皆さんこんにちは！
今日は、Beta Technologies（ベーター）充電システムに関する話題と企業理念に
ついて見ていきましょう。
Beta Technologies
Alia 250 eVTOL 航空機
バーモント州に本拠を置く Beta Technologies（以下ベータ） は、Alia 250 eVTOL
航空機を開発しています。民間および軍事用の全電動Alia 250 eVTOL 航空機はパイロッ
トを含む 6 人、または最大 1,400 ポンド (635 kg) の貨物を最大 250 マイル (400 km)
の距離で運ぶことができ、最高速度は約 170 mph (270 km/h) です。航空機の推進シス
テムは、50フィートの固定翼に垂直に走るビームに取り付けられた 4 つの垂直リフト プロ
ペラを備えています。胴体後部にはシングルプッシャープロペラがあります。
ベータの充電インフラストラクチャの構築
ベータは eVTOL 航空機を FAA に認定させるために懸命に取り組んでいますが、自社の
Alia 航空機の充電だけでなく、他のタイプの航空機の充電にも使用できる充電ステーシ
ョンの広範なネットワークを構築中です。電気航空機、さらには地上車両の。Alia プロ
グラムと充電ステーションのネットワークに加えて、ベータ はCAE（カナダのシュミレー
ター企業）と協力して、eVTOL 航空機のパイロットおよび保守技術者のトレーニング
プログラムを開発しています。
ベータは、2025 年までに約 150 の充電ステーションのネットワークを稼働させる予定で
す。これは、同社が航空機の認定を受けて商業運用を開始する準備を整えるのと同じ年で
す。これまでのところ、同社は 4 つの州でオンラインで公開されている 9 つの電気充電
器を所有しており、現在、少なくとも 55 の追加サイトが許可と建設の過程にあります。
この地図は、Beta Technologies が充電ネットワークの構築を計画している場所を示して
います。すでに稼働中の充電ステーションは緑色で表示されます。
（画像：ベータテクノロジー）
ベータ の充電ステーションは 350 kW の DC 急速充電器を使用します。これは、現在高速
道路の休憩所やガソリン スタンドで目にするものと大差ありません。
[Tesla] Model S の 3 台分のバッテリーに相当するサイズのバッテリーを 1 時間以内に充
電できるようになる予定です。
各充電ステーションは最大 2 台の充電器をサポートし、長さ 50 フィートのケーブルを備え
た複合充電システム (CCS) 標準プラグを介して航空機に接続できます。充電器は、簡単に
アクセスできるようにランプの端に便利に配置されています。整流器ユニットは、配電網
から AC 電力を受け取り、それを DC 電流に変換します。一部の場所では、空港の地上側に
配置された電動道路車両も電動航空機と同じ充電ステーションを使用できます。充電器の
エアサイドと地上側のセグメントは空港のフェンスで区切られています。
2つの充電ボックスとAlia 250 eVTOL 航空機（画像：ベータテクノロジー）
充電の様子（画像：ベータテクノロジー）
ベータ版アプリ、電気自動車充電ステーションのネットワークへのアクセスを提供
ベータは、米国全土に設置している電気自動車充電ステーションへのアクセスを提供する
モバイル アプリを開始しました 。
2022年5月、ベータは最初の10台の充電ステーションのいくつかを使用して、そのAliaプロ
トタイプがニューヨーク州北部のプラッツバーグ空港からアーカンソー州ベントンビルまで
の1400マイルの移動を完了し、ルートに沿ってオハイオ、インディアナ、イリノイ、ミズー
リの7つの停留所を通過しました。 今年初め、Alia プログラムへの追加の 3 億 7,500 万ドル
の資金調達を発表したとき、バーモント州に本拠を置く同社は 65カ所の充電ステーションの
設置の許可を取り付け、更に数百箇所の計画段階を発表しました。
専用アプリを使用すると、オペレーターはルート上の最寄りの充電ステーションを見つけ、
その場で充電プロセスを開始できます。その支払い処理機能は、取引の詳細と各車両の充電
履歴を保存し、ベータ版が個々の顧客に発行したり、ネットワーク全体のプロモーションの
一環として発行する可能性のある充電用のバウチャーを引き換えるためにも使用できます。
ネットワーク内の各充電ステーションは、現在の電気自動車だけでなく、将来の他の電気航
空機をサポートすることができるシステムを提供します。
充電ステーションには無線周波数識別リーダーがあり、充電器がデータをベータのサーバー
に中継するために読み取る固有のコードがそれぞれに付いています。次に、サーバーはその
コードをユーザー アカウントとペアにして、課金セッションを承認します。
充電インフラの拡大に伴い、2 回目のクロスカントリー EVTOL フライトを実施
ごく最近、 ベータは、米国の東半分を横切る 5 日間の旅に Alia 航空機を飛行させました。
876 マイル (762 nm) のミッションは、同社本社の北西約 20 マイルにあるニューヨーク
州プラッツバーグで 11 月 30 日に開始されました。バーモント州バーリントンを経由して
ケンタッキー州ルイビルまで飛行しました。
テスト パイロットの Lochie Ferrier と Nick Warren が操縦する 5 日間で、Alia は 4 つの
州で 7 回の充電を行いました。パイロットの Lochie Ferrierは、クロスカントリー飛行は
「私たちがこれまでに望んでいたよりもうまくいった」と語っています。「私たちは航空機
と充電ネットワークの改善を続けており、これらのクロスカントリー飛行が本当にうまくい
くことを可能にしています。」とも感想を述べています。
航空機は 12 月 3 日に最終目的地であるケンタッキー州のルイビル国際空港にある UPS の
ワールドポートに到着しました。2021 年 4 月、 UPSは同社の Alia 250 航空機を最大 150
機購入することに合意しています。高速小包配送の大手企業のUPSは、eVTOL 航空機を使用
して、目的地に到達するために地上車両やその他の小型フィーダー航空機を必要とする小規模
貨物を輸送することを計画しています。
ベータ EVTOL 航空機のバッテリーが地上試験の待機中に発火
先週、バーモント州のバーリントン国際空港に近い同社の施設で、ベータ の輸送用コンテナ
内でリチウム イオン バッテリー パックが炎上しました。
ベータは地元の消防署と協力して、火災の原因を特定しています。
火災は 8 月 26 日金曜日の午前 12 時 30 分頃、ベータ本社の向かいの駐車場にある輸送用
コンテナで起こりました。
ベータによると、最終テストを待っている間に輸送用コンテナに保管されていた、再組み立
てされたリチウム イオン バッテリー パックで火災が発生したといいます。ベータによると、
再組み立てされたバッテリー パックはまだテスト プロセスを経ていなかったため、飛行は
承認されていませんでした。
サウス・バーリントンの消防署長テリー・フランシスは、地元の報道機関 WCAX に、リチ
ウムイオン電池が熱暴走を経験し、その温度が制御不能に急上昇したと語っています。バッ
テリーの損傷、機械的な故障、高温への暴露など、いくつかのことが熱暴走イベントを引き
起こす可能性があります。
8月26日にバッテリー火災が発生した後、黒焦げになった輸送コンテナがベータの本社の外に
描かれています.（クレジット：サウスバーリントン消防署）
他にも 2020 年 1 月には、アリゾナ州のプレスコット地域空港での地上試験中にバッテリー
火が発生し、 Eviation の全電気式コミューター航空機であるアリスが深刻な被害を受けまし
た。そして、わずか数週間後、Lilium Air Mobility の最初の本格的な eVTOL 技術デモンスト
レーターが、ミュンヘン近くの同社本社で地上整備活動中にバッテリー火災が発生し、その
航空機は消失しました。
高さ50 フィート（15メートル）からのバッテリー落下試験
国立航空研究所 (NIAR) の科学者は、 ベータと協力して緊急着陸時の車両の安全性を研究
するために、史上初の航空機バッテリーの落下試験を実施しました。
FAAが後援したこの研究は、乗員の安全に焦点を当てた進行中の耐衝突性評価プログラムの
一部です。この研究プログラムのために、NIAR は 50 フィート (15 メートル) の高さから
落下させた後の eVTOL バッテリー パックとその周辺構造の性能を評価しました。
eVTOL航空機、電気自動車、およびほとんどの家電製品で使用されているリチウムイオン
電池は、安全性に関しては少し評判が悪い（ めったに起こりませんが）のです。そのリチ
ウムイオン電池は発火、さらには熱暴走イベントとして知られているもので爆発すること
が知られています。バッテリーパックの損傷や危険な高温への暴露など、いくつかの要因
が熱暴走イベントにつながる可能性があります。
フルスケールの 800 ボルトのバッテリー パックが完全に充電された状態で、クレーンで
50 フィート空中に持ち上げられ、地面の硬い面に落とされました。同社によると、衝撃の
後、バッテリーパックにはセルまたはパックレベルで重大な損傷はありませんでした。
飛ぶことがすべて ！企業理念
創設者兼 CEO のカイル クラーク
パイロット、ベータの創設者兼 CEO のカイル クラークに、バーモント州を拠点とするベータ
のユニークなチーム文化について話します。
ベータ の創設者であり、元プロホッケー選手でもある航空宇宙エンジニアのカイル クラーク
は、ベータ の成功の主な理由は強いチームワークの感覚にあると述べています。
「優れたチーム カルチャーによって私のベーコンが助かったことは 100 回あります」と
クラークは言います。これは、まったく新しいタイプの航空機の開発に特に適したコンセプ
トだとも彼は言います。
42 歳のクラークは、彼の航空業界への道は典型的なものではなかったと最初に語りました。
それは、クラークがバーモント州の父親の機械工場の周りで幼少期を過ごしたことから始ま
りました。そこで彼はジョージ コイという曲技飛行パイロットに出会いました。彼は練習機
(一部は海外製) を改造していました。高校の授業の後、クラークはこの製作の手伝いに時間
を費やしていました。
かつて、コイはスライド式キャノピーを備えたズリン 142 のアクロバット飛行に彼を連れて
行きました。パイロットは逆さまになり、キャノピーを前方にスライドさせました。クラーク
は、メンターがその時、冗談を言っていたのをはっきりと覚えています。
「完全に夢中になりました」とクラークは回想します。
ハーバードでは、飛行機を飛ばして飛行機を作るというクラークの子供の頃の夢は、彼のアイ
スホッケーへの愛情と才能が彼をナショナルホッケーリーグにドラフトさせたときに中断しま
した。プロホッケーの後、クラークは 2004 年にハーバード大学を卒業し、夢の航空ビジネス
を構築するためにフルタイムで働き始めました。彼のプロホッケーチームでの経験は企業文化
に影響を与えました。
機体の操縦
アリアを飛ばすときは、固定翼機のパイロットとヘリコプターのパイロットのどちらが良いで
すか? と言う質問に対して、ベータ テスト パイロットのニック ウォーレンは外交的な答えを
持っています。
ウォーレンは「アリアはパイロットに非常に適した航空機だと言います。”静かです。まるで
グライダーのように滑空します。十分な推進力があります」と彼は言います。「陳腐になりす
ぎず、まさに魔法のような体験です。」
ウォーレンは、米国海兵隊の攻撃ヘリコプターのパイロットであり、元マリーン ワンの飛行士
としてキャリアを積んだ後、バラク オバマ大統領をホワイト ハウスとの間で飛行させる任務
を負った後、ベータに入社しました。アリア の飛行制御は非常に直感的だとウォーレンは
言います。パイロットは左側の座席に座り、フライバイワイヤで接続されたサイドスティック
(ベータがインセプターと呼ぶもの) でツインテール eVTOL を制御します。パイロットの左手
には、アリアの4 つのプロローターを操作する 2 つ目の飛行制御装置であるリフト レバーが
あります。パイロットの親指の下にある同じ左側のデバイスには、航空機の後部にあるプッシャ
ー プロペラの推力を制御するスロットルがあります。
アリア のコントロールは、パイロットに「ピッチ、ロール、ヨーの間の美しいコントロールの
調和をすべて片手で提供します」とウォーレンは言います。推力制御は「超応答性」だそうです。
電動だから「ピストンやタービンの巻き上げがない。それはまさにこのすぐれた美しい力の適用
です。すぐに車輪にトルクをかける電気自動車と同じです。驚くべきことに、ラダーペダルは
ありません。航空機では、手でヨーを制御します。私たちはこの航空機をできるだけシンプル
にしようとしています。
誰もが飛ぶことを学ぶのをサポートする
「好きなことをしていると、人はより良いパフォーマンスを発揮します」とクラークは言いま
す。
United Therapeutics の創設者であり、パイロットであり、航空イノベーターである Martine
Rothblatt が 2017 年に同社の初期投資家になった後、ベータ は開発業務を強化し、新しいチー
ムメンバーを採用し始めました。
「私たちの会社には、パイロットではないが飛びたいという人がいました。そのため、ゲート
から出てすぐにセスナ 172 を 5 人で使用して、飛行訓練を開始しました」とクラークは回想
します。「そして、それは本当の会社の始まりの日でした。ここにいるなら、飛びたい人は誰
でも飛ぶことができるのです。」
ベータは、さまざまな航空経験を持つ、航空が大好きな従業員によって構築された会社だと
クラーク氏は言います。チームメンバーの中には、「エンジニアリングと飛行のクロス」と
して会社に来る人もいれば、「チームビルディングと飛行のクロス」として来る人もいます。
いずれにせよ、明らかに共通点は飛行です。
「それが、ここに航空文化を生み出しているのです」とクラークは言います。
X PLANE 12
最新のパソコン用フライトシュミレーションゲームX-Plane 12に、なんとベータのAlia
250 eVTOL 航空機が登場しました。ビデオの最後に少し出てきます。
このX-Planeシリーズは、いろんな航空機を飛行させることができます。セスナのような
小型機からエアバスA330のような大型旅客機まで。基本はパソコンのキーボードで操作
しますが、専用の操縦桿やスロットル、またはラダーまで売っています。
まだ試してはいませんが、画像が綺麗なことやシステムが実物と違いがないくらいの精巧
なために、それなりのパソコンのスペックが必要となってきます。
実は、ベータのパイロット達も参考にしているという話があります。もちろん実際には
CAEのシュミレーターを使用していますが。数あるeVTOLの中でベータのアリアが選ばれた
ことはすごいことです！
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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