月重力環境の両方でテストを行いました。

マイヤーソン氏は、インターリューンの消費電力がどのように 10 分の 1 に削減され

るのかについては説明を拒否しましたが、この技術は太陽光集光器や熱ベースのアプ

ローチではなく、「本質的には機械的」であると述べました。必要な電力が少なくな

るため、装置はより小さく、より軽くなり、月への往復の輸送も安価になる、と彼は

付け加えました。

インターリューン のハーベスター設計には、掘削機、ガス抽出装置、分離装置が搭載

されています。この機械は、月の日(地球の約 14 日)の太陽光の下で収穫し、その

後月の夜(地球の約 14 日)を通して眠ります。このロボット システムは部分的に自

律型で地上制御され、商用稼働期間は 5 年間となります。

10月に同社は、月の汚れを粒径ごとに選別する機械装置を開発する中小企業イノベー

ション研究フェーズ1契約を米国科学財団から受けました。インターリューンの装置は

回転パドルを使用して遠心運動を提供し、スクリーンを通して粒子をふるい分けるよ

うに設計されています。

同社は、2026年にCLPS級月着陸船に搭載された探査ミッションを実施し、2028年に

収穫機のパイロットミッションを実施する予定です。最初の商業運用は2030年に開

始される予定。商業運用の場合、収穫機にはより大型の月着陸船が必要となります。

マイヤーソン氏によると、この機器はスペースX有人着陸システムによる1回の輸送

ミッションか、ブルー・オリジン社のブルームーン着陸船による2、3回の輸送ミッ

ションを経て月に到達する可能性があるということです。

処理は月で行われるため、地球に持ち戻されるヘリウム 3 はほとんどありません。

「それは一桁のキログラム数です」とマイヤーソン氏は説明します。

月にはヘリウム 3 がまだらにありますが、特定の地域にはより多くの堆積物がある

と考えられています。インターリューンの執行会長であるシュミット氏は、アポロ

宇宙飛行士仲間に野外地質学の訓練を行い、月のレゴリスのサンプルや、NASA の

2009 年の月偵察オービターのミッションから収集されたリモートセンシング デー

タを研究してきました。

「月の資源、特にヘリウム3についてこれほど詳しい人は、いたとしてもほとんど

いません」とマイヤーソン氏は言います。「私たちは、探査ミッションに最も有望

な月上の場所を特定しました。」

インターリューンの探査ミッションの正確な位置は厳重に守られている企業秘密で

す、と彼は付け加えました。「その敷地は非常に広大で、何年も、何十年も収穫を

続けることになるでしょう。」

まとめ

今回の2つのロケット打ち上げ失敗。日本のH3ロケットも多くの失敗を経験しま

した。打ち上げ失敗の損失は大きいのですが、失敗から得ることができる重要な

データーがあります。それは、未来に繋がる唯一の『希望』です。

『諦めた時が、失敗した時。諦めなければ失敗ではない!』この言葉の通り

諦めなければ『未来の成功』は、すぐそこに有るのです。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

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