皆さんこんにちは!
先日、和歌山から打ち上げられたスペースワンの『カイロス』、アメリカのスペースX
の『スターシップ』も昨日、打ち上げに失敗しました。
今後はどうなるのでしょうか?
カイロスロケット初号機打上げ失敗
ロケットには、制御不能になった場合などに備え、機体を破壊して飛行を中断させる
装置が搭載されていました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の場合は、ロケット
の飛行経路を地上の設備がレーダーで追跡し、異常があれば破壊信号を送る「指令破壊」
が行われます。ただ、民間事業者ではこうしたインフラをそろえにくいため、ロケット
自身が異常を判断して飛行を中止するケースもあるといい、カイロスの場合もこの方式
でした。
ロケットは「Kii-based Advanced & Instant ROcket System」の頭文字からKAIROS
(カイロス)と命名されました。ギリシャ神話に登場する「時間」および「機会」の神。
同社は「世界で最も契約から最短で、頻繁にロケットを打ち上げる」宇宙輸送サービス
を目指していて、「時間を味方に市場を制する」との意思を示したということです。
また、カイロスにはギリシャ語で「チャンス」の意味があり、好機をとらえて事業を
成功に導くという思いも込めたものでした。
キヤノン電子が駆動系や電子制御に関わる部品の一部を供給し、群馬県富岡市にある
IHIエアロスペースの富岡事業所で製造されました。
カイロスは、情報収集の実証研究を行う政府の小型衛星を搭載していて、軌道への
投入が成功すれば民間単独としては国内で初めてとなると注目されていました。
クレジット:NHK
「カイロス」は、全長およそ18メートル、重さおよそ23トンの固体燃料式の小型ロケ
ットです。
同じ固体燃料式の次期主力ロケット「イプシロンS」よりひとまわり小さく、運べる荷
物の重さも4分の1程度ですが、その分コストを下げられる上、短期間で打ち上げるこ
とができるとしています。
燃焼を終えると順次切り離す4段式の機体には、これまで日本で運用されてきた固体燃
料ロケットの技術が使われています。
投入されるのは「短期打上型小型衛星」と呼ばれる内閣衛星情報センターの重さ100キ
ロほどの小型衛星です。
北朝鮮のミサイル発射施設の動向や災害時の被害の把握などを行う日本の情報収集衛星
に不具合が起きたとき、代わりの衛星として役割を果たせるか確認する目的です。
日本政府はこの衛星が軌道に投入されたあと実際に地上を撮影し、解像度などを確認す
る予定でした。
内閣衛星情報センターによりますと、衛星の開発費はおよそ11億円で、打ち上げ費用
としておよそ10億円を企業に支払う予定だということです。
スペースワン株式会社は、東京港区に本社を置く、人工衛星搭載ロケットの打ち上げを
行う日本初の民間宇宙関連企業です。2017年7月にキヤノン電子株式会社、清水建設
株式会社、株式会社IHIエアロスペース、株式会社日本政策投資銀行の共同出資により
「新世代小型ロケット開発企画株式会社」として設立され、翌年の2018年に今の
スペースワンに改名しました。
設立から6年で初の打ち上げにこぎ着けました。目指すのは、ロケットで顧客の荷物を
宇宙に運ぶ「宇宙宅配便」というサービスです。鍵となるのが、この企業が和歌山県
串本町に整備したロケット発射場「スペースポート紀伊」と、独自に開発した「カイ
ロス」です。
専用の発射場を持つことで依頼を受けてから打ち上げを行うまでの準備に柔軟に対応
できることや、液体燃料のロケットに比べて短い準備期間で打ち上げられる固体燃料
ロケットの特徴を生かして、低いコストで宇宙へ運ぶ「宅配便」のような輸送サービ
スを提供するとしています。
スターシップ、3回目の飛行試験中に意図した軌道に到達、その後・・・
クレジット: SpaceX
IFT-3ブースターは予定していた帰還飛行をほぼ完了しましたが、着水直前に着地燃焼
を行うことができず、激しい衝突を引き起こしました。
ブルー・オリジン元社長がヘリウム3月採掘ミッションを率いる
インターリューン社は、ヘリウム3は月での採掘を正当化するのに十分なほど高価であると述べている。クレジット: Interlune
ハリソン・シュミットは、1972 年の NASA 最後の有人月探査アポロ 17 号の唯一
の存命メンバーです。地質学者であるシュミットは、過去 50 年間、彼と仲間のア
ポロ宇宙飛行士が月のレゴリスで発見したもの、つまりヘリウム3について語り続け
ています。
現在88歳のシュミット氏は、ブルー・オリジンの元社長ロブ・マイヤーソン氏、
元主任建築家のゲイリー・ライ氏と協力して、月面から同位体を採取して地球に持
ち帰る会社を共同設立しました。彼らのスタートアップである インターリューン は
希ガスの小さなボトルを収集し、量子コンピューターや核融合炉の開発者など、希
ガスを珍重する新興技術産業に販売することを目指しています。
同位体には超伝導体の冷却剤用途の可能性があり、インターリューン は量子コンピ
ューターと核融合の開発者に素子を販売することを目指しているのです。
同社の最高経営責任者(CEO)であるマイヤーソン氏は、「ヘリウム3は、月に行
って地球に持ち帰るのに十分なほど高価な宇宙で唯一の元素だ」と語ります。
この元素は地球上で生成するのが難しく、通常は原子炉内でのトリチウムの放射性
崩壊によって生じます。月では、太陽から太陽風に乗って運ばれたガスが表面全体に
散らばっています。
ヘリウム3は何十億年も月面に蓄積されてきたが、地球上で流行し始めたのはつい最
近のことであり、量子スーパーコンピュータの開発者らは絶対零度近くまで冷却して
超伝導体の冷却剤として機能するヘリウム3の能力を高く評価している、とマイヤーソ
ン氏は述べています。インターリューンのもう 1 つの潜在的な顧客である医療画像分
野は、MRI 装置の超電導磁石を冷却するために同位体に近いヘリウム 4 を使用してい
ます。
マイヤーソン氏は、この元素が地球上でいくらで売れるか見積もることは避けました
が、「月に行って、プラスの粗利益率で持ち帰ってビジネスを構築できるくらいの
価格だ」と語っています。ヘリウム3の採取に成功することで得られた利益と教訓は、
さらなる宇宙インフラ事業に再投資されることになります。
「長期的には、10年から20年の時間枠で、人々が宇宙で水、ロケット推進剤、建設
資材を購入する宇宙経済が生まれると私は信じています」と彼は付け加えました。
シアトルに拠点を置き、2020年に設立されたインターリューンは、3月13日に秘密
裏に姿を現し、その計画を明らかにしたのです。同社はまた、Aurelia Foundry、
Gaingels、Liquid 2 Ventures、Seven Seven Sixなどの投資家からシードキャピ
タルを1,800万ドル調達したことも発表しました。そしてシャスタ・ベンチャーズ。
インターリューン の共同創設者には、シュミット氏、マイヤーソン氏、ライ氏に加え
て、元 Rocket Lab 幹部のインドラ・ホーンズビー 氏と元 Maxar Technologies プロ
ダクト マネージャーのジェームズ・アンティファエフ氏が含まれています。
同社は、NASA の アルテミスおよび商用月ペイロード サービス (CLPS) 開発プログ
ラムの一環として開発された宇宙船に、ヘリウム 3 採取装置を搭載して月に往復でき
るようにすることを目指しています。地球の大気圏を通過する再突入は、おそらく民
間企業が開発しているいくつかの再突入機のいずれかに依存することになるでしょう。
「私たちが開発した中心的な知的財産は、必要な電力を約 10 分の 1 に抑えながら、
ヘリウム 3 を含むガス混合物を月のレゴリスから分離する手段です」とマイヤーソン
氏は説明します。同社はこの技術設計に関する特許を出願中で、実験室と放物線航空
機に搭載された模擬月重力環境の両方でテストを行いました。
マイヤーソン氏は、インターリューンの消費電力がどのように 10 分の 1 に削減され
るのかについては説明を拒否しましたが、この技術は太陽光集光器や熱ベースのアプ
ローチではなく、「本質的には機械的」であると述べました。必要な電力が少なくな
るため、装置はより小さく、より軽くなり、月への往復の輸送も安価になる、と彼は
付け加えました。
インターリューン のハーベスター設計には、掘削機、ガス抽出装置、分離装置が搭載
されています。この機械は、月の日(地球の約 14 日)の太陽光の下で収穫し、その
後月の夜(地球の約 14 日)を通して眠ります。このロボット システムは部分的に自
律型で地上制御され、商用稼働期間は 5 年間となります。
10月に同社は、月の汚れを粒径ごとに選別する機械装置を開発する中小企業イノベー
ション研究フェーズ1契約を米国科学財団から受けました。インターリューンの装置は
回転パドルを使用して遠心運動を提供し、スクリーンを通して粒子をふるい分けるよ
うに設計されています。
同社は、2026年にCLPS級月着陸船に搭載された探査ミッションを実施し、2028年に
収穫機のパイロットミッションを実施する予定です。最初の商業運用は2030年に開
始される予定。商業運用の場合、収穫機にはより大型の月着陸船が必要となります。
マイヤーソン氏によると、この機器はスペースX有人着陸システムによる1回の輸送
ミッションか、ブルー・オリジン社のブルームーン着陸船による2、3回の輸送ミッ
ションを経て月に到達する可能性があるということです。
処理は月で行われるため、地球に持ち戻されるヘリウム 3 はほとんどありません。
「それは一桁のキログラム数です」とマイヤーソン氏は説明します。
月にはヘリウム 3 がまだらにありますが、特定の地域にはより多くの堆積物がある
と考えられています。インターリューンの執行会長であるシュミット氏は、アポロ
宇宙飛行士仲間に野外地質学の訓練を行い、月のレゴリスのサンプルや、NASA の
2009 年の月偵察オービターのミッションから収集されたリモートセンシング デー
タを研究してきました。
「月の資源、特にヘリウム3についてこれほど詳しい人は、いたとしてもほとんど
いません」とマイヤーソン氏は言います。「私たちは、探査ミッションに最も有望
な月上の場所を特定しました。」
インターリューンの探査ミッションの正確な位置は厳重に守られている企業秘密で
す、と彼は付け加えました。「その敷地は非常に広大で、何年も、何十年も収穫を
続けることになるでしょう。」
まとめ
今回の2つのロケット打ち上げ失敗。日本のH3ロケットも多くの失敗を経験しま
した。打ち上げ失敗の損失は大きいのですが、失敗から得ることができる重要な
データーがあります。それは、未来に繋がる唯一の『希望』です。
『諦めた時が、失敗した時。諦めなければ失敗ではない!』この言葉の通り
諦めなければ『未来の成功』は、すぐそこに有るのです。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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