ドローンの騒音はストレスを増大させる

皆さんこんにちは！

日常、皆さんの周りにはいろんな騒音があります。自動車やバイク、工事現場や

工場地区、飛行場周辺など騒音は様々です。これら人工的に作り出せれた騒音は

人間にとって不快に感じます。また健康被害も。

今日は、近未来の乗り物、ドローンや空飛ぶクルマの騒音について考えてみます。

ドローンの騒音はストレスを増大させる、研究結果

兼空結果からわかること

近年、空飛ぶ車（アーバン・エア・モビリティ、UAM）の技術が国内外で盛んに

研究されています。しかし、UAM やドローン (無人航空機システム、UAS) などの

空飛ぶ乗り物が社会的に受け入れられるかどうかは、あまり調査されていません。

社会的受容が無視されると、社会問題が発生することがよくあります。このように

ドローンの産業利用や空飛ぶ自動車の商用化など、いわゆる空中産業革命の到来に

より、新たな課題が生じることが予想されます。これらの問題を克服するために、

ここでは、アンケートを使用した社会心理学的評価と、感性アナライザーを使用し

た脳波 の測定によるリアルタイム評価の 2 つの異なるアプローチによって、社会

的受容性を評価しました。これまでの研究で、ロータの静止音や非定常の金属音を

含む様々な音に対する感性アナライザーの適用性を実験的に評価しました。

ドローンやエア タクシーからの騒音が、UAM を採用している地域に住む人々のスト

レス レベルにどのように影響するかを調べるために、日本の名古屋大学と慶應義塾

大学の研究者チームは、ドローンが頭上を飛んでいる様子をシミュレートしたビデオ

と音声記録を使用して調査を実施しました。予想通り、騒音公害が大きければ大きい

ほど、参加者はより多くのストレスを感じました。しかし、自己報告されたストレス

は騒音レベルとともに減少しましたが、無意識のストレスレベルは騒音が減少した後

でも維持されることがわかりました。

研究参加者からの自己申告の回答に加えて、研究の著者は感性アナライザーを使用し

て、シミュレーションでドローンが頭上を飛んでいるのを目撃したときに人々が経験

したストレスレベルを判断しました。感性アナライザーは、ストレス、集中、嗜好、

冷静、興味の5つの感情を検出・測定する脳波計です。この技術は、レストランの内装

や車内の快適さ、レストランのメニューの選択など、特定の環境について人々がどのよ

うに感じているかを評価するために以前に使用されていました。 

この実験では、研究者は名古屋大学の航空機械実験棟にある飛行性能評価トンネル内の

大型プロジェクタースクリーンの前に16人の参加者（すべて名古屋大学の学生）を配置

しました。各参加者は、感性アナライザーのヘッドセットを着用しました。

研究チームは画面上に 18 秒のアニメーションを表示しました。このアニメーションは、

都市部で日中、高度 15 メートル (50 フィート)、時速 25 km (16 マイル) の速度で頭

上を飛行するエア タクシーをシミュレートしています。参加者は 18 秒のアニメーショ

ン ビデオを見るたびに、マルチコプターの産業用ドローンが頭上を飛んでいる音声録音

を聞きました。 

研究者は、異なる日付に異なる場所で作成された 2 つの異なる音声録音を再生しました

が、どちらも頭上を飛行する同じタイプのドローンを使用していました。各オーディオ

録音は、ビデオと一緒に 4 回再生され、その後のセッションごとにボリュームが増加し

ました。ビデオを見て、それに付随する騒音を聞いた後、参加者はストレスレベルに関

するアンケートに記入するよう求められました。

最も静かなセッションでは、録音の音量は 72 ～ 73 デシベル (dB) でした。中レベルの

オーディオは 78 ～ 79 dB に設定され、大音量と最大音量の設定はそれぞれ 86 ～ 87

dB と 91 ～ 92 dB でした。参考までに、現在開発中のほとんどの eVTOL 航空機は、

その範囲の下限でノイズを生成します。NASA の調査によると、たとえば、Joby Aviation 

のeVTOLは、飛行経路から約 100 メートルの距離で、離着陸時に約 65 dBA を生成す

ることがわかりました 。

この研究では、「アンケートによる評価におけるストレスのレベルは、その時の音量の

レベルとほぼ正確に対応している」ことがわかりました。しかし、自己報告データは、

4 回目と 5 回目のセッションの間にボリュームが減少した後、ストレスレベルが元に

戻ったことを示しましたが、感性アナライザーのデータは、ノイズレベルが減少した

後でも、参加者がより高いレベルのストレスを保持していることを示しました。 

この違いは、今後の社会受容性調査方法の策定に重要な情報を提供すると考えられます。

騒音レベル

一般的な騒音レベルの目安です。

目安①(うるささ)	目安②(身体/生活への影響)	騒音値(db)	騒音発生源と距離、大きさの目安
きわめてうるさい	聴覚機能に異常をきたす	１２０db	・ジェットエンジン（飛行機）の近く
		１１０db	・自動車のクラクション（２ｍ）
		１００db	・電車が通るときのガード下 ・液圧プレス（１ｍ）
	うるさくて我慢できない	９０db	・犬の鳴き声（５ｍ） ・騒々しい工場の中 ・カラオケ（店内中央） ・ブルドーザー（５ｍ）
		８０db	・地下鉄の車内 ・電車の車内・ピアノ（１ｍ） ・布団たたき（1.5m） ・麻雀牌をかき混ぜる音（１ｍ）
うるさい	かなりうるさい。かなり大きな声を出さないと会話ができない	７０db	・騒々しい事務所の中 ・騒々しい街頭 ・セミの鳴き声（２ｍ） ・やかんの沸騰音（１ｍ）
	大きく聞こえ、うるさい。声を大きくすれば会話ができる	６０db	・洗濯機（１ｍ） ・掃除機（１ｍ） ・テレビ（１ｍ） ・トイレの洗浄音 ・車のアイドリング（２ｍ） ・乗用車の車内
普通	大きく聞こえる、通常の会話は可能	５０db	・静かな事務所 ・家庭用クーラー（室外機） ・換気扇（１ｍ）
	聞こえるが、会話には支障なし	４０db	・市内の深夜 ・図書館 ・静かな住宅地の昼
静か	非常に小さく聞こえる	３０db	・郊外の深夜 ・ささやき声
	ほとんど聞こえない	２０db	・ささやき  ・木の葉のふれあう音

※かっこ（）内は騒音発生源からの距離

ちなみに大型のヘリコプターで、90～100db（30ｍ離れた距離）です。通常の飛行

高度300ｍ（1000フィート）くらいですと80dbくらいです。

超静音推進システム、ウィスパー エアロ セット

最も静かな電気推進システムとなるものを開発している、アメリカ・テネシー州に

本拠を置くテクノロジーの新興企業であるウィスパー エアロ。

2021年2月以来、ウィスパー エアロは、予想される出力や騒音レベルなど、製品を

開発研究しています。

これまでに開発された技術をカバーする 5 つの米国特許出願を提出しています。同社

は、計算流体力学 (CFD) と空力音響解析の進歩を利用してスラスターを開発している

と述べています。同社によりますと、通常の電化製品より20dbほど騒音を軽減できる

としています。

新技術をテストするために、ウィスパー エアロは 55 ポンド (25 kg) のデモンスト

レーター ドローンを製作し、超静音推進システムを搭載しました。

しかしまだその実験結果は明らかにされていません。

まとめ

名古屋大学の研究を指導した原教授によりますと、人間は機械的に作られた騒音、

またはそうでない騒音（人の声や自然界のもの）とは区別はしていません。

今回は、あくまでドローンの騒音についての研究発表です。通常人間が不快に感じ

る音は、未知のもの（今まで聞いたことのない）の恐怖心から来ることがあります。

そして、この研究結果からもわかるとおり、音が持続することによって起こる騒音

傷害についても言及しています。例えば、蚊の羽根を音は本当に不快です。いつ

蚊に刺されるかという恐怖が先行します。

ドローンや空飛ぶクルマが、優しい乗り物であることや安全であることをアピール

することも必要になってくるのではないでしょうか？

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。