皆さんこんにちは！
地球温暖化の影響は、世界各地に広まっています。先月、イスラム教のメッカで
猛暑により多くの巡礼者の命が失われました。
今回の事故の原因は猛暑による熱中症でしたが、根本的な原因は他にもあるよう
です。サウジアラビアや中東諸国は温暖化防止にエアタクシーの誘致を推進して
います。
ハッジは、イスラム教の五大信仰の一つで、サウジアラビアの聖地メッカへの
毎年の巡礼です。何千人ものイスラム教徒がハッジ巡礼のためにマスジド・ハラ
ームを訪れます。
中東：「ハッジ中の人命救助に不可欠なeVTOLの導入」
bbc.co.uk の報道によると、サウジアラビアで今年行われた宗教的なハッジ巡礼
（6 月 14 日～19 日）での死者数は驚異の 1,301 人で、過去数年で亡くなった
数千人の数に加わった。2024 年には約 180 万人が参加しました。
亡くなった人の大半は今回も長距離を歩いた不法巡礼者だったが、今回はメッカ
の気温が51.8度（123度）まで上昇する熱波の影響を受けました。
国営サウジ通信社SPAによると、死亡した人の4分の3以上は正式な許可証を持た
ず十分な防護措置を講じずに直射日光の下を歩いていたことがわかりました。
死亡した人の中には高齢者や慢性疾患を患っていた人もいました。海外から来た
人も相当数いたそうです。
AFP通信は、アラブ外交官の発言を引用し、エジプト人658人が死亡したと伝え
ました。インドネシアは200人以上の国民が死亡したと発表、インドは死者数を
98人としています。パキスタン、マレーシア、ヨルダン、イラン、セネガル、
スーダン、イラクのクルディスタン自治区でも死者が確認されています。
ハッジとは、イスラム教徒が聖地メッカへ毎年行う巡礼のことです。経済的にも
身体的にも可能なすべてのイスラム教徒は、生涯に少なくとも一度は巡礼を完了
しなければなりません。
ハッジ許可証は各国に割当制で発行され、抽選で個人に配布されます。しかし、
費用がかかることから、逮捕や国外追放のリスクを負いながらも許可証なしで
参加しようとする人が多いのです。巡礼前には、サウジアラビア当局はメッカか
ら無許可の巡礼者数十万人を排除するとしています。
灼熱の暑さをしのぐため、合法的な巡礼者たちに特別に作られた銀色の傘が配られた （写真提供：BBC）
英国レスターのブラウンストーンから来た公認巡礼者、モハメド・オマールとラーマ
・オマールは、6月3日にメッカに向けて出発しました。帰国後、モハメド・オマール
は「私たちは、現地で何が起こるかを知るために、事前に何度もセミナーを受け、
十分に準備していました」と説明しました。これには、人々を日差しから守るために
特別に設計された銀色の傘の使用も含まれていました。
彼は続けました。「私たちは、かなり歩くことになるだろうと言われました。おそら
く、儀式を行うために最長5時間かかるでしょう。ですから、私たちもそのことは承
知していました。冷たい飲み物は飲んだりしないようにとアドバイスされました。
私たちは、マイルドな水とマイルドなジュースを使わなければなりませんでした。」
これらの予防措置は、彼らが旅の安全を保つのに役立ちました。彼は、「暑さは耐
えられるものでした。私たちはすでに精神的に準備ができていたので、暑さに驚きま
せんでした。」と述べました。
ファハド・アルジャラジェル保健相は、熱中症の危険性と巡礼者がこれを緩和する
方法についての認識を高める努力がなされていると述べました。医療施設は、許可
を得ていない14万人以上を含む約50万人の巡礼者を治療しました。数日経っても熱
中症で入院中の者もいました。
彼は「アッラーが故人を許し、慈悲を与えてくださいますように。ご遺族に心から
お悔やみ申し上げます」と述べました。
サウジアラビアは、特にエアコン付きのテントや公式の交通機関などの施設を利用
できない未登録の巡礼者のためにハッジをより安全にするための対策を講じていな
いとして批判されています。
死亡者数、特に無許可の巡礼者による死亡者数の影響は拡大しています。エジプト
のモスタファ・マドブリー首相は今年、メッカへの違法巡礼を助長したとして16社
の旅行会社から免許を剥奪し、各社の経営者を検察に送致しました。ヨルダンも、
こうした無許可の旅行を手助けした旅行代理店数社を拘束したと発表しました。
一方、チュニジアのカイス・サイード大統領は宗教大臣を解任しました。
そして、ハッジ期間中に巡礼者の数を厳しく管理し、不法な巡礼者を減らすために、
将来的にeVTOL企業を利用して巡礼者を輸送することがなぜ重要なのか。
サウジアラビアはすでにリリウムに援助を求めています。
サウジアラビア航空は1月に、将来的にはジッダのキング・アブドゥルアズィーズ
国際空港とグランドモスクやその他の聖地に近いメッカのホテルの間をハッジ巡礼
者を運ぶ空飛ぶタクシーを運行する計画を発表しました。国営航空会社は、国の将
来を見据えた計画の一環として、ドイツのメーカーとリリウムeVTOLジェット機
100機を購入する契約を締結しました。
電動エアタクシーの導入は、死亡者数を減らす方法の一つです。これにより、混雑
を抑制できるだけでなく、航空券が許可証の不可欠な要素となるため、違法参加者
も減ります。
リリウムのeVTOLジェット
サウジアラビア: 電動エアタクシー「ハッジの巡礼者輸送用」
電動エアタクシーとハッジ巡礼者とのこのつながりは1月に初めて議論されまし
たが、middleeastmonitor.comのウェブサイトは先週この提案を再度強調しま
した。
同ウェブサイトは、アルアラビーヤ通信が行ったインタビューでサウジアラビア
の運輸・物流大臣サレハ・アル・ジャッセル氏の言葉を引用しており、同大臣は、
ハッジシーズン中に同省がまず空飛ぶタクシーとドローンの使用を試験的に実施
することを明らかにしていました。
「これらはタクシーアプリケーションを含む高度に進歩した交通手段を表してい
ます。今後数年間、交通部門の多くの専門企業の間で、最良の交通手段を提供する
ために競争が繰り広げられます。」と彼はコメントしています。
このニュースチャンネルによると、大臣は、サウジアラビアは今年6月14日に始ま
るハッジシーズン中の巡礼者の旅を円滑にするため、より柔軟で高速な輸送技術を
準備していると説明していました。アル・ジャッセル大臣は「これらのサービスの
恩恵を受けるためには、我々は最前線に立たなければならない」と付け加えました。
今年中に飛行が開始されるという
5月初旬、サウジアラビア当局は、許可や登録なしに不法にハッジを行う人々の数を
減らすための新たな措置の導入を発表しました。同王国の公安総局の声明によると、
ハッジに関する新たな規制では「メッカに入ることを希望する住民は関係当局から
許可を得ること」が義務付けられている。これは5月4日に施行されました。
声明では、メッカに通じる検問所のサウジアラビアの治安部隊が、適切な許可証を
持たない人々の立ち入りを阻止すると強調しました。この新たな措置は、特にハッ
ジの時期に、聖地への巡礼者の流れをコントロールし、彼らの安全を守るための王
国の取り組みの一環として実施されます。
電動エアタクシーを利用して乗客を輸送するのは、これを実現する方法の 1 つです。
人数を制限できるだけでなく、航空券が許可証の一部となるため、不法な参加者を
防ぐことができます。
悲しいことに、ハッジの季節は巡礼者の死亡が相次ぐことで有名です。Wikipedia
には、悲惨な災害のリストが掲載されています。
注目すべき事件としては次のようなものがあります:
1990年 7 月 2 日、メッカからミナとアラファト平原へ続く歩行者用トンネル (アル
・マイシム トンネル) 内での群衆の暴走または圧死により、マレーシア、インドネシ
ア、パキスタン出身者を含む 1,426 人の巡礼者が死亡しました。
1994年5月23日、悪魔への石打ちの儀式の最中に群衆が押し寄せ、少なくとも270
人の巡礼者が死亡した。
1998年4月9日、ジャマラート橋で発生した事件で、少なくとも118人の巡礼者が踏
みつぶされて死亡し、180人が負傷した。
2001年 3 月 5 日、悪魔への石打ちの儀式の最中に 35 人の巡礼者が群衆の暴走で
踏み殺されました。
2003 年 2 月 11 日、悪魔を石打ちにする儀式により 14 人の巡礼者が命を落と
しました。
2004年2月1日、ミナでの石打ちの儀式中に群衆が押し寄せ、巡礼者251人が死亡
さらに244人が負傷しました。
2005年1月22日、ミナでの石打ちの儀式中に群衆が押し寄せ、巡礼者3人が死亡し
ました。
2006 年 1 月 12 日、ハッジの最終日にミナで行われた悪魔への石打ちの最中に
群衆が押し寄せ、少なくとも 346 人の巡礼者が死亡、少なくとも 289 人が負傷
しました。この事件は、現地時間 13:00 直後、バスに乗った旅行者がジャマラー
ト橋の東側アクセス ランプに一斉に到着したときに発生しました。巡礼者は転倒
し、急速に致命的な寒冷崩壊に陥りました。当時、推定 200 万人がこの儀式を行
っていました。
2015年9月24日、少なくとも2,236人の巡礼者が押し寄せ、群衆が押し寄せる事
故で死亡。サウジアラビア政府はまだ公式報告書を発表していません。公式報告書
と声明をまとめたAP通信の報告によると、死者は少なくとも1,470人であり、サウ
ジアラビア当局の数字より700人以上多く、メッカでこれまでで最悪の死者数とな
ったのです。AP通信はその後、死者数は2,411人にまで推定を更新しました。
サウジアラビア航空は今年初め、ジッダのキング・アブドゥルアズィーズ国際空港
とメッカのホテルの間をハッジ巡礼者を輸送するためにリリウムのeVTOLジェット
機を運航する計画を発表しました。サウジアラビアは、このサービスを運営するた
めに約100機のリリウム航空機を購入する予定です。
まとめ
今年のハッジも多くの犠牲者が出ました。日本の報道では地球温暖化による熱波
（高温）が原因として報じられましたが、実際のところは多くの巡礼者による
『人災』であることがわかります。
イスラム教信者としては、巡礼に参加する（メッカを訪れる）ことが信仰の証
なのです。神からの恩恵を預かるために人々はそれこそ命がけで巡礼を行う
のです。未来の乗り物エアタクシーが、貧富の差を助長することとなるのは
複雑な思いです。結果的に違った方法で命を救うことにはなるのでしょうが。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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