中国のTCab、E20eVTOLが試験飛行を開始

ドローン、空飛ぶ車

皆さんこんにちは!

今日は、中国上海に拠点を持つTCabという5人乗りのエタクシーを開発している企業を

紹介します。

TCab TechはEHangに続けるか?

E20 eVTOLの第1ラウンドのテスト飛行を完了

試験飛行を行うE20(画像:TCab Tech)

中国からのこの記事は昨日公開されました。EHangが2週間前にCAACから型式認証を取

得し、商業運転を開始できると発表したことを受けて、これは中国のeVTOL業界にとっ

て新たな重要な一歩となります。

「タイムタクシー」を意味する上海に本拠を置くTCabは、浙江省金華市の東陽横店総合

空港で、5人乗りティルトローター試作機E20 eVTOLの第1ラウンドの飛行試験を完了し

たとプレスリリースで報告しました。

TCab の研究開発チームは過去 4 か月間航空機のフレームのテストに費やしてきましたが

この最新の試験では電力およびエネルギー システムの信頼性が検証されただけでなく、プ

ロトタイプを改善するための大量の重要なテスト データも蓄積されました。 

E20 には、Safran Electrical and Power の 6 台の ENGINEUS™ スマート モーターが航

空機に継続的かつ信頼性の高い電力を供給するとともに、Safran の電源ケーブルとアビオ

ニクス ハーネスが装備され、機器間のエネルギーと信号伝送のためのネットワークを形成

します。

Safran 社の広報担当者は、「TCab E20 eVTOLの初飛行の成功は、中国の都市航空モビリ

ティにとって重要なマイルストーンであり、私たちはその一員になれることを嬉しく思って

います。」とコメントしました。これにより、中国のeVTOL業界におけるサフラングループ

の市場での地位はさらに強化されるでしょう。」

TCab の創設者兼 CEO である黄 永偉 (Huang Yongwei)氏は次のように述べています。

「TCab はまだ研究開発段階にありますが、この初飛行は重要なマイルストーンです。チー

ムは今後も有人eVTOLの商用化に注力し、商業価値の高い空の旅を創造していきます。」

さらに、「これは中国の総合的な立体交通の発展に役立つだろう」と付け加えました。

TCab E20 eVTOL

TCab E20 eVTOL(画像:TCab Tech)

TCab E20 eVTOLは、6基のティルトローター型全電動エンジンを搭載し、パイロットを

含む5人乗り。ペイロードは450キログラム、巡航速度は時速260キロ、航続距離は約200

キロとなっています。

プレAラウンドで1億人民元の資金調達

Shanghai Shide Technology Co., Ltd. (以下「Shide Technology)は、1億元(20億円)

Pre-Aウンドの資金調達が完了したと今年の2月に発表しました。

この資金調達ラウンドはYuanyi Investment (中国の投資会社)が主導し、

Kunlun Capital、KIP Capital、および古い株主であるLanchi Venture Capitalおよび

Dexun Investmentが参加しました。

Kunlun Capital は 2015 年に設立された今も起業の最前線で奮闘する起業家が率いる投資

機関として、ユーザー価値を核とし、最先端の技術革新に注力し、ニッチ分野の有力企業へ

の投資に注力している中国の投資会社です。

KIP Capitalは、富裕層向けの投資会社で、創設者のフサイン氏は、クウェートに本拠を置

く持株会社ザーラ・グループの共同創設者です。炭化水素への投資など。クウェート・エナ

ジーを含む石油・ガスベンチャーの設立を主導してきました。 

Lanchi Ventures は 1998 年にシリコンバレーで設立され、2005 年に北京で法人化されま

した。同社は、20 億米ドルを超える長期資本を持ち、米ドル/人民元の二重通貨ファンドを

管理し、一貫した収益を提供しています。

今後の取り組み

同社は今年1月末までに、25%と50%スケールの検証機の地上試験と風洞試験、傾斜移行飛

行試験を無事に完了しました。 

E20は、標準耐空証明を取得した最初の国産ティルトローター有人eVTOLの1つとなること

が期待されています。TCabは、EHangが最近達成したような型式認証に向けて、研究開発

への投資を増やす必要があるでしょう。

一方、中国環球テレビ網は10 月 27 日、同国の eVTOL 産業の成長する成功について議論

する 4 分 50 分のニュース コーナーを放送しました。これには、EHang の型式証明の取得

と TCab の E20 の初期飛行試験に関するセクションが含まれます。パリと来年のオリンピ

ックに関するコーナーもあり、eVTOLフライトが「ファンやアスリートを大会会場内で移動

させ、観光旅行を提供する」様子を紹介する予定。 

まとめ

先日のEHangの中国当局からの世界初の機体の型式証明の取得のニュースがあったばかり

です。今回、紹介したTCab TechのE20 eVTOL航空機についてもそのうち型式証明が

下りることでしょう。

EHANGのEH216-S,世界初のEVTOL航空機型式証明書取得
皆さんこんにちは! 先日、ナスダックの上場を一時中断したEHang(イーハング)。一転、中国の型式証明を 取得したとのニュースが飛び込んできました。 かたや、2025年の大阪万博の雲行きが怪しくなってきました。 中国、EHangのeVTOL...

ただし、中国が開発製造した民間航空機C919型機は中国国内で承認されましたが、FAAや

EASAなど世界ではその安全性が疑問視されているために認められてはいません。おそら

く数年は、中国国内または親友国内での飛行に留まるでしょう。

中国は技術的には、小型のドローンなどは世界一の水準です。それも単価が安く、広く世界

に広まっています。しかし、人を乗せて飛ぶいわゆる有人航空機の製造については多くの課

題と懸念があります。今後、EHangが世界で認められ、E20の信頼性、安全性が証明されれ

ば多くのユーザーが付くことでしょう。その一方で、中国の隠蔽政策など懸念材料をどれだ

け払拭できるかが、中国民間企業の発展を左右するでしょう。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

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