皆さんこんにちは！
今日は、ある航空ジャーナリストが解析したeVTOLのコストと省エネについての
記事を紹介します。
ビョルン・フェールム氏、航空経済アナリスト
ビョルン・フェールムは、リーハム ニュース アンド アナリシス（この記事の
出版会社）に航空経済アナリストとして入社しました。彼は LNA の技術的評価
に焦点を当てており、航空ライターの間では優れたレベルの技術的および航空機
経済レポートを提供しています。
彼はスウェーデン空軍の航空技術者および戦闘機パイロットとしてのバックグラ
ウンドを持ち、空軍ではドラケンを操縦し、ビゲンおよびグリペン プログラムに
取り組みました。空軍を辞めた後、彼は SAAB で対策分野のグリペン プログラム
に従事しました。
ビョルン・フェールムは、空力データから運用コストまで、航空機の完全な性能
分析を可能にする リーハム社 の Aircraft Model の開発者であり専門家です。
ビョルン・フェールム は、航空/ハイテク分野で 4 つの世界的な特許を取得して
います。彼は、エアバス A350-900 を操縦し、パイロットのレポートを提供する
機会を与えられた 4 人の航空ジャーナリストの 1 人でした。さらに、彼は
3 人の航空ジャーナリストの 1 人として CS300/A220-300 を操縦しました。
同社は 25 年以上前にスコット ハミルトンによって設立されました。彼はリーハム
ニュース アンド アナリシスの編集長です。航空ニュース業界で 30 年以上を過ごし
てきた彼は、2009 年にリージョナル エアライン カテゴリーで最優秀航空宇宙ジャ
ーナリストに選ばれ、2010 年から 2013 年までパシフィック ノースウエスト航空
宇宙同盟の理事を務めます。
eVTOL、コストはどれくらい？
昨日の記事にも書きました、ユナイテッド航空のハブであるニューアーク リバティ
国際空港とニューヨーク市のダウンタウン マンハッタン ヘリポート間の最初の米国
計画 eVTOL ルートをアチャートと開始します。
このモデルを使用して、エネルギー、乗務員、メンテナンス、空港、進行中、およ
び資本コストを分析しました。手順を含めて 30 分の典型的な都市から空港へのフィ
ーダー ミッションの総コストは、200 米ドル強（約29000円）になります。
上の図が費用の内訳になります。
問題の領域は、32% のバッテリー更新コスト、25% のヘリポート、空港、および
その間の空域を使用するコスト、および 23% のパイロットのコストです。さらに、
結論として、eVTOL OEM （Original Equipment Manufacturer：相手先ブランド
製造）が好んで議論するコスト、つまりエネルギー コストは、エア タクシーの運用
コストとは無関係です。
彼の数値は 30 分間のフライトであり、アーチャーが提案した 10 分間の飛行では
ないことです。
一方、たとえば、Joby と Wisk が乗客 1 人あたり 1 マイルあたり 3 米ドルを提案
し、1 回のフライトで最大 4 人の乗客が旅行できると提案している場合、明らかな
問題は? 特に初期の段階で、eVTOL企業はどのように利益を上げるのでしょうか？
Joby の CFO である マット・フィールド氏は次のようにコメントしています。
『1 マイルあたり 1 席あたり 86 セントの運用コストを見積もっています。』と。
費用の内訳
: パイロット 22 セント
:メンテナンス (人件費を含む) 19 セント
: Vertiport サポート/着陸料 11 セント
:バッテリーと充電 13 セント
: 航空機と保険 9 セント
:日用品 12 セント
乗務員のコストがその 200 米ドルの 23% を占めているという フェールム の分析は、
自律性が実現すると消滅するでしょう。しかし、バーティカル エアロスペースのよう
な企業は、少なくとも最初の 10 年間は、VX4 に搭乗するパイロットを採用すると話
しています。
また、フェールムは、eVTOL バッテリーにも焦点を当てています。
1機のeVTOLは年間 5 個以上のバッテリーが必要であり、更新コストを自動車業界の
コストに基づいて計算することはできません。今年は約50億個のエネルギー指向のバッ
テリーを生産しています。この 10 年間の終わりには、eVTOL 業界は自動車業界の
0.1% 未満の電力が最適化された特殊なセルを必要とするようになるでしょう。
eVTOL 業界は、バッテリーが大幅に改善され、間接的なコストの削減にも役立つこと
を望んでいます。
eVTOLは本当に経済的（省エネ）なのか？
新しい航空輸送カテゴリである eVTOL、または電気推進式の垂直離着陸機に
ついて、混雑した都市や高速道路の上空での地域の航空輸送をヘリコプターに
置き換えることを前提としています。問題は、eVTOL が持続可能な航空輸送に
どのように適合するかということです。
eVTOL の 1 マイルまたは 1 km あたりの典型的なエネルギー消費量があります。
市内中心部から地方空港までの 25nm 区間で 50kWh を消費しました。
4人の乗客とパイロットがいました。また、距離にカウントされない離陸および
着陸も含まれていました。
Joby が計算で想定しているレベル (平均で 2.3 人の乗客) まで負荷率を下げると、
eVTOL が軽くなり、旅行の消費量は 42kWh になります。これは、乗客を 25nm
つまり 0.73kWh/nm、0.39kWh/km、または 0.63kWh/mile 移動させるために、
乗客 1 人あたり 18.3 kWh を消費することを意味します。
ウィキペディアを使用して、乗客の移動距離あたりのエネルギー使用量の値を計算
します。
乗客が空港シャトル列車を利用する場合、消費量は約 0.10kWh/km であり、
eVTOL の 1 人 km あたりの消費量は 4 分の 1 です。この値は、停車駅と発車駅が
多い「アーバン レール」用です。直行便を使用する空港シャトルは値が低く、
0.05kWh/km の普通列車に近くなる可能性があります。
負荷率が 75% の ATR 72-600 のようなターボプロップは、300nm の典型的な
フィーダー ルートで、乗客および km (0.10kWh/km) あたりのエネルギー消費量
は同じです。都市間のボーイング 737 MAX またはエアバス A320neo は、乗客
および km あたり 0.15kWh を消費します。エネルギー消費量が多いほど、速度
が速くなります。
前述のように、ガソリン車はエネルギーを大量に消費します。0.60 kWh/km で
eVTOL より約 50% 多くエネルギーを消費し、人を輸送しますが、代わりに電気自動
車を使用すると、0.15 kWh/km、つまり乗客が eVTOL で飛行する場合の 2.6 分の 1
になります。これは、毎日の使用で平均して 1.4 人が車内にいるときです。
図 は、過去 200 年間の種類別のエネルギー消費量を示しています。過去 50 年間
で、私たちのエネルギー消費量は爆発的に増加し、主なエネルギー源は炭素ベース
石炭、石油、天然ガスです。輸送システムが今日と明日の消費に電気エネルギーを
使用している場合、私たちはエネルギー消費の問題を抱えており、現在世界を動か
している炭素ベースのものに取って代わる十分なグリーン資源がありません。
電気自動車やシャトルトレインの 2.6 倍から 4 倍のエネルギーを消費する新しい
交通手段（eVTOL）を使用した場合、エネルギー消費が電気エネルギーに基づいて
いるという理由だけで持続可能な人々の移動手段と言えるでしょうか?
全体として、一人当たりのエネルギー消費量を増やすのではなく、減らす必要があ
ります。eVTOL は、一部の大都市では空港にアクセスしてヘリコプター サービス
に取って代わるより便利な方法になりますが、それは今日、そのような輸送手段を
使用する特権的な少数またはビジネス旅行者向けです。もちろん、エネルギー消費
を減らすための手段ではありません。
まとめ
今日は航空業界に特化したニュース、トレンド スポッティング、分析の Web サイト
であるleehamnews.com からの記事を中心に、eVTOLのコストと省エネ（経済性）
について紹介しました。
結果として、経済面ではeVTOLは空港の高速列車や電気自動車にはかなわない。
コスト面では、パイロットの人件費やバッテリーの効率化が課題になってくる。
ということです。
結論から言いますと、eVTOL【あえてＵＡＭ（都市型空中移動航空機）】については
ヘリコプターの代替えになり、コスト的には削減できます。ただ、エネルギーコスト
的には、他の大型電動輸送車両にはかないません。eVTOLが、活躍するのは都市部の
渋滞時や離島間輸送、観光などです。その他、救急搬送、災害時などになります。
これらを考慮して、機体の開発や実際の運用などを考えるべきです。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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