商業宇宙企業は今後の戦争を左右する

宇宙

皆さんこんにちは!

商業宇宙企業と言えば、イーロンマスク氏が立ち上げた「スペース X」が有名です。

ウクライナ戦争でも、開戦当初、マスク氏が自社の人工衛星を利用する事をウクライナ

に支援しました。これにより、ロシアが思っていたシナリオが大きく崩れてしまうほど

戦況を左右したのです。今後の戦争を変えてしまう強い力を持っている商業宇宙企業。

どうあるべきなのでしょうか?

商業宇宙企業の強すぎる力

昨年9月、ウクライナ軍はクリミアのロシア海軍艦艇を攻撃するため、スペースX社に

スターリンク衛星の支援を要請しました。スペースXの創設者兼最高経営責任者

(CEO)のイーロン・マスクは、この行為が親会社を「重大な戦争行為に明示的に加

担」させることになると認識し、この要請を拒否しました。この最新の啓示は、現代

の紛争における商業宇宙機関の重大性を強調しています。彼らの行動、あるいはこの

場合はその欠如が、軍事的結果を左右するのです。

商業宇宙産業の活気は、21 世紀の安全保障と防衛に恩恵をもたらします。商業宇宙

企業は規模の経済を生み出してコストを削減し、変化する戦場の現実に直面して能力

の更新を推進し、民生用および軍事用の幅広い用途に適合するシステムを量産してい

ます。これらすべての特質により、商業能力は軍事任務を補完し支援するのに特に有利

になります。しかし、利益があるところにはリスクもあります。スターリンクのニュー

スは、戦時中の国家の商業宇宙資産への過度の依存に内在する脆弱性を強調しています。

ウクライナ戦争は、商業宇宙資産が大規模かつ戦略的効果をもたらした初めての紛争で

す。このように、スペースX社の特大の役割は前例を作るものであり、国家安全保障任務

を支援する商業宇宙企業の適切な役割と、そのような役割を担っている宇宙企業を保護す

る政府の責任について疑問を投げかけています。

政府が商業空間に依存することの恩恵とリスクは、ウクライナ紛争でも明らかです。

戦争が勃発したとき、マスク氏は数日のうちにウクライナに衛星を供給し、数ヶ月にわた

ってウクライナにデジタルライフラインを提供しました。その後、米国政府が料金を支払

わなければアクセスを遮断すると脅し、その後、今年6月にウクライナに衛星サービスを

提供する国防総省の契約を獲得しました。スペースX社の幹部らは戦争を回避したいとの

意向を表明しており、攻撃的な軍事目的での衛星の使用を制限するつもりだと述べました。

テクノロジー企業にとって、この立場は驚くべきことではありません。基本的に、商業宇

宙企業は政府とは異なるインセンティブによって動機付けられています。しかし、この姿

勢は官民空間関係における大きな力の不均衡を暴露し、奉仕義務のない商業主体に過度に

依存することに内在するリスクを浮き彫りにしているのです。 

契約がなければ、同社は国家安全保障目標を支援するために自社の資産とサービスをどの

ように使用するかについて投票を受けることになるのです。国防総省は、宇宙開発能力を

企業に大きく依存している場合、民間部門に管理権を譲歩します。スペースXは厳しい監

視下にありますが、国家安全保障上の責務と自立と経済的利益を対立させる決定に直面す

ることになる唯一の宇宙企業ではありません。宇宙における官民協力の必要性のバランス

をより良くするために、商業資産を宇宙戦略に組み込むためのより明確な方向性と安全策

を設定する責任は国防総省にあります。

連邦政府から資金提供を受け、技術開発を支える基礎研究や先端研究から多大な恩恵を受

けてきた商業宇宙企業には、国家安全保障が必要なときに自らを国家の擁護者とみなす義

務もあります。

民間部門の団体が急増し、技術開発の先駆者として公的機関に取って代わられる中、宇宙

分野は成長痛を経験しています。政府は商業宇宙への依存と商業宇宙とのパートナーシッ

プのバランスを賢く取る必要があり、これは宇宙産業基盤に明確なシグナルを送ることか

ら始まります。

まず、商業宇宙事業体との政府契約には、取得したサービスが紛争時にも使用できること

が明示されるべきです。営利団体が政府と協力することを妨げないような契約文言に合意

することはバランスをとる行為となりますが、こうした機能を確実に利用できるようにす

るためにはそのような明確さが必要となるでしょう。

第二に、中国とロシアが商業宇宙資産を戦争の標的と見なしていることを考えると、政府

は商用宇宙資産を重要インフラに指定するかどうか、またいつ指定するかについて取り組

む必要があります。インフラの無力化は国家安全保障に悪影響を与えるため、国家保護の

保証が必要となります 。

最後に、政府は紛争下で、特に中国のような技術的に進んだ宇宙大国との紛争下で必要と

なる宇宙能力を再評価し、最も重要なインフラに対する信頼性の高い強固な国家能力の構

築を優先すべきです。アウトソーシングは効率的ですが、政府は商業的な意思決定の気ま

ぐれとは別に、国家安全保障上の責務を遂行できなければなりません。

商業空間は今後も存続しており、国防総省は現代の紛争における宇宙産業基地の役割を理

解し、形成する必要があります。宇宙を通じて米国の軍事的優位性を永続させるには、適

切なバランスをとることが重要となるのです。 

まとめ

今日のレポートのように、民間企業と国家とのつながりは切っても切れないものがあり

ます。ベンチャー企業としては、経営が軌道に乗るまでは大規模な資金調達が必要です。

国からの支援を受けることは、有事の際や後々、何らかの協力を行わなければならない

「義務=責務」を負うことになります。

そして、共産圏の中国、ロシアなどは民間と国営の区別がありません。過去の戦争を

見ても民間企業が戦争に加担することが当たり前のようにありました。マスク氏の様に

戦争に反対する企業に義務を負わせることはあってはなりません。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

 

 

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