イギリスの本気度

ドローン、空飛ぶ車

皆さんこんにちは!

かつての産業革命の中心地であった大英帝国、イギリス。

2020年にEUを離脱して、3年が経ちました。今のイギリスが置かれている立場と

新しい産業革命に向けたイギリスの取り組みは?そしてその本気度はいかなるもの

なのか?

空飛ぶタクシーは2028年までに英国の空を飛び、ドローンは緊急サービスや犯罪対策に

未来

空飛ぶタクシーは2028年までに英国の空を飛び回るだろう。英国政府はそう発表し

ました。これは、業界共同のFuture of Flightが主導し、運輸省(DFT)が発表した

新しい行動計画の一部であるとプレスリリースが報じています。ドローンは警察だけ

でなく救急サービスも犯罪と戦うのを支援します。

閣僚は本日(3月18日)、現在の規制とインフラを徹底的に見直すことで、この

「ジェットソンのSFアイデア」を現実化する野心的な計画を策定する予定。

空飛ぶタクシーが2026年までに初めて試験運用されることが期待されています。

そして2028年までに定期的に上空を飛行するようになり、そしてさらに驚くべきこと

に、わずか 2 年後には自律的に動作するようになるのです。

一方、ドローンは低空空域を利用して緊急物資を届けたり、犯罪に立ち向かうことに

なる計画です。閣僚らは、この航空グリーン革命が今10年末までに英国経済を450億

英国ペソ押し上げる可能性があると信じているのです。 

英国の航空・技術大臣アンソニー・ブラウンは次のようにコメントしています。空飛

ぶタクシーから緊急サービスのドローンまで、私たちは英国が交通におけるこの劇的

な変化の最前線に立つことで、人々の生活を改善し、経済を活性化できるよう努めて

います。」同氏はさらに、「この計画により、それを実現するためのインフラと規制

が確実に整備されることになる。」と付け加えました。

この「行動計画」は、ブラウン氏がブリストルにある英国の大手eVTOL企業である

バーティカル・エアロスペース社を訪問したのと同じ日に発表されます。同社は全電

気式 VX‑4 の構築と試験を行っており、7 月のファンボロー航空ショーでデモンスト

レーション飛行の提案とともに最新の開発を展示する予定です。

同社の創設者兼最高経営責任者(CEO)のスティーブン・フィッツパトリック氏は次

のように述べました。「政府と企業が協力することで、ゼロエミッション飛行による

経済的、環境的、社会的メリットを世界中で解き放つことができます。」

2022年の未来へのFライトパスで初めて構想されたこの産業界と政府の共同計画は、

イノベーション、セキュリティ、安全性、排出量削減のバランスをとりながら、

今後 5 年間のこの分野の戦略的方向性を定めています。

その他の提案には次のようなものがあります。

ドローンが目視外(BVLOS)で飛行できるようにすることで、他の航空機の空を

制限することなくこの分野が成長できるようにします。

: eVTOLS の垂直ポートとして動作する方法を設定することで、小規模な飛行場

に命を吹き込みます。

:公共の安全を高めるために、ドローンのセキュリティを向上させるための基準を

開発しています。

:コミュニティや地方自治体がこれらのテクノロジーの経済的および社会的利益を

享受できるようにします。

ウェスト・ミッドランズ警察とドローン配備の成功 (クレジット: ウェスト・ミッドランズ警察)

ドローン採用の利点は英国ですでに実証されており、ウェストミッドランズ警察は

暴力犯罪や反社会的行為に取り組むためにドローンを使用しています。昨年7月に

はドローンチームが派遣され、地上職員が追跡するのに何時間もかかるであろう

速度と距離で、2人の犯罪者ともう1人の容疑者の特定に成功しました。

ドローンはまた、命を救うために最前線のNHSスタッフを支援しています。2022年

10月から2023年3月までの6か月間、英国のドローンサービスプロバイダーである

スカイファーラーは、コベントリー大学病院とウォリックシャー大学病院のNHSト

ラストおよび英国メディカルロジスティクスと提携し、外科用インプラントと病理

サンプルを施設間で配送した。あるケースでは、ドローンのおかげでコベントリー病

院とラグビー病院の間の配送時間が最大 1 時間からわずか 18 分に短縮され、70%

短縮されました。

スカイポーツの最高経営責任者(CEO)でフューチャー・オブ・フライト・インダス

トリー・グループ会長のダンカン・ウォーカー氏は、「英国は世界で最も重要な航空

宇宙産業の本拠地であり、航空の次の時代の先駆者となるのに理想的な立場にある」

と述べました。政府と業界は、新しい航空技術の開発、産業化、導入を支援するため

に共同で取り組んでいます。継続的な協力により、航空の未来によってもたらされる

国内外の重要な市場機会を確実に活用できるようになります。」

リリースでは次のように説明されています。「Future of Flight アクション プランに

は、事業者が使用できる新しくてシンプルなデジタル プラットフォームを作成するこ

とで、ドローンの申請と評価を容易にするための措置が含まれています。これにより、

企業や公共サービスが官僚主義に縛られることがなくなり、ドローンを稼働させてもっ

と早く飛行できるようになります。」

さらに、「また、認証基準を開発し、既存のインフラストラクチャの使用を見直して、

迅速な配送、安全性とセキュリティの強化、および乗客第一です。」

Skyfarer と外科用インプラントと病理サンプルを提供する医療物流試験 (クレジット: Skyfarer)

業界パートナーは、事故を最小限に抑え、技術の進歩を最大限に活用して電動航空機

を実証するだけでなく、ドローンの目視外運用の新しい方法を模索するため、業界を

リードする複数の試験を実施する予定です。これには、鉄道ネットワークの障害をよ

り迅速に発見して修復することが含まれ、鉄道乗客の遅延や欠航を減らすことができ

ます。

この行動計画は、電動航空機やドローンの研究開発を支援し、CAAなどの主要パート

ナーの支援を得て、環境に優しい航空の新時代を到来させ、新たな投資で経済を活性

化させ、英国の可能性を最大限に引き出すことを目指しています。この新興世界産業

を善のための力、成長の原動力として支えていきたいと考えています。

英国民間航空局の将来の安全性とイノベーションの責任者であるソフィー・オサリバ

ン氏は、次のようにコメントしています。「ドローン、eVTOL、その他のさまざまな

機体は、交通手段の選択肢を永遠に変える可能性を秘めています。この航空の明るい

未来における私たちの役割は、あらゆる形態の新しい航空技術が従来の航空と同じ高

い安全基準を享受できるようにしながら、技術の進歩を可能にし、規制上のサポートを

提供することです。」

AtkinsRéalisのマーケットディレクター、Future Flightのジュリアン・フィールデン・

ペイジ氏は、次のように付け加えました。「英国は飛行の未来をリードする良い位置

にあり、アトキンスレアリスはこのロードマップのリリースを歓迎する。これはドロー

ンとeVTOLの経済性とモビリティの可能性を活用するのに役立つだろう」。

業界が連携し、これらの斬新で持続可能な航空機が複雑な空域環境にどのように統合

されるかについて明確なビジョンを持つことが重要です。私たちがAir Mobility

Ecosystem Consortiumを通じて主導している先駆的な取り組みはこれにとって極め

て重要であり、私たちは今年後半のデモンストレーション飛行に向けて前進しており、

最新のマイルストーンはビスターでのバーティポートテストベッドの開発と航空交通

管制シミュレーションの試行です。

コンソーシアムは、乗客のエクスペリエンス、車両の操作、空域ナビゲーション、地

上充電、セキュリティの提供、および地元の利害関係者の関与の重要な側面を調査し

ています。これは、英国が航空技術革新のリーダーとしての歴史を確実に築くために、

政府の支援を得て業界が協力すれば何が達成できるかを示しています。

英、温暖化ガス削減新目標 2035年に90年比78%減

英政府は、2035年時点で排出する温暖化ガスを1990年比で78%削減するという新たな

目標を発表しています。英国政府は「世界で最も野心的な目標」と説明しています。

新目標はバイデン米政権が22~23日に開くオンラインでの気候変動サミットに先立っ

て公表。英国は11月に開く第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)の

議長国も務めるため、野心的な目標を掲げて議論をリードしたい考えです。ジョンソン

首相は20日の声明で「COP26に向け我々の先導に従って、世界のリーダーの(気候

変動問題に対する)野心が一致することを望む」と語りました。

英国は50年までの温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする目標を法制化しました。

この中間目標として30年までに排出量を90年比で少なくとも68%削減する目標も

掲げています。今回の新たな35年時点での目標には航空や海運からの排出量の目標も

具体的に盛り込まれる見通しです。

英政府は、1990年から2019年の間に産業界が温暖化ガスを44%減らすなど、順調に

削減計画が進んでいるとしています。風力発電の増強で再生可能エネルギーの発電量

も2010年から4倍となり、炭素排出の低い電力が総発電量の50%を超えたと説明して

います。(2021年4月21日の記事より)

英国の温暖化対策の見直し

英国はCOP26においてパリ協定の温度目標(産業革命以降の温度上昇を2℃を十分下

回るレベル、できれば1.5℃を目指す)を実質的に1.5℃安定化目標に強化し、2050年

全球カーボンニュートラルをデファクト・スタンダード化しました。新規化石燃料投

資を否定する等、世界のエネルギー情勢から乖離した極端な議論が超量跋扈するよう

になったのも2050年カーボンニュートラルから逆算するからです。

今年のG7プロセスにおいても数値目標、化石燃料フェーズアウト、ゼロエミッション

車(ZEV)等に関し、極端な議論を展開し、議長国日本を困らせたといわれています。

その英国において温暖化対策の一部先送りが発表されました。

2035年以降も既存のガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車の中古車販売も認め

られます。更にガスボイラーのフェーズアウトのペースを緩め、家屋所有者に対する省

エネ義務の導入も見送ることとしたのです。

9月20日、ラシ・スナク英首相はガソリンエンジン車およびディーゼルエンジン車の

新車販売の禁止について、2030年から2035年に延期することを明らかにしました。

ボリス・ジョンソン前首相が打ち出した内燃エンジン車からEVへの移行が5年遅れる

ことになります。

イギリスの気候、すでに「気候変動の影響を受けている」

Two women walking in rain

イギリスの気候はすでに、気候変動が引き起こす混乱の影響を受けている――。

このほど発表された気候に関する報告書で、降雨量や日射量、気温などが上がって

いることが明らかになりました。

報告書によると、2020年はイギリスの観測史上3番目に暑い年でした。また、雨量

は史上5番目に、日射量は史上8番目に多かったという結果です。

この3つの指標がすべて10位以内に入った年は、これまでにありませんでした。

専門家らは、ここ30年でイギリスの平均気温は0.9度高くなり、降雨量も6%上昇し

たと指摘しています。

イギリス気象庁の気象情報科学者マイク・ケンドン氏が、調査を主導しました。

ケンドン氏はBBCニュースの取材で、「気候変動は未来の話だと思っている人が多い

が、気候変動がすでにイギリスの状況を変えていると、今回の報告書が証明した」と

語りました。

「温暖化が進む中、熱波や洪水といった異常気象は今後さらに増えていく」

科学者らは、今後も地球温暖化が進み、各国政府が炭素排出量の削減に失敗すれば、

異常気象は悪化すると警告しています。

今回の報告書では、イギリスの気候がより暑くなったほか、日射量も降雨量も増えた

ことが明らかにないました。

  • 2020年は、1884年以降で3番目に暑い年だった。なお、トップ10に入っている年はすべて2002年以降
  • 一方で、2020年は降雪量が非常に少なかった
  • 春の日射量が最多を更新。平均的なイギリスの夏の日射量よりも多かった
  • 観測史上5番目に降雨量が多かった。トップ10のうち6つは1998年以降

王立気象学会のリズ・ベントリー会長は、各国政府が気温上昇を1.5度未満に抑えると

いうパリ協定の目標を達成できたとしても(その可能性は低いものの)、大気が含むこ

とのできる水分量はなお10%ほど増えるだろうと指摘。

「イギリスでも、気温が40度に達する可能性がある。世界全体で気温が1.5度上がれば

それが常態になるだろう」

「わずか0.1度や0.2度の気温上昇は、巨大な変化につながり得る。特に異常気象の頻度

や激しさにつながり得る。多くの人はこのことに気付いていない」

今回の気象報告書では、植生が気候変動に対応しているという指摘もあった。イギリス

に生えている一般的な樹木は昨年、1999~2019年の基準値よりも10.4日早く、葉をつ

け始めたということです。

春が来るのが早まるとともに、秋の訪れも早まっています。2020年の落葉は基準よりも

4.3日早かったという報告が上がっています。

Infographic

1884~2020年の、イギリスの気温の中間点の推移。2020年は9.6度と、観測史上3番目に高かった(クレジット:BBC)

さらに、2018年と2013年、2010年、2009年には大雪が降ったものの、こうした

気象現象は1960年代以降、頻度も激しさも少なくなっているということです。

一方、イギリス政府の元科学顧問サー・デイヴィッド・キングが設立した「気候変動

諮問グループ」が発表した報告書では、北極圏の急激な温暖化がジェット気流に影響

を及ぼし、異常気象につながっているかもしれないと疑問を投げかけました。

ジェット気流とは、8000~1万1000メートル上空の対流圏を流れる強い偏西風です。

この報告書では、「ドイツの異常気象による災害、フィンランドとアメリカで6月の

最高気温の更新、カナダ・ブリティッシュコロンビア州の熱波、シベリアでの異常な

高温などが同時に起きている」と指摘しています。

まとめ

イギリスだけではなく、世界中が同じ様な温暖化の危機に直面しています。

それは日本でも同様です。3月といえば桜の開花の季節です。おそらく20年前までは

4月の初めの入学式に満開の桜を見た記憶があるのですが、最近は3月の終わりには

満開を迎え、入学式にはすでに桜は散ってしまっている経験があると思います。

また、一昨日、昨日など東日本に突風をもたらした低気圧。台風並に発達することも

珍しくはありません。これらの気象現象も少なからずも温暖化の影響を受けています。

イギリスは、『本気』で取り組んでいます。それに比べて日本はどうでしょうか?

皆さんも一緒に日本や世界の未来について考えてみてください。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

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