学生達の自由な発想

ドローン、空飛ぶ車

皆さんこんにちは!

世界の大学の学生を対象とした垂直飛行協会のデザインコンテストがあります。毎年この時期

に開催され、スポンサーも毎年変ってバラエティに富んだコンペティションになっています。

学生デザインコンペ

垂直飛行協会の毎年恒例の学生設計コンテストでは、特定の要件を満たす垂直離着陸機の設計

を学生に競わせ、世界中の大学で工学を学ぶ学生に実践的な演習を提供し、垂直飛行技術に対

する学生の関心を高めます。優勝チームには賞金が授与され、1 位のチームは垂直飛行協会の

毎年恒例のフォーラムと技術展示に招待され 、設計の詳細を発表します。チームのメンバーは

垂直飛行技術の進歩を促進する垂直飛行業界の主要な専門技術イベントであるフォーラムへの

無料登録を受け取ります。

学生デザインコンテストのスポンサーは、エアバス、ボーイング社、ベル、レオナルド ヘリコ

プターズ、シコルスキー、ロッキード マーティン社、米国陸軍研究所が交代で務めます。この

パートナーシップを通じて、VFS は世界最高かつ最も優秀な学生にリーチし、垂直飛行の分野

での教育とキャリアを追求するよう奨励することができます。

垂直飛行協会(VFS:Virtical Flight Society)は、垂直飛行技術の理解を深めることに専心す

る世界最古かつ最大の技術協会です。VFS は非営利の慈善教育および技術組織です。1943 年

に米国初のヘリコプターが就航したころに米国ヘリコプター協会 (AHS) として設立されて

以来、協会は垂直飛行技術に関する情報交換の主要なフォーラムとなっています。協会の目的

は「垂直飛行航空機の科学の理論と実践を発展させること」です。

メリーランド大学とジョージア工科大学が「VFS学生デザインコンペティションで最優秀賞」を受賞

ヒューマ:メリーランド大学:大学院部門第1位

第41回年次学生デザインコンペティション(2023-2024年)のタイトルは、「災害救助

のためのマルチミッションモジュラーUAS」でした。今年の提案依頼(RFP)の目標は、

マルチミッションのモジュラーVTOL無人航空機システム(UAS)を設計することでした。

チームは、高翼および突風の条件下で船のデッキから垂直に離着陸し、災害現場まで巡航し

長時間通信中継機として機能するか、垂直に着陸して救援物資を届ける必要がある航空機を

設計する必要がありました。

垂直飛行協会(VFS)は、第41回年次学生デザインコンペティションで、災害救助用のマルチ

ミッションモジュール式無人航空機システム(UAS)を開発したメリーランド大学とジョー

ジア工科大学に「最高栄誉」を授与しました。メリーランド大学は大学院生部門で、ジョージ

ア大学は学部生部門で優勝しました。

さらに、ソウル国立大学が「最優秀新卒者賞」を受賞し、バンガバンドゥ・シェイク・ムジブ

ル・ラーマン航空宇宙大学が「最優秀新学部生賞」に選ばれました。米陸軍のDEVCOM陸軍

研究ラボが今年のコンテストのスポンサーとなり、賞金12,500米ドルを提供しました。

米国陸軍戦闘能力開発司令部陸軍研究所 (DEVCOM ARL) は、陸軍の研究所です。

DEVCOM と陸軍未来司令部内に戦略的に組み込まれた ARL の使命は、科学を運用化するこ

とです。ARL の使命の特徴は、陸軍の専門的才能へのアクセスを拡大し、科学に基づく能力の

移行を加速するための協力的なパートナーシップです。

リリースでは、「毎年、VFS コンテストでは、特定の要件を満たす垂直離着陸 (VTOL) 航空

機の設計を学生に課し、大学の工学部の学生に実践的な演習を提供して、VTOL のエンジニア

リングとテクノロジーに対する学生の関心を高めています」と説明されています。

さらに、「今年のコンテストには世界中の学術チームがエントリーし、合計20の提案(大学院

生8チーム、学部生12チーム)が、7か国と米国の6つの州から16の学校から提出されまし

た」と続けています。

今年の「提案依頼書」(RFP)の目標は、多目的のモジュール式 VTOL UAS を設計すること

でした。チームは、強風や突風の吹く状況で船のデッキから垂直に離着陸し、災害現場まで

往復し、長時間通信中継機として機能し、垂直に着陸して救援物資を届ける航空機を作らなけ

ればなりませんでした。メリーランド州の優勝作品「Huma」は、伝説の鳥にちなんで名付け

られ、「困っている人すべてに、決して着陸する必要がない」支援を提供します。

Humaの設計は、再構成可能な揚力複合型シングルメインローターヘリコプターで、VTOL

UAS としては前例のない長時間飛行でのマルチミッション能力と重いペイロードの配送を

提供します。設計哲学は、両方の RFP ミッションで優れたパフォーマンスを発揮することに

重点を置いており、翼、燃料タンク、ペイロードベイ用の特別なアタッチメントを備えた再構

成可能な中間セクションによって実現しました。これにより、160 kg (353 ポンド) の

Huma は、最大 13 時間の長時間滞空ミッション、または最大 58 kg (128 ポンド) の物資輸

送が可能になりました。

Huma(フマ)はペルシア神話上の伝説の鳥。ペルシアのフェニックスと呼ばれることもあり

ますが実際には中国の吉兆の鳥、鳳凰と似ている部分が多いと言われています。例えば、雌雄

を兼ね備えているところがあります。だが、フマの場合は半分が雄で、もう半分が雌です。

AeroLay: ジョージア工科大学 学部部門第1位

ジョージア工科大学のエントリーは、 「AeroLay」コンセプトで優勝した学部

生チームでした。

総重量 160 kg (353 ポンド) の UAS は災害救助用に特別に設計されており、最大 54 kg

(119ポンド) の積荷を運び、17 時間以上そのエリアに留まることができます。このような

ミッションでは時間が重要となるため、AeroLay はミッション間のダウンタイムを 10

分未満に制限して最小限に抑えるように設計されました。簡単に交換できるバッテリー パッ

クとすぐにアクセスできる燃料タンクが特徴で、さまざまなミッションの目的に合わせて迅

速に再展開できます。

来年の RFP 第 42 回学生デザインコンテストはエアバスがスポンサーとなり、賞金も同額の

12,500 米ドルが提供されます。大学チームは 2 月 1 日までに参加意向書を提出する必要が

あります。

「先駆的な水素電気 VTOL」と題されたこの新しい RFP は、いくつかの要件制約を満たしな

がら、ガス状水素燃料電池推進を使用する電気 VTOL 航空機の概念設計を行うものです。

この RFP は、大学のチームにとって、乗客を運ぶ水素電気 VTOL 航空機の特定の課題と要件

を理解し、克服するユニークな機会です。

毎年恒例の学生デザインコンペティションのスポンサーは、エアバス、ベル、ボーイング社、

ベル、レオナルド、シコルスキー、ロッキード・マーティン社、および DEVCOM 陸軍研究

所が交代で務めます。

まとめ

世界中の大学院、大学を対象としたコンペティションの開催は、多くの若い学生達に夢と希望

を与えます。企業としても、即戦力となる人材とアイディアを発掘することができる貴重な

機会です。毎年、VFS コンテストでは、指定された要件を満たす垂直離着陸 (VTOL) 航空機の

設計を学生に課し、大学の工学部の学生に実践的な演習を提供して、VTOL エンジニアリング

とテクノロジーに対する学生の関心を高めています。

今回の課題は、揺れる不安定な船の上から乗り着陸です。揺れだけではなく、海上の不規則且

つ強風にいかに対処できるかでした。実際に海上自衛艦から離発着する大型のヘリコプターで

さえ、風や波の状態によってはたいへんな困難になります。ましてや100kg以下の小型のドロ

ーンは言うまでもありません。軽量であるが故に風の影響を直接受けてしまいます。

また、今回は迅速なバッテリーの交換などより実践に沿ったコンペティションになっています。

今年のコンテストには、世界各地の大学チームが応募し、7 か国と米国の 6 州から 16 の大学

から、大学院生 8 チームと学部生 12 チーム、合計 20 件の提案が提出されました。残念なが

ら日本からの参加は無かったようです。日本はまだVTOLやUASに対する意識が低いと言わざ

るを得ません。それは日本が航空後進国であるとともに、エンジニアが軽んじられており、活

躍の場が限られているのが原因です。日本の未来は暗いままなのでしょうか?

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

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