スペイン、極超音速機開発会社デスティナスの水素推進計画を支持

飛行機

皆さんこんにちは!

スペイン政府が、極超音速機を開発しているデスティナスの水素エンジン計画に

巨大な資金を注入しました。

Destinus の計画を支援

スペイン政府からの資金援助

スペイン政府は今週、水素動力の極超音速航空機を開発する デスティナス の計画を

支援するための助成金を援助しました。スペイン科学省の Centro para el Desarrollo

Tecnologico e Industrial (CDTI) プログラムからの資金調達は、総額約 1,000 万ユー

(1,100 万ドル:約15億円) と予想されており、ヨーロッパの新興企業が初期モデル

の研究開発を強化するのに十分な資金です。

3 月 23 日に確認された 2 つの助成金のうちの 1 つは、 デスティナス が空気吸入式

水素エンジンの設計に使用するマドリッド近郊の施設の建設に充てられます。

2 番目の助成金は、将来の超音速航空機の革新的なパワートレインをテストする目的

液体水素推進に関する研究に資金に充てられます。

2022 年 6 月、スイス、ドイツ、フランスにもチームを擁する デスティナス  は、

スペインの Instituto Nacional de Técnica Aeroespacial の支援を受けて水素推進試

験施設を共同開発することで、スペインのエンジン メーカー ITP Aero と合意に達し

ました。CDTI は現在、このプロジェクトを航空技術計画の下での戦略的イニシアチブ

としています。

Instituto Nacional de Técnica Aeroespacial は、国防事務局に依存するスペイン行政

の自治機関です。航空宇宙、航空学、流体力学、防衛およびセキュリティ技術の研究を

担当しています。

スペイン政府は、欧州委員会の NextGen 基金の支援を受けて、水素推進の開発に力を

入れています。計画 Nacional del Hidrógeno の下で、国は再生可能水素の主要な生産

者となり、さまざまな分野で水素ベースのモビリティを開発することを目指しています。

デスティナスが水素のみのエンジン技術を開発している唯一の企業であり、水素駆動の

燃焼後ジェットエンジンで最初の試験飛行を行う準備を計画しているため、新しい資金

が投入されました。試験飛行はサブスケールの技術デモンストレーターを使用し、同社

のスイス本社の近くで実施されます。

試験飛行は引き続きガス状の水素で行われ、時速約 300 km (163 ノット) を超える亜

音速でのみ行われます。デスティナスチームは、2024年初頭までに超音速試験飛行の

プロトタイプにすでに取り組んでいます.

これまでに5000万ドル(約68億円)以上を調達したという同社は、 2021年にユングフ

ラウ航空機でテスト飛行を開始し、アイガーと呼ばれるより大きなモデルも飛ばしました。

アイガーがハードランディング事故で損傷しましたが、2022年にユングフラウでの飛行

試験を再開しています。

Destinus is using its Jungfrau technology demonstrator to test the hydrogen propulsion system for its planned hypersonic aircraft.

ユングフラウ航空機

ユングフラウ山は名峰マッターホルンと並ぶ有名なスイスの山です。

ユングフラウ鉄道からの景色

ユングフラウ地方の位置

極超音速水素航空機 2022年12月30日記事

極超音速水素航空機
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100人の乗客でマッハ5の速度

デスティナスの長期的な目標は、マッハ 5 を超える速度で大陸間飛行を行う航空機を

製造することです。同社は、最初の旅客機の座席数は 100 未満になると予想していま

す。2020年代の終わりまでに航空機を就航させることを目指しており、最初の申請は

貨物便である可能性があり、ブラジルのチャーター企業フラッパー2022年に購入

する契約に署名しました。

フラッパーは、デスティナスが開発中の水素動力の極超音速航空機を、ラテンアメリ

カとヨーロッパの高速貨物配送飛行ルートに使用する方法を検討しています。

水素アフターバーナーで音の壁を打ち破る

デスティナスは、数か月にわたる開発と準備の後に水素を使用した自社製アフターバーナー

技術のテストを開始しました。

従来のターボジェットまたはターボファン エンジンは、旅客機に見られるようなもので、

(1) コンプレッサー、(2) 燃焼室、(3) タービン、(4) ノズルの 4 つの主要部分で構成さ

れています。これらのエンジンは、亜音速で効率よく機能し、時には超音速まで機能しま

す。一方、アフターバーナーは、高い超音速を達成するために最も重要な技術です。

音速の壁を通過するために必要な余分な推力が生成されるため、事実上すべてのジェット

戦闘機に見られます。アフターバーナーは、将来ラムジェットと組み合わせることもでき

効率よく統合された推進システムを生み出すことができます。

超音速では、従来のターボジェット エンジンは、高速の気流によってエンジン内が高温

になるため、性能が制限されます。アフターバーナーは、エンジンから出る前にノズル

ジェット流に追加の燃料を噴射することで、エンジンの推力を高めます。これにより、

上流の温度を上げることなくエンジン出力を高めることができます。

水素燃料技術は、炭素排出量がゼロであるだけでなく、水素はジェット燃料(JA-1A)と

比較して単位質量あたりのエネルギー含有量がはるかに高くなっています。これは、水素

を使用すると、エンジンの燃料効率が向上することを意味します。また、着火遅れが短い

ため、一部のジェット燃料アフターバーナーよりも燃焼システムを単純化できます。

テスト結果と次のステップ

アフターバーナー実験の目的は、チャンバーと排気温度を測定することと、生成される

追加推力を測定することでした。この測定により、関連するさまざまな水素現象につい

て学び、工学モデルを検証しています。これにより、将来の飛行プロトタイプや製品の

ために、水素を動力とするより大きな推進システムの開発がサポートされます。今後数

か月以内に、同じテスト スタンドを使用して、推進システムに関連する他のコンポーネ

ントをテストします。この計測器付きテスト スタンドはコンテナ内に配置されるため、

必要に応じて他のテスト場所に簡単に移動できます。 

このアフターバーナーは現在、ユングフラウのプロトタイプに搭載されています。まもな

く水素を使った最初の飛行を発表します。

まとめ

マッハ5というとてつもない速度に挑戦しているデスティナスですが、元々は宇宙開発

を得意とした会社です。その技術を応用して、極超音速機を製作しています。

そして、推進装置が水素エンジンであることに将来性を感じます。

初めて音速を超えた旅客機はコンコルドでした。残念ながら短命に終わりましたが

コンコルドが残してくれた夢は、デスティナスに受け継がれています。

アフターバーナーですが、私も戦闘機に乗っていた時代はよく使っていました。

離陸時は、背中を強い力で押される感覚で飛び出していきます。欠点と言えば

騒音と燃料効率が悪いことです。これらの問題を解決するためにデスティナスは、

成層圏飛行という新たな発想に至ったのです。

試験段階で着陸失敗はありましたが、試験中は当然のことです。失敗を恐れずに前へ

突き進んでいってほしいです。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

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