皆さんこんにちは!
7月2日に発生したKDDIの通信障害は日本の社会生活に大きな影響を与えました。
原因は人的ミスやシステム上の不具合と言われています。しかし、2025年には
大規模太陽フレアによって大規模な通信障害が起きると予想されています。
太陽の爆発現象
『太陽の爆発現象 社会経済の混乱をどう防ぐ』
8月1日の読売新聞の社説でこのような記事が載りました。内容は、太陽活動が
携帯電話や通信機器、GPS(全地球測位システム)に悪影響を及ぼし、大規模な
通信障害が起こるというのです。このような太陽活動は過去にも大きな事故を起こ
しています。
1989年にカナダで約600万人が影響を受けた大規模停電が起こりました。
今年の2月には、アメリカの宇宙開発企業の打ち上げた人工衛星49基のうち
なんと40基が軌道を外れ大気圏で燃えてしまう事故も発生しています。
2025年に予想されている大規模太陽フレアが起こった場合、携帯電話が
繋がらなくなったり、GPSの精度が落ちて、船舶、航空機に支障が出たり、
自動運転の自動車、ドローン、空飛ぶクルマにも影響が出ます。
またなにより、通信障害によって先日のKDDIの事故以上の大規模な障害になり
社会経済そのものが大きな影響を受ける可能性が高いと予測されます。
太陽
太陽は何からできている?
太陽は主に水素とヘリウムでできています。内部は、中心に核、放射層、対流層
から構成されています。
太陽は、可視光以外にも、電波、赤外線、紫外線、X線、ガンマ線など様々な光(電磁
波)を放射しています。
太陽フレア
太陽表面の黒点の周辺で突然明るく光る現象があります。これが太陽フレアです。
太陽フレアは、太陽系最大の爆発現象で、ガスや人体に有害な高エネルギー粒子、大量
の放射線(X線など)が発生します。
太陽活動は、約11年の周期で活発になったり、静穏になったりします。太陽の黒点の
数も同じく約11年周期で増減を繰り返しています。黒点が多いと太陽活動が活発になり
太陽フレアが起きやすくなります。逆に、黒点が少ないと太陽フレアは起こりません。
地球を守っているもの
太陽の活動は、人類の生活に大きく影響を与えています。太陽は46億年という長い時
を『燃え』続けているのです。この熱と光は地球上の生物にとって欠くことができない
ものですが、それと同時に生命にとって有害なX線や紫外線、高温の電離気体も放出し
ています。
これらの危険な物質に対して、地球は二つの防護壁を持っています。一つは大気です。
太陽から来るX線や紫外線などの電磁波が地上に届くのを防いでいます。もう一つは
地球の持つ磁場で、太陽風と呼ばれる太陽から来る電気を帯びた気体の流れから地球を
守っているのです。
地球は磁場を持つ惑星です。方位磁石のN極が地球表面だとほぼ北を向くのは、地球
内部に流れる電流によって北極がS極、南極がN極となるような磁場が作られている
からです。電子やイオンなどの電気を帯びた粒子は磁場によって曲げられる性質が
あります。すなわち、地球の磁場は宇宙空間の高エネルギー粒子に対するバリアの
役割を果たしているのです。
しかし地球の磁場は、太陽からやってくるプラズマの風、太陽風によって大きく変化
します。太陽風が強ければ磁場の役割も弱くなります。大量の太陽風エネルギーが
磁気嵐を発生させ、磁場を減少させます。その結果、通信障害が起こり、人工衛星など
に影響を与えます。北極圏でオーロラが多く見られる時は、磁気嵐が起こっている
証拠です。
宇宙天気予報
国立研究開発法人 情報通信研究機構 電磁波研究所 宇宙環境研究室が運営している宇宙
天気予報専門の情報配信サービスがあります。地球周辺の宇宙環境の変動によって影響
を受ける可能性のある通信・放送インフラや宇宙システム等の運用や利用などに役立て
ていただくことを目的として運用しています。
1949年に、前身の組織である情報通信研究機構は、宇宙環境に関わる予報および
警報の配信を行いました。1988年から『宇宙天気予報』として配信を開始し、太陽
活動に伴う通信や衛星測位への影響、放射線被曝に関する情報を提供しています。
具体的には、太陽の黒点、太陽フレアや太陽風などをリアルタイムで観測し、太陽活動
の予想しています。
まとめ
我々パイロットや宇宙飛行士は、常に太陽からの宇宙放射線を浴びています。
航空機の発達とともに、高い高度(宇宙に近い)、長時間のフライトが可能になりま
した。その分だけ宇宙放射線を浴びる量が増えているのです。海外のエアラインでは
宇宙放射線量の量を管理して、基準を設けているところもあります。
夏の日焼け防止と同じように、日ごろから紫外線には注意してくださいね。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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