皆さんこんにちは!
先日、ELROY AIR(エルロイエア)の自律型eVTOL貨物航空機の実験機が初飛行に成功
しました。
エルロイエアは、カリフォルニアの貨物輸送会社です。大型のドローン貨物輸送機を開発
しており、軍需産業にも参画しています。
ELROY AIRのCHAPARRAL EVTOLプロトタイプが初飛行
エルロイ・エアの自律型eVTOL貨物航空機が初めて飛行したと、カリフォルニアに本拠を
置く航空機開発会社は11月16日に発表しました。ハイブリッド電気シャパラルC1プロト
タイプは11月12日に初飛行を実施し、エルロイ・エアの飛行試験オペレーションセンター
から垂直離陸しました。サンフランシスコのすぐ東にあるバイロン空港。57秒間のホバリ
ング飛行を経て、何事もなく着陸に成功しました。
エルロイエアの共同創設者兼 CEO の デイブ・メリル氏は、「今日は私たちのチームにと
っても、業界全体にとっても心躍る日です。」と述べています。「日曜日、当社のシャパ
ラル C1 は、タービン発電機とハイブリッド電気 hVTOL 航空機として初めて飛行しまし
た。ハイブリッド電気航空機により、滑走路に依存しない安全な冗長推進力と、バッテリ
ー電力だけをはるかに上回る長距離飛行という二重の利点が可能になるため、これは業界
にとって大きな転換点となる。」
シャパラル航空機は、300 ~ 500 ポンド (136 ~ 227 キログラム) の貨物を最大 300
マイル (480 キロメートル) の範囲まで運ぶように設計されています。12 個のプロペラ
を備えた固定翼と、バッテリーと 150 キロワットのタービン発電機を動力源とする分散
型電気推進システムを備えています。ガスタービンは飛行中にバッテリーを再充電するた
め、航空機の航続距離が延長され、ミッションの合間に航空機を再充電する必要がなくな
ります。エルロイは2019年から技術実証機とともに飛行しており、 2022年1月にシャパ
ラルC1量産試作機を発表しました。
自律型シャパラルVTOL航空機の試作版(画像:エルロイ・エア)
同社の自律型シャパラルVTOL航空機は、パイロットを乗せずに飛行できるだけでなく、人
間のオペレーターとの対話なしに、ロボットによって数分で荷物の降ろしや受け取りができ
るため、航空貨物サービスを変革すると述べています。同社は自動貨物処理システム用の
モジュール式貨物ポッドを設計し、フェデラルエクスプレスと協力してミドルマイル物流
のコンセプトをテストしています。
フェデックスに加えて、エルロイはシャパラル航空機を商業、軍事、人道活動に使用する
ことに関心を持つ複数の見込み客と契約を結びました。同社は30億ドル以上の受注残があ
ると主張しており、それらの注文の多くはすでに現金預金によって裏付けられています。
顧客には、ヘリコプター オペレーターのブリストウ、航空機リース グループのLCI、メサ
航空が含まれます。同社は2025年にブリストウへの最初の納入を目指しています。
LCI、エルロイ・エア・シャパラルEVTOL航空機をリースポートフォリオに追加
ハイブリッド電気 eVTOL 航空機は、500 ポンドのペイロードを最大約 300 海里まで運ぶことができます。(画像: Elroy Air/LCI)
リースグループのLCIは、エルロイ・エアのシャパラル自律型eVTOL航空機を最大40機を
リースポートフォリオに追加することに合意しました。1月11日に発表された確定命令に
基づき、アイルランドに本拠を置く同社は、20台の車両を取得するために非公開の手付金
を支払い、さらに20台のオプションも付けたのです。
LCIは、ハイブリッド電気シャパラル(可搬重量約500ポンド、航続距離300海里)が貨物
の配送のほか、災害救援、消防、人道活動などの用途にも使用されると見込んでいます。
機体下にカーゴポッドを設置したデザインが特徴です。
LCIによると、eVTOL車両は既存のヘリコプターや固定翼航空機を補完するものになると
いうことです。この発表では、貸主への最初の引き渡し予定日は確認されていませんが、
カリフォルニアに本拠を置くエルロイ・エアは以前、チャパラルをFAAの特別クラス
21.17(b)規則に基づいて認定され、年末までに商業運航を開始できるようにすることを
目指していると述べていました 。民間打上げ顧客であるブリストウ社は、2022年7月に
主に回転翼航空機の保有機群に100台のeVTOLを追加することに暫定的に合意していま
す。
LCIはLibraグループの一員であり、世界約60カ国に資産を所有・運営する子会社があり
ます。同社はロッキードマーチンなどの金融支援者であるエルロイ・エアと商業、金融、
エンドユーザーの専門知識を共有する計画だと述べています。
ロッキード・マーティン、エルロイへの4,000万ドルの資金調達を支援
ロッキード・マーティン・ベンチャーズは今週、自律型VTOL貨物機開発者エルロイ・
エアに対する4000万ドルのシリーズA資金調達ラウンドを支援した投資家の1人です。
この資金は、シャパラル大型ドローンをさまざまなミドルマイル速達や防衛物流用途に
商用サービスに導入するというカリフォルニアの新興企業の取り組みを支援すること
になります。
この資金調達ラウンドにより、エルロイが調達した総資本は 4,800 万ドルになります。
また、Marlinspike Capital と Prosperity7 Ventures に加え、Catapult Ventures、
Diamond Stream Partners、Side X Side Management、Shield Capital Partners、
Precursor Ventures などの既存の支援者からも支援を受けました。
米空軍、エルロイのチャパラル貨物機を支援
シャパラル自律型貨物機の開発は、Agility Prime プログラムを通じて米空軍の支援を受けています。(写真:エルロイ・エア)
エルロイは米空軍との契約からも資金を一部受け取っており、同社は最近カリフォルニア
のトラビス空軍基地で自立貨物配送システムを実証しました。
米空軍の Agility Prime プログラムは、フェーズ 3 中小企業イノベーション研究 (SBIR)
契約をエルロイ エアと締結しました。この契約は金額はまだ確認されていませんが、カリ
フォルニアに本拠を置く新興企業シャパラルの自律型貨物輸送eVTOL航空機の技術実証と
性能検証を支援するもので、飛行試験は2021年に開始される予定です。
Agility Prime は企業と協力して、兵站を含むさまざまな軍事任務をサポートできる新しい
高度なエア モビリティ車両の商用サービスへの参入を加速しています。空軍は、2023年
から初期運用能力を達成できる航空機を取得できるようにすることを目指しています。
ハイブリッドと言えば日本のHIEN
ガスタービンを使用しているハイブリッド型eVTOLの開発を行っている企業は日本にも
存在します。このブログでも再三お伝えしているHIEN AERO TECHNOLOGIESです。
HIENは、9月と10月に大分の県央空港での飛行実験を終了して引き続き開発を行って
います。
詳細や実験経過などは逐次、ブログ内で報告させていただきます。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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