皆さんこんにちは!
宅配大手のジップラインが、ドローンを使った宅配の新たな技術を発表しました。
ジップラインが開発した新しいプラットフォームは、斬新で且つ効率の良いものです。
ドローン宅配業界のゲームチェンジャー(試合の流れを一気に変える選手)になる!
ジップラインは配達用ドローンの設計、製造、運用を行うアメリカの会社です。
同社は、ルワンダ、ガーナ、日本、米国、ナイジェリアに配送センターを運営しており
コートジボワールとケニアでサービスを開始する契約を締結しています。
ジップライン、新自律ドローン配送システムを発表
ジップラインの宅配プラットフォーム
ジップラインの宅配プラットフォームは、風がそよぐ葉の音ほど大きくならないよう
に設計されており、10 マイル(16km)の配達を約 10 分で完了し、従来の自動車配
達の最大 7 倍の速さで配達できると予想されています。
ジップラインは、プラットフォーム 2 (P2) と呼ばれるこの新しいテクノロジの構築
と微調整に過去数年を費やしてきました。ジップラインのドローンは、地上 300 フ
ィート(100m)以上を飛行し、音がほとんど聞こえません。ドローンが到着すると、
ドローンはその高度でホバリングします。ドローンが目的地に到着すると、その高度
で安全かつ静かにホバリングし、完全自律型の配達ドロイドがテザーを操作して正し
い場所に誘導し、中庭のテーブルや家の前の階段などの小さなエリアに荷物をそっと
落とします。これを可能にしたのは、航空機とプロペラの設計の大きな革新です。
ジップラインの宅配専用ポッド(ZIPLINEより)
Sweetgreenは家庭に野菜を
サラダを提供するアメリカのファスト カジュアル レストラン チェーンの
Sweetgreen (スウィートグリーン)は、ジップラインと提携することで、米国で
人々に本物の食を提供するというミッションをさらに推進するとともに、2027年ま
でにカーボンニュートラルを実現するという公約に一歩近づくことができるとして
います。ジップラインのマーケットプレイスを通じて注文することで、スウィート
グリーンの顧客は、従来の自動車による方法よりも97%少ないエネルギーで注文を
受けることが可能になります。
Sweetgreen (スウィートグリーン)は、環境に配慮した野菜デリバリー企業
薬を空から
ミシガン大学病院は、ジップラインの新サービスを利用して、院内薬局で充填する処方
箋の数を毎年2倍以上に増やす予定です。インターマウンテンヘルスケア社は、ユタ州に
本拠を置く 33 の病院 の非営利団体であり、3,800 人以上の医師を擁する医療グループ
です。同社は、ソルトレークシティ都市圏の患者宅への処方箋の配達にジップラインを
利用します。ジップラインのマルチケアヘルスシステムは、病院、研究所、医院を含む
マルチケアの施設ネットワーク全体で、診断の迅速化、処方箋や医療機器の配送に新プ
ラットフォームを使用する予定です。
また、ジップラインの最初の顧客であるルワンダ政府は、同社の新しい宅配サービスを
利用して、キガリをはじめとする国内の家庭、ホテル、医療施設への都市型空中ラスト
マイル配送を実現する予定です。
ジップライン配送の仕組み
ジップラインは、新しく開発されたシステムによって、正確且つ迅速な配達ができる
のでしょうか?一連の流れを紹介します。
ステップ1
注文を受けると専門チームが、製品を選別確認して梱包します。これは従来と変わり
ありません。
ステップ2
梱包した荷物の安全性と品質をチェック。そしてドローンに搭載。
ここまで約27分!
ステップ3
ドローンは、専用のカタパルトから高速で発射されます。すぐに自律飛行へと移管され
安全に目的地上空まで飛行します。
ステップ4
パラシュート、もしくは小型のケースを吊り下げることにより目的地へ配送を完了。
プラットフォーム1(P-1)整備されていない土地(場所)などに活用
プラットフォーム 2 (P2)
ジップラインは今年、約 100 機の航空機を使用して 10,000 回以上の飛行を含む大量
の飛行試験を実施する予定です。同社は 2022 年にこれまでのすべての年を合わせた数
よりも多くの配達を完了し、2023 年末までに約 100 万回の配達を完了する予定です。
日本のジップライン
豊田通商は、2018年6月に、シリーズC資金調達ラウンドにおいてジップライン社に
事業会社として初めて出資、業務提携を締結しました。ガーナでの協業では、豊田通
商グループの医薬品輸入卸販売事業会社であるGokals-Laborex Limited(ゴカルスラ
ボレックス社)が取り扱う医薬品を、ジップライン社が同国内の医療機関に届けてい
ます。
シリーズC資金とは、その出資企業に対して黒字経営が安定的であり、M&Aの段階を
意図しており資金は数億円~10数億円以上と言われています。
同社は、ジップライン社からの技術提携を受け、日本でのドローン物流サービス事業
構築を推進します。過疎地・離島における医薬品などのドローン物流を通じて、人手
不足や物流課題、医療アクセスの格差といった社会課題の解決に貢献し、人々の生活
をより快適に豊かにすることを目指します。
豊田通商がジップラインと協業を行っている背景には、トヨタグループとしてカーボン
ニュートラルに向けた取り組みを行っています。豊田通商ならではの強みを生かし、
モビリティ分野での技術革新や新ビジネスで新たな「付加価値」の提供を目指す、ネク
ストモビリティ戦略の一環です。トヨタグループの商社としてグローバルな自動車事業
で培った知見とジップライン社の技術を生かし、新たな空のモビリティとして期待され
るドローン物流事業を推進します。
日本のドローン宅配
日本郵便は3月23日、国内初となるレベル4(有人地帯での補助者なし目視外飛行)に
よるドローン配送を実施しました。
この取り組みでは、奥多摩郵便局(東京都西奥多摩郡奥多摩町)~配送先地区の受取
人宅間をレベル4飛行で往復。業務提携先のACSLと連携し、国による「第一種機体
認証」を取得した機体を 「一等操縦者技能証明」を保持する操縦者が新たな運航ル
ールに従って飛行させることで、これまで以上の安全性を確保。
使用する機体はACSLの「PF2-CAT3」で、安全対策として非常用パラシュートを
搭載しています。
ACSLの「PF2-CAT3」
上部中心にあるのがパラシュートです。また、左右2カ所にGPS受信機を装備
して安全を確保しています。今回の実験は、山間部でLTE電波が入りにくい
地域でもあります。そのためGPSに頼らなければならない面があります。
今回は、ACSL社製(日本)の初めてのレベル4が承認された機体です。
現在、アメリカをはじめとする西側諸国は、中国との貿易、防衛問題を抱えて
おり、アメリカに至っては中国製品、企業の排除を行っています。ドローン業
界でいいますと、中国のDJI社のドローンが世界NO1のシァーと性能を持ってい
るのですが、これもアメリカや日本でも排除の対象になりつつあります。特に
日本の政府関連企業や省庁(国土交通省、防衛省、経済産業省など)は規制が
厳しくなっています。そこで今回の実験も、国産品ができてからの運用となった
経緯があります。また、操縦者も3月初旬に初めて国家試験合格者が出ました。
これも法整備が遅れている証拠です。
まとめ
世界と日本を比べてみると、機体やオペレーター(操縦士)に関しても大きく
後れをとっています。これは、行政ばかりが悪いとは言い切れない部分が多く
あると私は思います。
現在、日本の空飛ぶクルマといわれているSkydrive(スカイドライブ)やテトラ
などの企業は素晴らしいアイディアを持っていながら、それを形にできる技術者
が育ってきていないとうい重大な問題に直面しているからです。日本の中小企業
は、素晴らしい技術を持っています。しかし、バブル崩壊やリーマンショックな
ど不景気によって優秀な多くの企業が倒産し、その技術が失われてしまいました。
この機会を利用して新たな技術者の育成にも力を入れて、未来の技術国日本の
復活を待ち望み、官民一体となって発展していって欲しいと思います。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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