皆さんこんにちは!
今日はパイロットの制服についてお話しします。
パイロットの制服
元々は船から来ている
空港で飛行機を待っていると、その横を数人のCA(客室乗務員)さんを連れて歩いて
いるパイロットを見かけることがあります。だいたい先頭は機長、その次が副操縦士
CAさんもパーサー(一番偉い人)他のCAさんと続きます。
パイロットの制服ってかっこいいですよね。そんなパイロットの制服は、ほとんど
船舶からの由来なのです。
ブレザー
制服の上着は、だいたいがブレザーです。シングルタイプ(ボタンが1列)とダブルタイプ
(ボタンが2列)に分れます。最近はシングルタイプのブレザーもありますが、ダブルタイ
プの方が昔は支流でした。
前合わせがダブルの上着の起源はポーランド騎兵の服装であり、乗馬の際に風が入らないよ
うに前合わせがダブルとなったと言われており、18世紀には広く軍服に使われるようになり
ました。ブレザーの語源は、イギリス海軍の軍艦ブレザー号であると考えられています。
ブレザー号のJ.W.ワシントン艦長がジャケットを揃え、全乗組員が着用しました。そして、
これを見た他の艦でも制服を誂えることが流行しました。
イギリス海軍士官のフロックコート。(ウィキペディア)
余談ですが、セーラー服をご存知だと思いますが、日本では女子学生の制服として
有名です。元々は、セーラー(水兵)ですから、これも船から来ています。
ちなみにその原型は1800年代前半で、イギリスによって生み出されたと言われています。
当時はまだまだイギリスでも海軍には制服がなく、船によって艦長の趣味で制服を決めて
いたようです。そのため、同じ軍隊に所属しつつも任官されている船によって制服がまっ
たく異なってしまったのです。事態を重く見たイギリス海軍本部は海軍共通の制服を作り
たいとのことで登場したのがセーラー服だったのです。
特徴的なのは、後ろに大きく垂れ下がっている襟(えり)です。これは、船の甲板での
話を聞きやすいように話をするときは襟を立てていたそうです。
話を制服に戻します。袖の部分に横縞の線が何本か入っています。これは、軍隊でいうと
ころの階級章を表しています。パイロットの制服にも、機長は4本線、副操縦士は3本線
航空機関士は2本線などと決められています。なぜ、機長が4本か?は諸説ありますが、
海軍の階級章で一番上の階級(船長)が4本だったからというのが定説のようです。
では、なぜ袖に付けているのでしょうか?
当初イギリス海軍では、袖に何も付いていませんでした。甲板の上は寒く、鼻水などを
制服の袖で拭いていたのであまり見た目の良いものではありませんでした。そこで、制服
の袖に縄を巻いて鼻水を拭けないようにしたということ(説)です。
一方、夏になるとブレザー(上着)は熱くて着れないので、ワイシャツになります。
そこで階級がわからないので、わざわざワイシャツの肩に肩章(けんしょう)を付けるよう
になりました。元々、肩章は肩の線に沿って装着される細長い布あるいはモール紐等ででき
た付属品でした。リュックサックの負革その他の装備品を固定する等の実用的な目的のため
に、古くから軍服に用いられていました。その後、装飾を目的としたものも現われ、軍隊
に於いて階級が整備されてくると、それらを表示する機能を持たせられるようになったの
です。
19世紀初頭のプロイセン軍の正装(ウィキペディア)
パイロットの肩章
帽子
パイロットの帽子は、このようにつばの付いた帽子です。つばの機能ですが、日よけ
はもとより、飛行機の外部点検時にオイルなどが目に入らないようになっています。
帽子本来の目的は、外部点検時に障害物(飛行機の突起物など)から頭を守るためです。
もう一つの目的は、緊急時(船から脱出など)に誰が指揮をとっているかが一目でわかる
ようにするためです。機長の帽子のつばには金のモールが付いています。
また、普段は使いませんが風の強いときなどに帽子が飛ばないようにあごひもが付いてい
ます。
18世紀ごろの船乗りは、三角帽子(さんかくぼうし)をかぶっていました。
元々は、17世紀に、スペインの兵士がかぶっていたもので、丸くてつばの広い帽子が進化
したとも、17世紀後半に、つばが巻いてあっただけなのが進化したともいわれています。
また、海賊たちが、船上でかぶると、つばが邪魔になるので巻きあげて止めたともいわれて
います。この帽子の特徴は、実用的なところで、上向きになった部分が溝を作るため、雨が
顔にじかに落ちず、肩に流れて行くようになっています。
三角帽子(ウィキペディア)
この三角帽子から、現在のキャップ型帽子に進化していきました。
まとめ
いかがでしたか?パイロットの制服は、ほとんど船(海軍)から来ています。
飛行機そのものをSHIP(シップ:船)と呼んだり、乗務員をクルーと呼んだり
名前の由来は船からです。ちなみに、クルーとスポーツなどで使うメンバーの違いは、
船のように難破したりしたときのように運命共同体であるかそうでないかの違いです。
某ハンバーガーチェーンは従業員のことをクルーと呼んでいますが・・・
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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