WISKが完全自律型EVTOLの「史上初」デモンストレーション飛行を実施

ドローン、空飛ぶ車

皆さんこんにちは!

アメリカのeVTOLを開発しているWISK(ウイスク)が、オシュコシュで開催されている

EAA AirVentureで初の自律飛行のデモンストレーションを行いました。

WISK AERO

初の自律飛行に成功

EAA AirVenture Oshkosh 2023で飛行するWiskのCore eVTOL

初の自律デモンストレーション飛行を行った第5世代コーラ(画像:ウイスク)

Wisk Aero は、完全自律型電動垂直離着陸 (eVTOL) 固定翼機の世界初の公開デモンスト

レーション飛行に成功しました。オシュコシュで開催されているEAA AirVenture で行われ

ましたデモンストレーション飛行は、同社の第 5 世代自律型 eVTOL 技術デモンストレー

ター (Cora) の初の公開飛行でもありました。ウィスクは複数回の移行飛行を完了し、その

間にエアタクシーはホバリングから翼上飛行に4回移行。この飛行には、ホバリングやその

場での 360 度旋回など、航空機の独特な機能を実証する複数の操縦も行われました。

ウィスクについて

ウイスク は、すべての人に安全な毎日のフライトを提供することに専念する先進エア モビ

リティ (AAM) 企業です。ウイスクの自動飛行 eVTOL (電動垂直離着陸) エア タクシーに

より、乗客は渋滞を避けて目的地に早く到着できるようになります。ウイスクはボーイング

の完全子会社であり、ボーイングとは別に運営されており、サンフランシスコ ベイエリア

に本社を置き、世界中に拠点を置いています。10 年以上の経験と 1,600 回を超えるテスト

飛行により、ウイスクは安全かつ持続可能な方法で毎日の通勤と都市旅行の未来を形作って

います。安全で自律的な全電気による毎日の飛行を実現する研究を続けています。

世代ごとの航空機

ウイスクは、開発する航空機を世代ごとに分類しています。

第1世代

第 1 世代航空機は、当社の設計が実行可能であることを示すフルサイズの概念実証でした。

この航空機は当初、単一の駐車スペースに収まるように設計されましたが、既存の航空技

術とバッテリー技術の限界に直面しました。

実証年:2011 – 2014年

最初の完全移行飛行 (垂直離陸、翼上飛行への移行、ホバリングへの移行と垂直着陸)を

行いました。

第2世代

第 2 世代航空機は、初めて操縦した(有人)航空機でした。この航空機は、将来の開発に

備えてシステムの検証と飛行テスト チームの成熟だけでなく、翼伝播特性のテストにも使

用されました。第 2 世代は、乗客を乗せた飛行に必要な安全性が重要なシステムとプロセ

スを準備するために試験運用されました。

実証年:2015年

第3世代

第 3 世代航空機には第 2 世代の多くのコンポーネントが組み込まれており、新しい翼構成

のテストに使用されました。航空機の構造や翼の形状など、この世代の航空機の多くのコ

ンポーネントは将来の世代にも引き継がれました。

実証年:2015 – 2017年

初のパイロットによる ホバリングとパイロットによる eVTOL 移行が行われました。

第4~第5世代

第 4 世代および第 5 世代の航空機を使用して、新しいソフトウェア、自律アーキテクチャ

センサー、ハードウェア、その他のコンポーネントのテストを開始しました。この航空機

により、空域の統合、インフラストラクチャー、AAM のサービスプロバイダーなど、よ

り広範なエコシステムの開発を開始することもできました。

第 5 世代 (Cora とも呼ばれる) は、ブームなどのいくつかの例外を除いて、第 4 世代と見

た目が似ています。第 5 世代は、改良されたセンサーやソフトウェアなどの内部システム

でも第 4 世代とは異なります。

実証年:2017 – 現在

この第5世代の航空機コーラが今回の自律飛行のデモンストレーションを行いました。

ウイスクが目指している自律飛行、第6世代

ウイスクが、目指しているのは完全なる自律飛行です。しかしそれは、地上で監視を

しているオペレーターの存在を意味しています。あくまで人間を排除しないというこ

とです。

ウイスクの第6世代航空機は自律飛行できますが、人間は依然としてシステムのかなり

の部分を占めています。すべてのフライトは、複数車両監視装置 (MVS) によって地上

管制局から監視されます。

MVS は飛行の開始から終了までを監督する責任があります。飛行中、航空機が潜在的

な危険を回避するための措置を講じた場合、複数車両管理者に通知されます。MVS は、

航空機が実行する新しいコマンドを送信することで、飛行中の任意の時点で介入するこ

ともできます。

自律飛行と人間の監視を組み合わせた組み合わせにより、乗客、航空機、その他の空域

利用者の安全をが確保します。

EAA AirVenture での Wisk Aero の Cora eVTOL 航空機

オシュコシュの会場で展示された第6世代航空機のモックアップ(画像:ウイスク)

自立性のメリット

潜在的なパイロット不足の回避

運営コストを削減し、乗客のアクセスを増やす

短期および長期のメンテナンスが容易になる ことです。

AAM(アドバンスドエアモビリティ) 業界の多くの人々と同様に、ウイスクは、メリット

の公平な分配と Total Addressable Market (TAM) の両方において、自律性が AAM の

規模と可能性を最大限に引き出す鍵であると信じています。自律性を活用することで、

より簡単に、手頃な価格で、安全に事業を拡大し、できるだけ多くの人々に毎日の空の旅

を提供できるようになると信じています。

個人飛行の困難を許容する愛好家を除けば、オンデマンド航空へのアクセスは歴史的に、

非常に高価なチャーター便を購入できる少数のエリート層に限られてきました。このタイ

プの航空券の価格は、アクセスの障壁となっています。これらのフライトの高コストの要

因の 1 つは、パイロット自身を含む運航者であり、フライトコストの半分を簡単に占める

可能性があります。

このコストは不当なものではありません。プロのパイロットは、何年も何百時間もの飛行

時間を費やして、民間パイロットになるために必要な訓練と経験を積み上げます。一度訓

練を受けたとしても、パイロットは高いレベルのスキルと責任を要求され、それに応じた

報酬が支払われます。これらのコストと運航規模 (1 便あたり輸送される乗客はせいぜい

数名です) を考慮すると、オンデマンド航空旅行が乗客 1 人あたりのコストを高める理由

は簡単に理解できます。

ウイスクでは、都市部のエアモビリティは誰もが利用可能でアクセスしやすいツールである

と信じており、自律性を通じてコストの壁を取り除くことを計画しています。

ウイスクにとって自律性とは、機内のパイロットを一連のコンピューター、センサー、ソフ

トウェアに置き換えることを意味します。これにより、大きなコストに直接対処すると同時

に、貴重な座席を他の乗客に提供できるようになります。これにより実用性が向上し、乗客

一人当たりの平均コストがさらに削減されます。

自動化はコストの壁を取り除くだけでなく、パイロット不足という今日の航空業界の実際的

な制限も解決します。パンデミック前はパイロットが不足していました。通常の運航が再開

されれば、不足は戻ると考えています。業界は 2028 年までに 20% 多くの民間パイロット、

つまりこのまったく新しい移動方法を操作するために特別に訓練されたパイロットを必要と

することを示唆しています。現在利用可能なパイロットの数では、多くの業界アナリストが

予測している運用規模に到達することはまったく不可能です。新しいパイロットの訓練、商

用パイロットの認定にかかる高額な費用、商用パイロットの認定を取得するまでに必要な時

間などが大きな障害となります。さらに、新しい eVTOL パイロットは自律性という確立さ

た目的を持って業界に参入する必要があるため、キャリアの見通しは魅力的ではありません。

自律優先のアプローチを追求するという私たちの決定におけるもう 1 つの重要な要素、そし

て最も重要な要素の 1 つは安全です。一般的な航空事故の 80% は人的ミスによるものと考

えられています。パイロットは非常に訓練を受けており、航空は一般的に車に乗るよりも安

全です。しかし、パイロットは非常に動的な環境で航空機を制御し、航空管制官と通信し、

他の交通を回避しながら、同時に一連の複雑な航空機システムの異常や故障を監視するとい

う膨大なタスクに直面しています。最も厳しいトレーニングにもかかわらず、これらすべて

を一度に管理するのは依然として難しく、疲れる場合があります。古いことわざにあるよう

に、「彼らはただの人間です」。自律性は、これらの試験的な課題に直接対処します。長年

にわたりコックピットの自動化が進む傾向にあり、その結果として全体的な安全性が向上し

ます。

EAA Air Venture 2023

eaa air venture画像 に対する画像結果

EAA Air Venture 2023は、毎年EAAの本部があるアメリカ、ウィスコンシン州オシュウコ

シュでかい際されている航空機の見本市です。

これを主催しているのがEAA(Experimental Aircraft Association) です。EAAは、航空に

関する幅広い関心と背景を持つメンバーで構成され、成長を続ける多様な組織です。

1953 年にウィスコンシン州ミルウォーキーで独自の飛行機の製作に興味を持った個人の

グループによって設立された EAA は、航空分野への参加を拡大するという使命を拡大し、

クラシック航空機、軍用機、曲技飛行機、ウルトラライト、ヘリコプター、現代製造の航

空機を含むようになりました。 

毎年、この時期に大規模な見本市EAA Air Ventureを開催して、全米のみならず世界から

多くの観客で賑わいます。今年の開催は7月24日から30日までの7日間です。

期間中は、昼夜問わず航空ショーが行われ、多くの飛行機の搭乗体験もできます。

なんと18歳以下は入場料が無料です!7日間通してのチケット代(駐車場代含む)は、

140ドル(約2万円)です。

eaa air venture画像 に対する画像結果

まとめ

ウイスクは、今回のデモンストレーション飛行の成功で他の企業より1歩前に出ました。

しかし、ここで述べているように第6世代航空機といえ、パイロット(or地上オペレータ

ー)が、必要になってきます。その教育や訓練もかなりの年月期間を必要とします。

また必要なインフラストラクチャーの整備が課題となります。

完全自律飛行の未来は近いようで多くの壁が立ちはだかっています。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

 

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