梅雨

お天気

皆さんこんにちは

今日は『梅雨』についてお話ししましょう。

2022年(令和4年)の梅雨入りは

5月4日頃に沖縄地方が、11日頃には奄美地方が梅雨入りをしました。

昨日の5月30日に最新の梅雨入り予報が気象庁から発表されました。

予報によりますと

九州から関東地方にかけては、6月11日頃で『平年より遅い』

北陸、東北地方は6月12日から15日頃の『ほぼ平年並み』となっています。

それでは、梅雨についてお話ししましょう。

 

   梅雨の由来

『梅雨(ばいう)』は中国から伝わってきた言葉です。元々は雨が多く黴(かび)が生えやすい

時期であることから黴雨(ばいう)と呼ばれていました。黴はじめ締めとしたイメージであった

ため、同音であり、この時期旬を迎える『梅』の字を当て字として使用しました。

それではなぜ『つゆ』と読むのでしょうか?

雨が多い時期であることから『露(つゆ)に濡れて湿っぽい』という意味の『露けし』から

とった説と、梅が熟して潰れるじきであることや、長雨により食べ物や衣服が傷んでしまう時期

であることから『潰ゆ(ついゆ)』からとった説があります。

中国、台湾では『梅雨(メイユー)』、韓国では長霖(チャンマ)』といって、東アジア特有の

気象現象です。

 

  梅雨とは

晩春(4月5日頃~5月5日頃と言われています)から夏にかけて、雨や曇りの日が多く現れる

気象現象で、その時期を指します。

この時期には、オホーツク海高気圧と太平洋高気圧の間に梅雨前線ができます。

梅雨前線の生成には、ヒマラヤ山脈による偏西風の蛇行が大きく影響します。

  偏西風とは?

地球の中緯度帯(北緯30度~北緯60度付近)には年間を通じて卓越して西から東に風が

吹いています。その風のことを偏西風と言います。

日本列島は、沖縄地方(北緯20度)から北海度地方(北緯46度)となっており、この中緯度

帯に入っています。

  偏西風のメカニズム

地球の気温分布は、太陽に近い赤道付近で気温が高く、反対に太陽から離れた北極、南極で

気温が低くなっています。この温度差を小さくするために、赤道の温かい空気は北極方向へと

向かいます。これに地球の自転による力が右向きに働くことで空気の流れは西から東に向かって

流れていきます。

そしてこの南北の温度差が大きいほど流れが強くなって、偏西風またはジェット気流という

強い風が生まれるのです。

これが、天気(晴れや曇り、雨)の変化が西から東に移動するということです。

 

  梅雨前線のメカニズム

梅雨前線の発生には、性質が異なる空気の塊(気団と呼ばれています)が関係します。

その異なる空気の塊(気団)のぶつかるところで、前線が生成されます。

梅雨前線に影響する気団は・・・

揚子江気団    暖かくて乾いた空気

太平洋高気圧   暖かくて湿った空気

オホーツク海高気圧   冷たく湿った空気

特に、オホーツク海高気圧は偏西風の影響を受けて発達します。

そして、前線が発達し、停滞することで、同じところで雨が降り続くことになります。

その中でも特に発達して、大災害をもたらすものに『線上降水帯』と呼ばれるものがあります。

 

  線上降水帯

  線上降水帯とは?

線上降水帯とは、降水セル(強い雨雲)が風上側で発生、発達し、その強い降水域が同じ地域に

停滞して、降水が持続するために集中豪雨が起こる現象です。

近年では、2020年(令和2年)7月の熊本豪雨が記憶に新しいと思います。

活発な梅雨前線の影響により、西日本から東日本の広範囲にわたり長時間の大雨となりました。

熊本の球磨川が氾濫して大きな被害をもたらしました。

 

   線上降水帯予報

明日、6月1日より線上降水帯予報を開始します。これまでも集中豪雨の警報、予想はあったの

ですが、これまでの災害を踏まえて官民一体となって対策に乗り出しました。

気象レーダーやコンピューターの発達に伴い、正確な位置での線上降水帯の予測に

成功しました。なんと1時間先の雨雲の予測精度が約5倍に向上しました。

ただし、3時間先の高精度の予測はまだまだ難しく問題があります。

今回の線上降水帯予報では、半日前には警報などを出せるよう自治体と取り決めていますが

精度の問題で『空振り率』が大きいのが現状です。

今後の精度の向上に期待しましょう。

 

何かおかしいと思ったら、早めの避難を心がけてください。

人命が第一です。

 

   梅雨明け

太平洋高気圧の勢力が増すと梅雨前線は北上して行き、やがて消滅、梅雨明けとなります。

北海道では、『蝦夷梅雨』という言葉はありますが、梅雨前線が北海道付近まで北上することは

ありません。梅雨の現象がはっきりしない北海道では梅雨はないとされています。

今年の梅雨明けは

沖縄地方で6月21日頃

九州南部は7月15日頃

九州北部から関東にかけては7月19日頃

北陸は7月23日頃、東北は7月28日頃と予想されています。

まだ梅雨も本格的に始まってはいませんが、『備えあれば憂いなし』で

災害についての準備、天気予報や自治体からの情報に気を配ってください。

 

それでは今日はこの辺で

またお会いできる日を楽しみにしています。

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