皆さんこんにちは!
誰もが憧れる宇宙飛行。ヴァージン・ギャラクティック社が開発したシャトルで初の宇宙
旅行が成功しました!
ヴァージン・ギャラクティック
初の商業飛行
アメリカ・ニューメキシコ州で29日、アメリカの宇宙企業ヴァージン・ギャラクティック
が、初の商業宇宙飛行を成功させました。
宇宙船は、イタリア政府のチャーターで、イタリア軍関係者3人とパイロットなど、あわせ
て6人が搭乗しました。飛行機型の宇宙船は、母機から切り離されたあと、アメリカの政府
機関が宇宙空間と定める、高度およそ80kmを超えて、数分間無重力に近い状態となり、
70分ほどの飛行で再び地球に帰還しました。
空中発射母機「ホワイトナイトツー “VMS Eve”」に吊り下げられたVSS Unityは、2023年
6月29日23時30分(米国山岳部夏時間6月29日8時30分)に米国ニューメキシコ州のスペー
スポート・アメリカを離陸。翌30日0時28分に高度約1万3500mで母機から切り離されると
自身のエンジンで最大速度マッハ2.88まで加速・上昇し、準軌道飛行(サブオービタル飛行)
を行った後の同日0時42分にスペースポート・アメリカへ着陸しました。ヴァージン・ギャラ
クティックによると、最高到達高度は約85.1kmとされています。
ヴァージン・ギャラクティック社のマイク・マスッチ氏(退役米空軍中佐)とパイロットの
ニコラ・ペシル氏(元イタリア空軍中佐)の指揮のもと、ユニティは高度4万5000フィート
でイブと分離しました。推力6万5000ポンドのハイブリッドロケットモーターを点火し 、
パイロットは宇宙船を操縦して、いわゆる「ガンマターン」操縦を行い、宇宙の端に到達しま
した。
ロケットモーターは予定通り約60秒後に停止し、ユニティは高度約27万9000フィートまで惰
行飛行しました。遠地点でユニティの4人の乗客は一連の微小重力研究実験に取り組み始め、
真っ暗な背景に映る地球の眺めを楽しみました。
窓からの眺め、丸く白いのは地球(画像:ヴァージン・ギャラクティック)
初の商業飛行でこの宇宙船に同乗したのは、イタリア空軍のミッション司令官ウォルター・
ヴィラデイ大佐と医師のアンジェロ・ランドルフィ中佐。パンタレオーネ・カルルッチ、イタ
リア国立研究評議会のエンジニア。ヴァージン・ギャラクティックの宇宙飛行士トレーナー、
コリン・ベネット氏は、2021年7月に同社初の有人飛行試験でブランソン氏とともに飛行しま
した。
13分 50秒 VMS イブから解放された後、ユニティは滑空してスペースポート アメリカに着陸
し、ヴァージン ギャラクティックの最初の商業ミッションを完了しました。
ヴァージン・ギャラクティックによると、次の商業宇宙飛行ミッション「Galactic 02」は
2023年8月に予定されており、その後は毎月宇宙飛行を実施する予定だということです。
6月現在で約800人ほどの予約待ちだそうです。
スペースシップツー(画像:ヴァージン・ギャラクティック)
ヴァージン・ギャラクティック
ヴァージン・ギャラクティック は、ヴァージン・グループ会長のリチャード・ブランソン氏
が2004年に設立した宇宙旅行ビジネス企業です。本社はアメリカ・ニューメキシコ州にあり
ます。スケールド・コンポジッツ社より技術提供を受け、再生使用可能な宇宙船「スペース
シップツー」を開発しています。
ヴァージン・グループは、ブランソンが1966年、16歳の時に「スチューデント」誌を立ち
上げた(第1号の発行は1968年)のが始まりです。3年後の1971年には、中古レコード通信
販売会社「ヴァージン・メガストア」を創業しました。
1984年、航空会社ヴァージンアトランティック航空を設立。現在、同社はブリティッシュ
エアウエーズと並んで、イギリスの航空会社の中でも特に大きな規模を誇っています。
その後も、ヴァージン・グループは次々と新たな事業を拡大していき、鉄道会社、ラジオ局、
インターネット、コーラ販売、携帯電話関連の事業などにも業態を拡大して、関連会社は40
社以上、展開している国の数は22ヶ国以上にも及びます。
傘下の航空会社は、前述のヴァージン・アトランティック航空をはじめ、2001年にヴァージ
ンオーストラリア(オーストラリア)、2007年にヴァージンアメリカ(アメリカ)を設立。
これら3社の航空会社が運航する航空機の合計機数は、2011年初頭の時点でおよそ150機に
及んでいます。
ヴァージン・グループ会長のリチャード・ブランソン氏(画像:CNN)
スペースシップツー
スペースシップツーは、8人の乗員(6人の乗客と2人のパイロット)を乗せることができ
ます。
スペースシップツーは母機であるホワイトナイツツーから、高度15,200 mで発射され、
1基のハイブリッドロケットにより4,200 km/hの速度に達します。
客室は長さ3.66 m、直径2.28 mである。翼幅は8.23 m、全長は18.29 m、尾翼の高さは
4.57 mです。
母機のホワイトナイツツーから切り離されロフテッド飛行を行います
母機のホワイトナイツツーとスペースシップツー(画像:ヴァージン・ギャラクティック)
2009年12月7日、カリフォルニア州のモハーヴェ宇宙港にて1号機VSSエンタープライ
ズが公開され、2010年3月22日には母機ホワイトナイトツーに吊るされて初飛行を行い
ました。2010年10月10日に最初の有人滑空飛行試験を行い、2011年5月4日に初のフ
ェザード(大気圏再突入のモード)での飛行を実施、その後、2012年8月までに22回の
滑空飛行試験を行いました。2012年12月19日に初めてハイブリッドロケットエンジンを
機体に搭載して本番に近い形での滑空試験を行いました。2013年4月29日に初めてロケッ
トエンジンを噴射しての飛行試験を実施。噴射時間は16秒間、高度16.7kmに到達、マッハ
1.2を記録しました。
開発途中には、エンジン出力が予定よりも少なかったため改良を加えるなど時間がかかりま
した。
また、2014年10月31日、カリフォルニア州モハーヴェ砂漠にて、乗員2人を乗せて試験飛
行中の1号機VSSエンタープライズが墜落。パイロット1人が死亡、もう1人も重傷を負いま
した。この飛行は、前述のロケットエンジン変更後の初の動力試験飛行であったことから、
当初エンジンの爆発が疑われました。しかしテレメトリーデータを分析した国家運輸安全委
員会 (NTSB) の調査では、フェザリング・モードへの切り替えが予定とは異なる段階で行わ
れていたことが判明しました。墜落原因はパイロットのミスということで処理され、開発は
継続されました。
墜落した機体(画像:ヴァージン・ギャラクティック)
2018年12月13日、改良された2号機はパイロット2人を搭乗させた状態で高度82.7km
に到達し、1号機が果たせなかった有人宇宙飛行を実現しました。
2019年2月22日には2度目の宇宙飛行で高度89.9kmに到達しました。この飛行ではパ
イロット2人に加えてヴァージン・ギャラクティックのインストラクター1人が乗客役と
して乗り込み、商業飛行に向けて客室や飛行環境を調査しました。
2021年7月11日には、初めてパイロット以外の乗客を乗せた状態での試験飛行が実施さ
れ、高度86kmへの宇宙旅行を実現。この飛行にはヴァージン・ギャラクティック創業
者のリーチャード・ブランソン氏も搭乗しました。ただし、飛行経路の逸脱やホワイトナ
イトツーの強度不足といった問題が確認され、商業飛行の開始は延期されていました。
そして問題が全てクリアになり、今回の初の商業飛行となったのです。
まとめ
ヴァージン・ギャラクティック 創設者のリチャード・ブランソン氏は、数々の企業を
創業し、多くの事業を成功させてきました。順風満帆のように見えますが、今回の
商業飛行の成功まで約20年という歳月を費やしています。その間、多くの困難があり
ました。彼は諦めることなく、成功するまで努力を惜しまなかった姿勢は見習いたい
と思います。今月、73歳になる冒険家の次なる野望は何でしょうか?
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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