皆さんこんにちは!
従来のチューブアンドウィング飛行機は、効率向上という点で限界に達しています。
そこで考え出されたのが、BWB(Blended Wing-Body )です!
次世代の翼を開発したJETZERO
空気摩擦抵抗を軽減する方法、BWB
旅客機の主要な抗力成分である空気摩擦抵抗を軽減するには 2 つの方法があると結論付け
られています。
効率的なパッケージングによって航空機の接液面積を減らすか、層流の量を増やすことで
抗力係数を減らすことができます。
この 2 つのうち、層流の量を増やすことは難しいことがわかっています。昆虫や汚れによ
る日常的な汚染により、航空機の前縁を乱流をはねる汚染から守るために頻繁に洗浄する
必要があるからです。
接液面積を減らす航空機のアーキテクチャは、Blended Wing-Body (BWB) です。
JetZeroの航空機は、根本的に不安定で大きな尾翼面を必要とする従来のチューブ設計
に比べて、空力効率を大幅に向上させ、さらに重量と抗力を生み出します。
Blended Wing は尾翼表面を必要としない自然に安定した設計であるため、不必要な複
雑さが排除されます。より短く幅広の胴体がブレンドされ、翼を模倣して揚力をもたら
します。これにより必要な表面が減り、空気抵抗が少なく軽量な航空機が作成されます。
効率の美しさは、それが複合的に作用することです。抗力と重量が減少すると、エンジン
のサイズが小さくなり、抗力と重量がさらに軽減されます。その結果、既存のナローボデ
ィ機のエンジンを使用し、小型ワイドボディの乗客定員と航続距離を備えた航空機が誕生
しました。この画期的な進歩により、代替となる老朽化した航空機の燃料消費量と排出量
の半分を達成する航空機により、中間市場のギャップが埋められます。
Blended Wing-Body (BWB)は約50%の抗力を削減できます(画像: JetZero)
ボーイング 767-200 に重ねられた JetZero Z5航空機(画像: JetZero)
接液面積と重量が減少し、スパンが増加したことにより、5,000nm セクターを飛行する際
の抵抗が大幅に減少しました。
BWBを可能にする企業、JetZero
国内線 2 クラスで 5,000 海里まで 250 人の乗客を運ぶための Z5 BWB を提案する新興
企業 JetZero です 。
JetZero は、航空に関する深い専門知識と革新的な起業家精神を融合させています。
創設者でエンジニアリング界の著名人であるマーク・ペイジは、マクドネル・ダグラス社
のチームメンバーのボブ・リーベックとブレイン・ロードンとともに超効率的な機体を開
発しました。その後、DZYNE Technologies を共同設立し、NASA と協力して BWB の設
計を推進し続けました。
共同創設者のトム・オリアリー氏は、ゼロエミッション破壊企業 BETA と Tesla で重要な
役割を果たし、2021 年に Mark に加わり、Mark の BWB の取り組みを DZYNE からスピ
ンアウトし、BWB を市場に投入するという唯一の使命を持った JetZero を設立しました。
それ以来、チームは成長し、この使命を実現するための経験、才能、意欲を備えたアドバイ
ザー、従業員、パートナーの素晴らしいグループを擁するまでに成長しました。
JetZero Blended Wing は、ジェット機時代の幕開け以来、民間航空機アーキテクチャにお
ける最大の進歩であり、二酸化炭素排出量ゼロの航空という究極の目標に向けた最良の第一
歩です。この航空機は 100% SAF 互換性があり、二酸化炭素排出量ゼロの水素を収容でき
る内容積を備えて 2030 年に就航予定です。
画期的な客室のレイアウト
客室は 3 つの客室が並んで構成されています。
ユニークな客室レイアウトにより、通路が増え、すべての乗客の機内持ち込み手荷物専用の
場所を備えたより多くの収納スペースが確保されています。その結果、航空会社や空港の
ターンタイムが短縮され、業務が改善されます。
ブレンデッドウィングの形状は、チューブアンドウィング航空機のスペースの制約を乗り越
えるユニークな空間を提供し、乗客と乗務員の快適性の向上を高めます。
騒音の低減
エンジンを上部に搭載することで騒音が大幅に低減されます。実際、周囲のコミュニティに
とって、それは従来のチューブと翼の飛行機よりも 4 倍遠くに聞こえます。
JetZero Blended Wing ファミリー(画像: JetZero)
まとめ
従来のチューブアンドウィング飛行機は、効率向上という点で限界に達しています。また、
燃料費の高騰という新たな時代にも直面しています。だからこそ、燃料消費量と排出量を
半分に削減する機体から始めることが、持続可能な航空にとって最良の第一歩となります。
このBWBという新しい発想は、実は30年前から考えられていました。今回は、JetZeroを
紹介しましたが、エアバスも同じ様な機体を開発しています。
エアバスの次世代航空機、その名もマーベリック(画像:エアバス)
人類が約75年、想像もしなかった新しい航空機が2030年には常識となる日が来るのでしょ
うか?今の常識を疑う時代の到来です。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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