皆さんこんにちは!
今日は以前お話ししました、
女性の最年少で単独世界一周飛行の記録を達成したザラ・ラザフォードさんと
現在、同じく最年少記録に挑戦している弟のマックさんが使用している飛行機のお話です。
その名もLSA:Light Sport Airplaneです。
弟マックの挑戦
今年の1月に、19歳で女性の単独世界一周飛行最年少記録を達成したザラ・ラザフォードさん
の弟でマック・ラザフォードさんが現在、世界最年少記録に向けて世界一周飛行に挑戦中です。
今年の3月にブルガリアを離陸し、現在は中東UAEのドバイにいます。
21日は17歳の誕生日を迎えたマックさんです。
しかし、ドバイに到着したのは6月3日。理由は不明(手続き上の問題?)ですが、
ドバイで足止めを食らっているようです。
予定では、これからウズベキスタン、カザフスタン、モンゴル、南朝鮮を経て日本にも来る
予定です。日本には当初の計画では6月20日前後の予定でしたが、大幅に遅れそうですね。
マック・ラザフォード
マックはベルギー出身の17歳の少年です。
パイロットの父親の影響を受け、15歳の時にマイクロライトパイロットのライセンスを
取得しました。当時、世界最年少でパイロットになりました。
その後、2度の大西洋横断を成功させています。
そして今回、満を持して、姉のザラに続き単独世界一周飛行に挑戦しています。
その二人の世界記録挑戦を支えている機体がLSAです。
シャーク・エアロ
LSA (Light Sport Airplane)
LSA制度
欧米では、LSAという計量スポーツ機のカテゴリーがあります。
この制度が始まって10年が経ちました。しかしながら、日本では未だに導入されて
いません。
LSAは、気軽に飛行機の操縦ができ、機体自体も比較的安価なため
航空機のライセンス取得を目的とした練習機としての利用が高まっています。
ここで、飛行機先進国であるアメリカのLSA制度について見ていきましょう。
アメリカのLSA制度
まずは、LSAでできることとできないことをを紹介します。
① 夜間飛行はできません。昼間のみです。
② 常に地上を見ながら飛行します。雲の中は飛行できません。
③ 高度10000フィート(約3000メートル)以下で飛行できます。
健康証明書は、基本的にアメリカの自動車運転免許証があれば代わりになります。
ただし、FAA(アメリカ連邦航空局)の身体検査などで不合格があった場合は
再検査が必要となります。
訓練は、専門のインストラクター(飛行教官)からレッスンをしてもらい(約20時間くらい)、
試験に合格すればライセンスが付与されます。
ライセンス取得後は、LSA機はもちろんのこと、ジャイロプレーンやモーターグライダー、
動力付きのハンググライダーなども飛ばせることができます。
日本の自家用飛行機のライセンス
日本には、LSA制度はありません。
代わりに、自家用飛行機のライセンスを取らなくてはなりません。
自家用飛行機のライセンスは、17歳から取れます。最低でも40時間の飛行経験が必要
です。
実際に、日本で自家用操縦士のライセンスを取ろうとすると、フライングスクールで
飛行訓練を行って、国家試験を受けなければ行けません。
スクールにもよりますが、大体訓練時間は100時間程度だそうです。(個人差あり)
1時間あたりの訓練費は5万円ですので、100時間ですと、500万円かかります。
アメリカでスクールに通うと1時間あたり1.5万円ですので、150万円!
実際には60時間くらいで取れるそうですので、90万くらいですかね?
それにしても、日本は高いですね。
法政大学UAM研究所
法政大学アーバンエアモビリティ研究所(HUAM)のお話をします。
ここは法政大学小金井キャンパスにある、次世代都市型エアモビリティ(空飛ぶクルマ)を
開発、研究しているところです。御法川(みのりかわ)教授を所長として、空飛ぶクルマを
核とした次世代航空輸送の調査、研究、開発を目的として設立されました。
具体的には、従来の航空機を含めた都市空間を飛行する乗り物における衝突回避を含めた
高効率な運航システム、気象条件への対応、事故発生時の乗員並びに地上への安全性、
経済性などで関連省庁、自治体、メーカーとの情報交換、知識の共有の場にすることを
目指しています。また、UAMの電動推進ユニットをLSAの電動化にも利用し、実践的な
調査、研究を進めます。
この研究所の取り組みは、航空設計開発技術者不足、パイロット不足に対する若手育成に
大きく貢献できると期待しています。
所長の御法川教授は、機械工学博士で数々の賞を受賞されています。
専門は流体工学、音響工学、航空宇宙工学です。
航空機の設計を学ぶ学生も飛行機の操縦の経験があるべきだと考える実践派の教授です。
法政大学には、理工学部機械工学科に航空操縦額専修科があり、エアラインパイロットを
数多く輩出しています。
まとめ
日本の航空業界は、やっとコロナ渦の影響から抜け出しつつあり、徐々に航空需要も
回復傾向にあります。しかしながら、パイロット不足問題は依然として深刻です。
また、航空機整備や開発などの技術者も大いに不足しています。
これらの問題を解決するには、LSAや空飛ぶクルマなど、新しい産業を興すことによって
航空業界全体が活気づくことが必要だと考えます。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
コメント