皆さんこんにちは!
最近何かと世界を騒がせている中国から、空飛ぶクルマのニュースです。
中国の空飛ぶクルマeVTOLと言えば、日本でも飛行実証を行った2人乗り用の
eVTOLを開発したEhang(イーハング)が有名です。
今日は、Aerofugia(エアロフィギア)とTCab Tech(ティキャブテクノロジー)
という2つの会社を紹介します。
Aerofugia(エアロフィギア)
Aerofugia(エアロフィギア)
中国で自動車大手、吉利汽車グループの子会社のAerofugia(エアロフィギア)が
プロトタイプの eVTOL の最初のテスト飛行を成功裏に完了したと発表し、遅くとも
2028 年までに商用サービスを開始すると発表しました。
チルトモーター構成の Aerofugia AE200 の試験飛行は、会社が CAAC ライセンス
を取得してテストを開始してから 2 か月以内に行われました。航空機はパイロット
1 名と乗客 4 名を収容し、都市間および都市間エリアの移動を目的としています。
AE200 プロトタイプは、4 人または 2 人ではなく 5 人が乗れるため、中国で初飛行を
完了した最大の eVTOL 航空機です。エアロフィギアの広報担当者は、完全な商用認証
は「3 ~ 5 年以内に取得される可能性が高い」と述べています。
現在、AE200 の政府の許可では、その目的は観光、救急医療、および一般的な物流であ
ると規定されており、日常の通勤用の車に代わるものとなっています。
中国政府は、eVTOL およびドローン産業の急速な発展を促進するために、民間利用のた
めの 1,000 メートル未満の低空空域に対する制限を徐々に緩和しています。昨年 3 月、
中国運輸省は、現在から 2035 年までの主要な開発分野として、eVTOLS、ドローン、
空飛ぶクルマを挙げた開発計画を発表しました。
Aerofugia AE200試験機
吉利汽車グループ
吉利汽車グループ(英語名:ジーリーホールディングス)は、1986 年に設立、翌年の
1997 年には自動車産業に参入し、それ以来、自動車の開発と生産にコア ビジネスを集
中させてきました。
自動車産業の電動化とインテリジェントな変革を中核として、新エネルギー、共有モビ
リティ、車両ネットワーク、自動運転、車載チップ、低軌道衛星、レーザー通信の最先
端技術も開発しています。 、科学技術の壕を構築し、科学技術のエコシステムを強化し
ています。
そして上海、杭州、寧波、ヨーテボリ、コベントリー、カリフォルニア、フランクフルト
などに世界的に研究開発および設計センターを設立し、20,000人を超える研究開発およ
び設計担当者と14,000を超えるイノベーション特許を保有しています。ジーリーホール
ディングスは、中国、米国、英国、スウェーデン、ベルギー、マレーシアで世界クラスの
車両およびパワートレイン製造工場を運営し、4,000 を超える支店からなる世界規模の販
売およびサービス ネットワークを所有しています。
傘下には、VOLVO(ボルボ)や空飛ぶクルマのVolocopter(ボロコプター)があります。
アーバン エア モビリティ革命に関与するという吉利の野心は、2017 年 6 月に米国を拠
点とする空飛ぶ車のスタートアップ Terrafugia を買収することに合意したときに始まり
ました。航空機の価格は 279,000 米ドルで、800 キロメートルの距離を移動できます。
TerrafugiaのSeeker(シーカー)
時速約100kmで飛行し、ペイロードは約4.5kg、3時間以上飛行できます。
2 年後、吉利はドイツに本拠を置く eVTOL 企業であるボロコプターに投資しました。
その後、2020 年に、Terrafugia は中国のドローン メーカー AOSSCI と合併し、2020 年
にエアロフィギアと名前を変えました。
しかしながら、AE200 eVTOL は、自国の他のメーカーとの厳しい競争に直面しています。
たとえば、EHang と AutoFlight は エアロフィギア の開発よりもはるかに先を行っていま
すが、TCab がすぐそこまで迫ってきています。世界のアーバン エア モビリティ セクター
は 2040 年までに 1.5 兆米ドルの産業になると予測されており、中国はその約 29% を占
めると予想されています。
TCab Tech(ティキャブテクノロジー)
TCab Tech(ティキャブテクノロジー)
TCab Tech(ティキャブテクノロジー)は、今週、E20 eVTOL 航空機を開発する取
り組みを支援するために、1 億人民元 (1500 万ドル) を調達したと発表しました。
ティキャブは、2021年5月に設立したばかりのベンチャー企業です。同社によると、
TCab は「Time Taxi」の略です。
創業者兼CEOのウォン・ヨンワイ氏は、国際航空航空機の研究開発における20年以上
の経験と企業管理における豊富な経験を持っており、中国のジーリー・タイリ・スピ
ードング・ビークルのゼネラルマネージャーで、1.2トンのeVTOL航空機プロジェクト
を担当していました。その後、エアバス中国エンジニアリングセンターのチーフエンジ
ニアを務め、A350ワイドボディ大型機の研究開発を担当、EASA Part21:J:DOA代表に
就任しています。学歴は、 西オーストラリア大学経営管理学修士、ロイヤル メルボルン
工科大学航空宇宙工学学士号、優等学位取得しています。
ウォン・ヨンワイ CEO
そして設立に加わったのは、ライバルの中国の eVTOL 車両開発者である Terrafugia
(吉利汽車グループ の一部で現在のエアロフィギア) およびAutoFlightの元幹部(創設
者パートナー兼最高マーケティング責任者ジャン・ジュン)らによって設立されました。
設立からわずか4ヶ月後の2021年9月には、E20の試作機をテストフライトさせ、同年
12月には1/2モデルの試作機の初飛行を成功させています。これも、Terrafugiaや
AutoFlightの技術そのものが生かされているからでしょう。
そして、2023年2月には多額の資金調達に成功したのです。
E20 eVTOL
E20 eVTOL完成予想図
上海に本拠を置く同社は、2025 年に中国民間航空局による5 人乗りE20 eVTOLの認証を
完了することを目指しています。ティキャブが 2022 年に発表したこの設計は、主翼の端
に取り付けられた 2 組の傾斜ローターを備えています。 T字型のテールセクション。航空
機には、翼から前方に伸びるビームに固定された 2 つのリフト ローターもあり、これらは
巡航飛行中に収納することができます。
2022 年 5 月、ティキャブは、フランスの航空宇宙グループ Safran (サフラン)が E20
eVTOL用の EngineUs電気モーターを提供すると発表しました。航空機の各ローターには、
独自の 100 キロワットの EngineUs 100 モーターが搭載されており、サフランは 2023 年
末までに型式認証を完了することを目指しています。航空機エンジン メーカーは、空冷熱管
理システムも提供します。
ティキャブによると、操縦された E20 航空機は空中ライドシェアリング サービスを目的と
しており、最大 4 人の乗客を運ぶことを目的としています。航続距離は 200 km、巡航速度
は 260 km/h になると予想されています。
まとめ
中国の新しい企業2社を見てきました。このように、新たにベンチャー企業が登場する陰には
大企業が関わったり、またそこで働いていたエンジニアが新たに立ち上げたりと競争が激しく
なっています。日本のSkyDrive(スカイドライブ)も、今年の1月に独Volocopterで最高技術
責任者(CTO)を務めたアルノー・コヴィル氏が、最高開発責任者(Chief Development
Officer/CDO)に就任しています。
この様に資本を、人財確保に使うことは自然の流れです。そういう点では日本は人材教育、
人材資源の確保という考え方が世界の先進国からの後れを取っています。いかに日本企業は
技術や製品開発と同じ様に人材教育、人材資源の確保に力を入れて行くかが、日本再生の
鍵になると思います。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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