皆さんこんにちは!
今日は、飛行機が登場する映画の紹介です。
先日公開されたトムクルーズ主演の「トップガン・マーベリック」は、興行収入が100億円
を超える大ヒットとなりました。皆さんの中にもご覧になられた方は多いと思います。
今回紹介する映画にも飛行機のアクションシーンが盛りだくさんです。CGを使わずに
実機を使って撮影しています。
アメリカでは11月に公開予定ですが、日本での公開は未定だそうです。
DEVOTION(献身)
あらすじ
1950年代。アメリカ海軍で唯一の黒人パイロットであるジェシー・ブラウンは、優れた
飛行技術を有したベテランだったが、プレッシャーもひとり抱えながら飛んでいました。
そこへ白人のトム・ハドナーというパイロットが転属してきて、2人は互いを認め合って
仲良くなります。同時期、アメリカは朝鮮戦争が激化したことで、その戦地に戦闘機の
部隊を送り込みます。ブラウンとハドナーは任務を遂行するために空を駆けますが…。
1930年代後半までアメリカの軍隊はほぼ完全に白人で構成されていました。しかし、
第二次世界大戦が勃発すると陸軍は方針を修正し、黒人部隊を採用することにしました。
それでも黒人の部隊は白人部隊とは隔離され、扱いは平等ではありませんでした。そんな
中、1941年にはアフリカ系アメリカ人の戦闘機部隊を編成する決定を下されるなど、軍
内部では黒人の活躍は徐々に増していきました。
そしてある日、事件が起こります。1945年4月、フリーマン・フィールドにてアフリカ系
アメリカ人の部隊が不平等に不満の声をあげ、抗議活動を展開したのです。これによって
100名以上が逮捕され、大きなニュースとなりました。
このフリーマン・フィールドの反乱は転機となり、アメリカ各地で黒人の軍人が続々と抗議
を表明し、人種的な差別の撤廃を求め始めました。
そしてついに1948年7月26日、ハリー・S・トルーマン大統領は「大統領令9981」を発行
し、アメリカ軍における「人種、肌の色、宗教、または出身国に基づく差別」を廃止する
と宣言。当時の陸軍長官であったケネス・クレイボーン・ロイヤルは黒人差別の立場を続け
ていたため、1949年に退陣を余儀なくされました。
つまり、この1948年以降のアメリカ軍では黒人の扱いが良い方向へ変化していたのです。
もちろんこの時期に綺麗さっぱり差別が消えたわけではありません。一度染み込んだ差別
は簡単に抜け落ちません。まだまだ残存する差別の中で耐えながら軍に従事する黒人たちが
そこにはいました。
今回紹介する映画はその時代の実在の黒人戦闘機パイロットを描いた伝記作品です。
俳優陣
ジョナサン・メジャーズとグレン・パウエルが主演の男性俳優です。メジャーズは『ディ
ヴォーション』以前に8本の映画に出演していました。パウエル氏は、NASAに採用された
最初のアフリカ系アメリカ人(この場合は全員女性)についての『Hidden Figures』に登
場しました。パウエルは、アメリカで初めて地球周回軌道を周回した宇宙飛行士、ジョン・
グレンを演じた事で有名です。
メジャーズはアフリカ系アメリカ人のジェシー・ブラウンを演じています。パウエルが演
じるトム・ハドナーは、当時としては当然のことながら偏屈者が多い中隊の中でブラウン
の親友となります。
この映画は、フェデックス創設者フレッド・スミスの娘モリー・スミスが設立したブラッ
ク・レーベル・メディアによって制作されました。彼はこの映画の資金調達を手伝いまし
た。ブラック・レーベルは、アリゾナ州で山火事と戦って死亡したスモークジャンパーに
ついての映画『オンリー・ザ・ブレイブ』を製作しています。
『献身』では、ブラウンの家族生活、海軍での初期の頃、戦闘機パイロットの資格を取得
するための努力などを紹介します。才能のあるパイロットであるブラウンは、当初、空母
運用の資格を得るのに少し苦労しました(彼は最初でも最後でもありませんでした)。
北朝鮮上空での任務における彼の英雄的な行動の後に、飛行機に閉じ込められて不時着す
ることになります。彼は不時着しても生き残っていました。僚機のハドナーは、燃え盛る
残骸からブラウンを救出するために車輪を上げて着陸するのです。
CGIではなく本物の飛行機
ストーリーはもちろん、飛行シーンも魅力的です。映画ファンが本物の飛行機の使用と
ワシントン州のカスケード山脈の上空を実際に飛行する『トップガン マーベリック』を
気に入ったなら、 『ディボーション』も気に入るでしょう。飛行機は朝鮮戦争時代のコ
ルセアやミグジェットまで搭乗します。すべてが本物で、カスケードを飛ぶのも本物です。
カスケード山脈は北朝鮮の山々の倍になります。ワシントンとオレゴンの間のコロンビア
川では、重要な橋を破壊するシーンも迫力満点です。
F4U コルセア
主人公が乗る戦闘機は、F4U コルセアです。アメリカのチャンス・ヴォート社が開発し、
第二次世界大戦と朝鮮戦争でアメリカ海軍と海兵隊が使用したレシプロ単発戦闘機です。
愛称の「コルセア (Corsair、コーセア)」は、バルバリア海賊を意味しています。
F4U コルセア
そして、このコルセアは映画の中(実際)で、ソ連製のミグ15と戦うのです。
ミグ15
朝鮮戦争
朝鮮戦争は、1948年に成立した直後の朝鮮民族の分断国家である大韓民国(韓国)と朝鮮
民主主義人民共和国(北朝鮮)の間で勃発した朝鮮半島を巡る戦争です。
1950年6月25日にソ連のスターリンの同意と支援を取り付けた金日成率いる北朝鮮が、
38度線を越えて韓国に侵略戦争を仕掛けました。北朝鮮と韓国のみならず、東西冷戦の中
で西側諸国を中心とした国連軍と東側諸国の支援を受ける中国人民軍が交戦勢力として参
戦し、3年間に及ぶ戦争は朝鮮半島全土を戦場と化して荒廃させました。
1953年7月27日に国連軍と中朝連合軍は朝鮮戦争休戦協定に署名し休戦に至っりましたが
北緯38度線付近の休戦時の前線が軍事境界線として認識され、南北二国の分断状態が今も
続いています。
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