皆さんこんにちは!
昨年末に破綻申請をしていたドイツのeVTOL開発企業リリウムに、投資家からの資金援助が
ありました。しかし、まだ多くの課題があり、早期の復活劇は成るのでしょうか?
投資家らがリリアム再始動に2億ユーロ以上を投入
クレジット: リリウム
電気航空機メーカーのリリウムの買収を目指す投資家グループは、破産した同社に2億
ユーロ(2億500万ドル)以上を投資する計画です。
モバイル・アップリフト・コーポレーション(MUC)も1月2日の声明で、取引は「第1四半期」に完了すると予想していると述べました。
ミュンヘンを拠点とするプライベートエクイティ会社ゼネラル・キャピタルとそのCEO
フィリップ・ショーラーが率いる同グループは、12月24日にリリウムの事業資産を買収す
ることに合意しました。主な投資家は、米国のプライベートエクイティグループ、フィフス・
ウォールが管理するファンドと、まだ名前が明かされていない欧州の金融投資家です。
当初のMUCの出資者であるゼネラル・キャピタルとアーリーバードも、バッテリーメーカー
のカスタムセルズ、リリウムの債権者と破産前の株主の一部と同様に、少額の出資で参加しています。
注目すべきは、これまでリリウムの最大の投資家だったテンセントが、新オーナーのグループ
から距離を置いており、破産手続きから抜け出した後も同社の株式を保有しないだろうということです。
モバイル・アップリフトは「リリウムを救うことはバイエルン州とドイツの航空業界にとって
極めて重要だ」と述べました。同グループは「パートナーはリスクと課題の大きさを認識し
ていますが、リリウムのような会社を失うことはドイツとヨーロッパにとって致命的です。
リリウムの新たに始まったリセットを成功させるには多くのことが揃わなければなりません
が、投資家はあらゆるチャンスを生かすと固く決心している」と警告しました。
モバイル・アップリフトは、ショラー氏が創業者CEOとして暫定的に経営していますが、
業界筋によると、クラウス・ローヴェ氏が今後は新設会社を経営する予定だということです。
同社は声明で、リリウム・ジェットを「単なるエアタクシー以上のもの」と考えていることを
強調しました。モバイル・アップリフトは、この航空機をヘリコプターの代替、定期地域医療
サービス、救急医療サービスなど、幅広い用途に活用できると考えています。
課題には、ドイツの破産法の多くの手続きが含まれる。とりわけ、リリウムの子会社 2 社の
債権者委員会がまだ結成されておらず、その後、モバイル アップリフトへの資産売却を承認
する必要があります。このプロセスは第 1 四半期末までかかる可能性があり、12 月 20 日に
ほぼ全員が解雇されたリリウムの元従業員にとって大きな不確実性が残ります。
新しい投資家は、新しい体制が整えばほとんどの元従業員が再雇用される用意があり、その間
に他の職に就いた人があまり多くないことを願わなければなりません。また、リリウムの新し
い所有者は、重要なサプライヤーがプログラムに引き続き参加することに賭けなければならないのです。
リリウムは、飛行試験キャンペーンの最初の数機の試作の開始から構築まで、ほぼ 15 億ユー
ロを費やしました。モバイル アップリフトの声明によると、資本増強は、おそらく認証を意味
する満期までの運営資金を調達することを意図しています。この声明は、グループがプログラ
ムを運用開始まで続けるには 2 億~ 3 億ユーロで十分だと考えていることを示唆しています。
リリウムは、2025年初頭にリリウムジェットの量産標準7座席バージョンを初飛行させる予
定でしたが、同社の再始動が予定通りに行われたとしても、そのスケジュールは少なくとも数ヶ月は遅れることになります。
現在リリウムに注入されることが合意されている金額は、当初のリリウム株主が2024年に
計画していた資本増強と同規模ですが、当時は政府支援の融資保証を条件としていました。
連邦議会の予算委員会は最終的にこの申請を却下しましたが、これがリリウムが2024年10月
末に破産申請することになった重要な要因の1つとなったのです。
まとめ
リリウムの破産申請を受けて、すぐに手を上げたのがモバイル アップリフトです。
モバイル アップリフトは、世界ではあまり知られてはいませんが欧米を中心とする通信企業です。
しかし投資家の多くは、短期間での収益が見込まれなければすぐに撤退してしまいます。
リリウムのような新興企業には開発費が資本の多くを占めます。また、量産対セが整わなけ
れば、収益が出ません。時間がかかればかかるほど資金難になるのです。
また、いったん解雇した従業員が再び戻ってくるかと言えば、それも疑問が残ります。
皆さんも経験したように、コロナで解雇した技術者が戻ってくることはありませんでした。
新たに人を雇うとなるとベテランの技術者からの伝承が途絶えてしまう恐れがあります。
どちらにしても、ここからは時間との戦いになります。
それば、先日破綻したボロコプターも同じ道を辿るでしょう。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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