大韓、アシアナ統合。立ちはだかる壁

飛行機

皆さんこんにちは!

世界のメガキャリアと呼ばれる航空会社の歴史は、いわゆる「統合、合併」の歴史でも

あります。

そして、お隣韓国でも大型の統合が実現しようとしています。それは大韓航空とアシアナ

航空の合併です。この合併により、世界10位の航空会社が誕生するのです。

合併に立ちはだかる壁

EUは合併を承認…残ったのは米国のみ

仁川空港の展望デッキから眺めた滑走路=2日、仁川(聯合ニュース)

仁川空港の展望デッキから眺めた滑走路(クレジット:聯合ニュース)

大韓航空とアシアナ航空の統合が9合目を越えました。欧州連合(EU)が両社の統合

を条件付きで承認したからです。まだ米国競争当局の審査が残っていますが、最大

のヤマ場とみられていたEUの敷居を越えたことで、世界10位圏の大型航空会社

(メガキャリア)の発足への期待が高まっています。しかし、EUの条件付き承認

がアシアナ航空貨物事業部の売却と運輸権の返却などにともなう結果であることか

ら、合併の効果をめぐる疑問も依然として残っているのです。

欧州委員会は3月13日、「大韓航空とアシアナ航空の統合を条件付き承認した」と

発表しました。これに先立ち、欧州委員会は昨年5月、大韓航空がアシアナ航空と合併

することになれば、ヨーロッパと韓国を行き来する主要旅客・貨物路線の独寡占の可

能性があるとして、是正措置を要求していました。これに対し大韓航空はアシアナ

航空貨物事業の分離売却をはじめ、アシアナ航空と重複して運航する欧州4都市路線

(パリ、フランクフルト、ローマ、バルセロナ)の運輸権とスロット(空港離着陸許

容回数)を韓国国内の格安航空会社(LCC)に渡す案などを盛り込んだ是正措置案を

用意し、これを昨年11月に欧州委員会に提出しました。アシアナ航空の貨物事業は、

済州航空が関心を示しているという。欧州4都市の路線は、ティーウェイ航空の買収

が有力視されています。EUの審査は、大韓航空とアシアナ航空の統合において最大の

障害とされてきました。市場競争が制限されることを懸念したEUが、企業統合の審査

で他の国より厳しい基準を適用してきたためです。今回の決定で、両社の統合は14カ

国のうち13カ国の審査を終えました。これに先立ち、日本の競争当局である公正取引

委員会(JFTC)は2月31日、両社の統合を承認しました。米国の審査さえ通過すれば、

統合は最終的に終了します。航空業界では、EUの競争当局の承認を受けたため、米国

の競争当局の審査も通るだろうと楽観しています。両社の統合が実現すれば、1988年

のアシアナ航空発足以来36年間続いた国内航空業界の二強体制が、統合大韓航空の独

走体制に再編されるものとみられるからです。グローバルな競争力を備えた世界10位

圏の超大型航空会社の誕生への期待が高まっています。大韓航空とアシアナ航空の投

資説明書と四半期報告書によると、昨年第3四半期基準で、これらの航空会社の航空

機はそれぞれ156機と79機で、合併法人の航空機は計235機。欧州最大の航空会社の

一つであるエールフランス(255台)と肩を並べる規模の航空会社が発足するわけです。

ただし、今回の統合が「優良株」と評価されてきたアシアナ航空の貨物運送事業と主

要都市路線を放棄する形である点で、合併のシナジーを半減させ「アシアナ航空の正

常化」という合併の趣旨にも合致しないという批判の声もあがっているのも事実です。

航空業界のある関係者は「企業統合の重要な部分は『相乗効果』なのに、貨物事業を

あきらめて利益が出る路線を返却するやり方の合併をなぜあえてしようとするのか分

からない」とし、「今回の合併は1+1=2ではなく、1+1=1といえる。最終的な統合

が実現しても批判論は絶えないだろう」と語りました。

MRO 合併の鍵となる文化の統合

大韓航空とアシアナ航空のMRO【MROとは、Maintenance(メンテナンス)、Repair

(修理・修繕)、Operation(操作・稼働)の頭文字を取った用語】部門間の労働文化

の円滑な統合は、韓国のフラッグキャリアであるアシアナ航空が両航空会社間の差し迫

った合併に備える中で、重要な焦点の一つとなっています。

合併を承認できる規制当局はほんの一握りしか残っていないため、大韓航空は新しい機

材と人材の移行と統合に取り組んでいます。

「私たちの主な焦点は、さまざまな面でスムーズな移行を確保することです。規制面と

技術面の統合は簡単ですが、人間文化と組織文化を調和させることはより困難になりま

す。文化の違いが統合の成功を妨げる可能性があることを認識しており、当社はこの課

題に対処するために積極的な措置を講じています」と大韓航空の副社長兼最高安全執行

責任者のジョン・ソク・ユ氏は述べました。「この取り組みの中心となるのは、アシ

アナ子会社化の段階でオープンなコミュニケーションチャネルを確立し、両航空会社間

の相互理解と協力を促進することです。」

大韓航空は、2027年第2四半期に完成予定の雲北にある韓国の新しいエンジンメンテナ

ンスクラスターで、アシアナ航空のエンジン、特にエアバスA350-900型機のロールス

ロイス・トレントXWBを整備する可能性を検討しています。

アシアナ航空は現在、A350-900を15機運航しています。韓国は最近、A350-1000型

機27機とA350-900型機6機の契約を締結しました。

雲北施設はアジア最大のエンジンMRO工場となり、大韓航空の短中期MRO投資の基礎

となる予定です。

大韓航空

大韓航空が計画している雲北エンジン整備施設の完成予想図。(クレジット: 大韓航空)

大韓航空は仁川​​国際空港近くの雲北で新たな航空機エンジン整備クラスターの建設を

開始しました。 2027年に完成すると、アジア最大のエンジン施設と称され、大韓航

空の年間MROエンジン能力は3倍以上となり、100基から360基となります。

ユ氏は、大韓航空がラムコに対し、集中エンタープライズ・リソース・プランニング・

システムと韓国のエンジンMRO機能を統合する「スマート・ファクトリー」の開発を

依頼したと述べました。 2026 年初めに稼働すると、Unbuk 施設にも統合される予定

です。

大韓航空の労働力は主に現地採用と訓練を通じて調達されており、ユ氏は法律が認め

れば外国人材を雇用したいと考えています。

「さまざまな法的制限により、外国人材の採用には課題​​が生じています。こうした制

約により、海外からの幅広い人材プールを活用することが制限されています」とユ氏

は語りました「「これらの問題を解決することは、より多様でダイナミックな労働力

を育成するために極めて重要であり、これは当社の事業規模を拡大し、国内のMRO

業界を強化するために不可欠です。」 

まとめ

アシアナ航空の貨物部門を売却することによって、大型の統合が決まろうとしてい

ます。大韓航空とアシアナ航空、日本では日本航空(JAL)と全日空(ANA)が一緒

になるようなものです。そもそも、キャリアフラッグと呼ばれる航空会社はその国

で1社のみです。日本でもかつては、JAL、ANA、JAS(日本エアシステム)という

3大航空会社が運航していました。2004年にJALとの経営統合によりJASはなくなっ

てしまいます。JALは、2010年に経営破綻をしましたがその後復活。今の2大体勢

になっています。

コロナにより大きな変革を求められている世界の航空業界。今後新たな再編、統合

がなされるかもしれません。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

 

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