皆さんこんにちは!
2025年6月4日(水)~6日(金)の3日間、千葉県幕張メッセで今年もJAPAN DRONE2025が開催されました。
約200社あまりが参加。3日間で約2万人の来場者を予測しているビックイベントです。
今日はその初日。200社の中で注目の企業をピックアップします。
HIEN Aero Technologies(ヒエン)
手前味噌にはなりますが、私の所属しているヒエンを紹介します。
今回、多くの大型物流ドローンが展示されていましたが、その中でも、ひときは大きいドローンはヒエンの『DR- ONE(ドローンワン)』でした。
ヒエンのドローンワン
おそらく、これまでの常連だったスカイドライブやテトラなどの機体は、大阪万博の展示やその準備で出展を見送ったト想像できます。
また、開催早々に米リフト・エアクラフト社製の「HEXA(ヘクサ)」のプロペラ部分2つが脱落するアクシデントもあり、同型機の展示もありませんでした。
これらを踏まえても、1日目で最も注目を集めたのがヒエンでした。
ヒエンのドローンワン
ヒエンのドローンワンは、ペイロード40kgを有する大型物流ドローンです。
エンジンは、日本初のハイブリッドシステムです。従来のバッテリーのみのエネルギーシステ
ムではなく、小型軽量のガスタービンエンジンにより電気を作り出し、左右8つの電動モーターに電気を供給することにより、驚異的な飛行時間とパワーを供給できるのです。
ドローンワンの用途としては、40kgという荷物をより早くより遠くへ運搬することができるのです。
その特性を生かし、災害救難、支援物資や医療機器の運搬など多岐に渡ります。
また、分解すればトヨタのハイエースに収納可能で、目的地近くまで運搬し組み立てを行い飛ばせることで行動範囲が格段に大きくなるのです。
また、ヘリポートなどを装備している船舶からでも飛行可能で、その可動範囲は格段に広がるメリットがあります。
実際には、時速100kmほどの巡航速度を維持することができ、最高で2時間の飛行も可能です。
行動範囲も200kmと日本のどの大型物流ドローンを凌駕する機体となっています。
ここで最近変ったことといえば、ガスタービン発電エンジンを中国製からアメリカ製に変えたことです。
これには、中国政府がドローンなどの部品の輸出を禁止したことです。それは、中国の商務省
や税関総署などは2023年7月31日、高性能の民生用ドローンや関連機器について、国家の安
全と利益を守るため「輸出管理法」などに基づき、9月1日から2年間、輸出を規制すると発表
しました。この政策により、日本にも一切中国製の部品が入らなくなったのです。
それは、ドローン業界だけでなく多くの関連企業も影響を受けたのです。必然的にヒエンも高価なアメリカ製に交換せざるを得ませんでした。
しかし、それは決して悪いことばかりではありません。アメリカは国内製品が売れなくなるかと思いきや、高価でもその売り上げは中国製品に取って代わっているのですから。
『ものづくり日本』の技術を持ってすれば、中国よりも高性能でアメリカよりも安価で同じも
のが作れるチャンスだとヒエンの最高技術責任者(CTO)の谷津田(やつだ)氏は述べています。
いずれにしても、ドローンワンの開発は順調に進んでおり、更なる飛行試験をクリアして、日本の空を飛ぶ日も近づいています。
新しいマーケットの開拓
今回の展示で、多くの注目を集めたのが小型ヘリコプター型物流ドローンです。その名は、『SWISS DRONES(スイスドローン)』です。
スイスドローンはその名の通り、スイス製です。今回、スイスドローン社と協定を結び、日本の販売代理店としての許可をもらったのです。
同じく、ヒエン関係企業である三和技巧(さんわぎこう:本社は北九州市)と共同で輸入販売事業を行います。
三和技巧(グループ)のHP
さてその性能ですが、2枚羽根のツインローター。機体重心上部に重なるように左右対称に設置されています。
この形は、ヘリコプターでよく見られる前後のツインローターと比べて重心の安定が想像できます。
機体の下部に重さ45kgの荷物を吊り下げ、飛行時間は最大4時間以上(天候などの飛行条件にもよる)飛行可能です。
物流だけでなく以下の3つのミッションも可能です。
検査と監視
高圧電線、ガス・石油パイプライン、その他広範囲に及ぶ資産といった重要インフラの継続的
な点検は、それらの継続的な運用とセキュリティ確保に不可欠です。当社は、市場をリードす
るカメラ、センサー、ソフトウェアを活用した費用対効果の高い無人ソリューションを提供し、航空データの収集と処理に関するお客様固有のニーズに対応します。
捜索救助
特殊なカメラシステムとセンサーを用いて、アクセス不可能な場所や危険な場所(陸上
または水上)、悪天候、夜間などにおける行方不明者の捜索救助(SAR)ミッションを機動的
に支援します。対象者の所在が判明次第、サバイバルキット、医療機器、食料、いかだなどの緊急装備を空輸・投下し、捜索救助活動を支援します。
空中監視
比類のない柔軟性と効率性により、安定した赤外線/光学カメラを含む個別のペイロード構成が
可能になり、有人運用が不可能な困難な状況や危険な状況(悪天候、暗闇、敵対的またはその他の安全でない地域の上空飛行など)でのミッションが可能になります。
スイスドローンは、多岐に渡り高性能を発揮できる機体です。今日も一番の注目を集める結果になったことは明らかです。
もう一つの柱・それはLSA
ヒエンの3本の柱の一つが、LSA(Light Sports Aircraft)事業です。
LSA先進国のチェコ共和国の企業と手を結び、日本へLSAの輸入販売をします。
ザラとマックの姉弟が、それぞれ世界最年少で世界一周を成し遂げた機体、SHARK(シャーク)


そして、チェコでベストセラー機と名高いEvektor(エベクター)社のLSAシリーズです。
エベクターのハーモニーLSAシリーズ
エベクターのLSAは、FAA、EASAのライセンスも取得しています。また新たに全電気式LSAを開発しています。
詳細については、改めて特集を組みます。
本日は、ヒエンを紹介しました。
明日は2日目。また多くの企業を取材、紹介していきます。明日もお楽しみにしてください。
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